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関西特集
図解!大阪・関西万博 パビリオン編
韓国/言語を超えた相互交流体験
テーマは心を合わせてを意味する「ウィズハーツ」。自国で建てる海外パビリオンでは最大規模となる約3500平方メートルの敷地面積に三つの展示館で構成する。人工知能(AI)や再生可能エネルギーなどの先端技術を用いた展示を行う。展示を通じて、来場者が言語を超えたコミュニケーションを体験できる仕掛けを構想している。
AIを用いて来場者の声を組み合わせることで、その場で合唱曲が作られるような仕掛けも構想する。建物正面の大型LEDディスプレーには、K-POPアーティストの映像なども流す予定。
施工はリバー産業(大阪府岸和田市)が担い、内装も含むパビリオンの完成は25年3月を目指す。
イタリア/理想の都市の現代版を再現
テーマは「アートは命を再生する」。イタリア・ルネサンスの象徴である「理想の都市」の現代版を再現することを構想する。象徴となるのは、円形闘技場の「コロッセオ」をモチーフにした外観。パビリオン内には同国が万博史上初となる「バチカン市国」のエリアを造る。
内部は三つのエリアに分かれ、 宇宙、 街と社会、 人間をテーマにした展示を行う。モビリティー、ロボットなどの最新技術に触れられる。屋上にはイタリア風の庭園を造り、万博会場の大屋根リングから見渡すこともできる。
建設は西尾レントオールなどが担う。比較的安価で軽量な一般流通材を用いて大空間を造れる工法を採用。万博終了後はイタリアワークショップで再利用することを計画する。
オーストリア/音楽や研究に触れる仕掛け
テーマは「未来を作曲する」。外観は、楽譜をモチーフにした旋律のなめらかな曲線を描く高さ約12メートルの木造の構造物を象徴とする。展示では、人工知能(AI)を用いて複数の来場者が一つの音楽を作曲できる体験や、半導体などに関する最新の研究開発の情報に触れられるような仕掛けを計画する。
万博開幕に向けて、日本などで約70の活動を予定する。その一つには、オーストリア産のワインと日本酒をタイアップした新商品を日本の醸造会社と共同開発する。万博で披露する予定。
構造材はネジで固定されており、解体しやすい独自工法を採用する。一部は同国で製造した部材を日本で組み立てることで、工期の短縮につなげる。
カナダ/水路氷結で川の旅路を描く
テーマは再生を意味する「リジェネレーション」。不ぞろいな四角形の氷が連なる外観は、春の訪れとともに川の氷が溶けて交わり、一緒になる様を表す。氷片がある地点に集積することで川の流れがせき止められる自然現象「水路氷結」から着想を得た。川の旅路をイメージし、若者が将来を築いていく前向きなメッセージを込める。
展示は、カナダの文化や食を体験しながら出会いを楽しむことをコンセプトにした中庭を設ける。貿易や投資振興の場として、企業などが意見交換できるビジネスエリアも設置する。
建設はシマ(大阪市浪速区)などが担う。建物の一部は英国とカナダで製造し、日本で組み立てる工法を採用する。
オランダ/分かち合い新たな価値生む
テーマは共に分かち合い、新しい価値を生み出すことを意味する「コモングラウンド」。建物の中心には日の出を表し、クリーンエネルギーを象徴する直径111メートルの球体がデザインされる。来場者は、水から再生可能なクリーンエネルギーを生成できる同国の最新技術を体験することができる。
外観は、中央に発光する球体を配した細長い建物になる予定。浅沼組などを含むコンソーシアムが建設する。万博終了後は資材を別の建築資材として活用し、可能な限り再利用する。
ライフサイエンスをテーマにしたイベントも実施する予定。再生医療の分野では大阪府と大阪市が運営する「大阪ヘルスケアパビリオン」とも連携する。