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関西特集
パビリオンで各府県特徴展示―関西広域連合
関西圏の2府6県4政令市で構成し広域行政を担う関西広域連合は、大阪・関西万博で「関西パビリオン」を出展する。パビリオンでは京都府と兵庫県、滋賀県、福井県、和歌山県、鳥取県、徳島県、三重県がそれぞれ特徴的な展示を行い(奈良県は共通施設で参加)、関西の魅力を強く訴える。広域連合長の三日月大造氏(滋賀県知事)に、万博への思いや取り組み状況などを聞いた。
魅力表現し訪日客誘う
―開幕まで約1年となった万博への思いを聞かせてください。
「万博という世界的なプロジェクトが大阪・関西で開催されるのはビッグチャンスだ。今回の万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』で、いのちや生きること、未来社会のことなどをいろんな方が知恵を絞り、テクノロジーも駆使し展示などで表現される。どんなものが出てくるのか、本当に楽しみでワクワクしている」
―出展する「関西パビリオン」の特徴は。
「上から見ると六角形の外観形状で、中に入ると真ん中には『大関西広場』が現れる。映像を駆使し関西はこういう所だと情報発信する。出展する各府県にはそれぞれ面積割りをし、何を表現するのかは任せている。コンセプト段階から各府県では、いいものにしようと気合が入っている。4月以降、順次内容は具体化してくる」
「例えば滋賀県は、琵琶湖を中心テーマに水のつながりを表現する。京都府では文化庁がきたことも踏まえ京都らしさを発信し、兵庫県は万博会場だけでなく県全体をパビリオンにみたてる方針だ。和歌山県も自然や食の魅力を感じられる内容などを検討していると聞く。(関西広域連合にこのほど全部加入した)奈良県は個別展示はないが、大関西広場や催事も含めて一緒にやっていく。それぞれが持つ資源をうまく生かしながら、情報発信していきたい」
―パビリオンで目指すことは。
「パビリオンで関西各地の魅力を表現すると同時に、国内外の来場者を各地へ誘うゲートウェー(玄関)にしたい。また子どもたちにとって、万博はいろんなインパクトを与えられる場になる。滋賀県もそうだが、関西の多くの自治体では子どもたちを万博に招待するプログラムを準備中だ。4月に立ち上げる『WEBパビリオン』にも力を入れる。情報通信技術の発展で、仮想のものが現実と変わらない形で体感できるようになってきた。開幕前から、万博で何をするのかを感じてもらえるようにしたい」
自然・文化・歴史を再認識
―万博全体ではコスト上振れや建設遅れなど課題もあります。
「万博はビッグプロジェクトなので予算の上振れや工期が間に合うのかなど心配事はあるが、全員で力を合わせ乗り越えることが大事だ。関西パビリオンも構造を見直し、人件費上昇などで、費用が当初計画より増額された。それらは丁寧に説明している。また建物はテントタイプで造るため、比較的安価にできるように工夫した」
―関西パビリオンで企業の関わりは。
「それぞれの府県が地域企業と連携し、展示などで表現する場面は出てくると思う。特に中小企業は自前で出展は難しく、催事などで関われるような取り組みをしていきたい」
―あらためて万博を関西の活性化にどう生かしていきますか。
「観光面では万博でくるインバウンド(訪日外国人客)に対し関西各地に周遊してもらうよう、プロモーションを行い、快適に過ごしてもらう環境を整備していく。関西の鉄道7社が連携し、交通手段の予約や決済などを効率よくできるウェブアプリ『KANSAI MaaS』も構築された。万博をきっかけに私たち自身も関西の自然や文化、歴史などを再確認し、世界の人々に関西はいいモノを多くもっているなと思ってもらいたい」