-
業種・地域から探す
続きの記事
関西特集
2025大阪・関西万博 開幕まで1年
映し出す未来図 明らかに
大阪・関西万博の開幕まであと1年余り。会場となる人工島「夢洲(ゆめしま)」では1周約2キロメートルの世界最大級の木造建築物「リング」がその姿を現し始め、海外パビリオンなども続々と着工し始めた。万博が映し出す未来図が少しずつ明らかになるにつれ、機運の醸成が進み始め、地元企業などの参加機運も高まってきた。
次世代産業への起爆剤
本格的なものとしては55年ぶりの大阪開催となる万博を契機として、デジタル変革(DX)やグリーン・トランスフォーメーション(GX)、自動運転や空飛ぶクルマなど次世代モビリティーといった新しい産業に関西の産業界がどのように取り組んでいくのかが問われている。大企業だけでなく中小企業やスタートアップなどの参加も多く予定されており、日本全体をけん引する次世代産業への起爆剤としたい。
健康・医療産業への期待大
特に期待されるのが万博テーマにも関連する健康・医療産業だろう。もともと関西には製薬会社や大学など研究機関が集積する。神戸は350を超える企業や研究機関などが集積する医療産業都市を抱え、京都にはiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究で有名な京都大学などが立地。さらに近年では大阪大学を中心とした彩都や、国立循環器病研究センターを核とした健都、そして4月から順次開業する未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross(ナカノシマ・クロス)」など、ライフサイエンスで産学官が連携する拠点が大阪府内で次々と立ち上がる。
レガシー生かし強みを発揮
国際情勢がますます不透明化し世界が多くの問題に直面する中にあって、万博がメーンテーマに掲げる「いのち輝く未来社会のデザイン」へのニーズは切実さを増すばかりだ。首都圏への一極集中が進んだとはいえ、関西の都市圏人口はいまだ世界でも十指に入る。これまでのレガシー(遺産)をどれだけ生かし、そして新たな強みを発揮できるのか。「いのち」をキーワードに世界に貢献しながら、大きく自らも成長を遂げていくことが関西の産業界には期待されている。