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神奈川県特集
神奈川を支え 未来へ挑戦 — Chapter3 —
スチールプランテック/新電源システム「CleanArc」連続受注
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横浜・みなとみらいの本社受付
製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック(横浜市西区)は、「Green&Smart」をビジョンに掲げ、脱炭素・DX分野に注力する。2024年度は大型電気炉案件がけん引し、受注高は前年比49%増の396億円、売上高は48%増の341億円を達成。経常利益も30%増と大幅な増益となった。
実績として電圧変動(フリッカ)や高調波を抑制する新電源システム「CleanArc」の連続受注や、圧延分野で大型案件を獲得。安全性向上や省力・省人化に寄与するAI・ロボット活用製品も好調だった。東京科学大学や東北大学との産学連携でカーボンニュートラル実現へ向けた共同開発も推進した。
25年度の目標は受注高400億円、経常利益30億円。引き続き「Green&Smart」の下、補助金活用製品の販促と既存事業の拡大を図る。インド市場に注力するなど海外戦略も再構築する。長期的な視点での革新技術開発も進め、持続的な成長を目指す。
神奈川産業振興センター/中小の外国人材採用 ワンストップ支援
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4月に開いた「かながわ外国人材活用支援ステーション」キックオフセミナー
神奈川産業振興センター(KIP)は、県内中小企業の外国人雇用を支援するため、「かながわ外国人材活用支援ステーション」を4月に開設した。人手不足から外国人材へのニーズが高まる中、初期相談からマッチング、定着支援など一連の過程を専門家が伴走支援する。マッチングの円滑化や定着率向上などさまざまな課題にワンストップで対応し、県内中小の人材確保を後押しする。
特定技能制度の活用や、専門知識を持つ高度外国人材の採用に向けたインターンシップ(就業体験)の実施など外国人材活用に関する多様なニーズに応える。マッチングでは20社の人材紹介会社と連携。2025年度はベトナム、インド、モンゴルの3カ国で合同面接会を予定する。
KIP内窓口には制度や公的手続きなどに詳しい専門家が日替わりで常駐。黒柳澄江相談員は「外国人雇用に関するさまざまな情報を提供できる。悩む前に早めに相談に来て欲しい」と呼びかける。
大久保歯車工業/困りごとに技術でサポート
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歯車関連技術で培った技術やノウハウは、さまざまな分野に活用されている
大久保歯車工業(神奈川県厚木市)は、1938年創業。歯車関連技術をベースに躍進を続ける。培った技術やノウハウが建設機械をはじめとするさまざまな分野に活用され、自社開発のアクスルや遊星減速機は世界で使用されている。大型車両のパワーライン関係や工作機械の工具交換を瞬時に行えるATC(オートマチック・ツール・チェンジャー)の開発・製造技術については、トップクラスの評価で世界のニーズに応える。
同社では「単品・試作品を作りたいが、どこも対応してくれない」「こんなモノがほしい」や「この現物と同じものが欲しい」「こんなイメージのものが欲しい」などの声を受け、「新事業」を開始した。歯車および関連部品の単品・試作の製作、調査、技術支援、新技術研究設計・機械加工・熱処理・評価・提案まであらゆる困りごとにメイド・イン・ジャパンの技術でサポートする。顧客と試行錯誤を共有し、課題を解決する。
ジェトロ横浜/スタートアップ支援強化
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横浜市の「TECH HUB YOKOHAMA」で開いた交流イベント
日本貿易振興機構横浜貿易情報センター(ジェトロ横浜)は、自治体や関連機関と連携し、海外展開を目指す神奈川県内のスタートアップ(SU)の支援を強化している。
横浜市や川崎市と連携し、2024年10月にシンガポールで開かれたディープテック分野の展示会「SWITCH」への県内SUの出展を支援。さらに25年2月には、同展示会で構築した人脈を基に、県内SUとの連携が期待される同国のエコシステムのキープレーヤー4人を両市に招いて交流を深めた。
両市のインキュベーション施設視察や個別商談、横浜市のSU支援拠点での交流イベントなどを実施。一連のプログラムに参加した企業は「日本での商談では実物の製品を紹介でき、SWITCH出展時にはできなかった深い対話ができた」とした。
ジェトロ横浜は今回培ったネットワークや知見を今後の支援策に生かし、県内SUの海外展開や地域エコシステムのさらなる活性化に結びつける方針だ。
神奈川県立産業技術総合研究所/事例探求軸に生成AI活用支援
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3DCADモデル(右)は、外形を設計し、単純化したモデルを生成AIで出力、さらに生成AIでプログラムしたアプリで各モデルを結合して生成する
神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)が昨年度から進める企業支援「生成AI活用促進事業」は、神奈川県内の中小企業を対象とする専門家派遣のほか、製造業の活用事例に着目し、ニーズが高い課題の先行実証、リアルな知見収集に注力している。4月に開催した報告会では計62名の参加者に「3DCADモデル生成」のためのアプリ開発事例を発表。生成AI活用の背景や目的、設定した前提条件に基づき技術調査や検証を重ねた結果を紹介。ツールの選定理由や生成AIに指示を出してプログラミングしたコードを利用する上での注意点も発信した。
KISTECでは、同様に「ローカル環境における生成AIシステムの構築」、「シミュレーションデータの可視化」、「IoTシステム構築」等についても知見の収集・発信を進める。豊富な知見で企業からの無料技術相談にも対応。相談はKISTECのHPから情報・生産技術部システム技術グループまで。


