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神奈川県特集
世界とつながる グローバル企業
グローバル企業が集積する神奈川県。世界有数の大都市「東京」に隣接し、鉄道や道路、港湾、空港へのアクセスなど交通インフラの充実を強みに、自動車産業や電子部品産業などモノづくり企業のほか、外資系企業の日本法人、食品産業など特徴ある企業が多く立地している。グローバル化は経済活動だけではなく、文化や情報、教育など、国境を越えて世界とつながる。
Z方向に可動 世界初のコネクター
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神奈川県は交通インフラが充実し、グローバル企業が集積する
車載用コネクターを主力とし、新横浜にあるイリソ電子工業は海外生産比率が約80%、海外売上高比率が約80%に達し、積極的にグローバルで事業を展開している。12カ国で展開、4カ国で生産、2カ国で開発に乗り出している。世界中のほぼ全ての1次取引先(ティア1)の自動車部品メーカーと取引があるなど、グローバルで強固な顧客網を持つのが強みだ。
可動BtoB(基板対基板)コネクターは、嵌合後のズレを吸収するので、同一基板上に複数個のコネクターを使用できる。さらにこれを進化させて、X軸—Y軸のフローティング構造に加え、接点が固定されたままZ軸が可動する世界初のコネクター「Z—Move」を開発した。製品群の拡充で、車載・産業機器向け需要に対応する。
タイ工場を増強 最適な生産体制に
主力製品のディップ(DIP)スイッチを手がける、横浜市港北区にあるオータックスは、東南アジアを中心に事業展開を進める。タイ工場(プラチンブリ県)の生産体制を拡充する。2025年度中にはメッキラインも設置し、スイッチ用の金メッキも内製化する予定。「チャイナ・プラス・ワン」ではなく、「チャイナ・プラス・ビックワン」として、タイ工場を生産の中核を担う工場と位置付けている。グローバルで最適な生産体制を構築し、サプライチェーン(供給網)の強化に乗り出している。
タイ工場は端子台をメインとした工場として、13年に設立した。23年9月に第2基増設工事が完了。約3000平方メートルから3倍の1万平方メートルへ増設した。生産能力を増強したことで、端子台の増産に加え、これまで中国工場で生産していたスイッチの生産を移管した。
CB証明書発行実績 世界2位
新横浜にあるテュフラインランドジャパンは、ドイツに本社を置く国際的第三者検査機関であるテュフラインランドグループの日本法人。①電気・電子機器②産業機械③医療機器④自動車—の4分野を軸に事業を展開している。
グループのCB証明書発行実績が世界2位。CB証明は電気製品や医療機器、産業機械といった製品を世界に輸出する際のパスポートのような位置付けとなる。80カ国で680の認証スキームを国ごとで認可を受けており、各国の認証をグループ内で完結できるのは大きな強みだ。
同社のグリーンプロダクトマークはサステナブル製品に求められるさまざまな要素を網羅した認証マークで、富士フイルムビジネスイノベーションが日本企業として初めて取得した。
子ども向け環境教育「水育」を展開
神奈川県内に工場があるサントリーホールディングス(HD)は、森と水をテーマにした小学生向け次世代環境教育活動「水育(みずいく)」を世界に広げている。15年に海外での同活動として初めてベトナムで開始して以降、アジア、欧州、オセアニアの各地に展開。7月には新たにオーストラリアで開始し、活動対象国は今回で日本を含め9カ国となった。
水育は森や水の大切さを子どもたちに伝える活動で04年から日本各地で展開してきた。森の探検や水に触れる体験学習「森と水の学校」や学校での「出張授業」などを提供している。
日本で培ったノウハウを海外に展開しつつ、各国の状況に合わせたプログラムを提供するのが特徴。オーストラリアでは同社工場があるクイーンズランド州南東部のイプスウィッチとその近郊の小学生を対象に、地元の水課題への取り組みに重点を置いたプログラムを展開していく。


