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神奈川県特集
県央・相模原市 新たな挑戦 力強くサポート
豊かな自然と便利さが調和する神奈川県の県央地区では、相模原市や厚木市が市制施行70周年の節目を迎えている。起業家支援、イノベーション創出、ロボット活用、企業誘致、設備投資など行政が力強く産業の成長を後押しする。企業が直面する課題へ向け具体的な支援で産業振興を図る相模原市、厚木市の動きを紹介する。
相模原市/スタートアップ・イノベーションエコシステム構築 他機関などと連携 支援拡大
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起業家とイノベーションの創出を支援。合同成果発表会を開催し交流も促す
相模原市は、スタートアップ、企業、研究者、大学などさまざまな主体の共創によりイノベーションが生まれる「スタートアップ・イノベーションエコシステム」の構築を目指し、ここ数年間でさまざまな取り組みを展開している。スタートアップの急成長を支援する「相模原アクセラレーションプログラム」を2022年に開始したことを皮切りに、翌年からは市内企業の共創事業の社会実装を支援する「オープンイノベーションプログラム」、多様な主体の交流による共創を促進する「イノベーション創出促進拠点運営事業」に取り組んでいる。
25年はさらなるエコシステムの拡大を見据え、神奈川県と連携し、橋本駅を中心とした県央・多摩地域の企業や研究機関、大学などのさまざまな主体による支援ネットワークを形成するとともに、市内外のスタートアップのニーズに対して各主体が連携して支援する「相模原・橋本駅を中心とした広域スタートアップ支援ネットワーク形成事業」を開始した。
リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の設置を見据え、広域的な施策を掲げる相模原市。今後もさまざまな取り組みを展開し、イノベーション創出都市として成長を目指す。
【メッセージ】 相模原市長 本村 賢太郎 氏/持続可能な都市経営を実現するために
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相模原市長 本村 賢太郎 氏
相模原市は、昨年に市制施行70周年、今年は政令指定都市移行・区制施行15周年を迎えました。多くの皆さまと喜びを分かち合い、シビックプライドの醸成を図るとともに、本市の魅力を発信してまいります。
本市では、「起業するなら相模原」と選ばれるまちを目指し、起業家の成長に必要な実践的なプログラムの実施やイノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」を中心としたさまざまな主体の交流・連携を促進しています。スタートアップ創出や誘致に向け県と連携し、広域的スタートアップ支援ネットワークを構築します。
さがみロボット産業特区に指定されている本市では中小企業の人手不足解消や生産性向上を目的に、ロボットの活用やDX化の促進に取り組んでいます。今後は、民間企業と連携し、市役所本庁舎のエレベーターとロボットを連携させ、ロボットがフロア間を移動する実証事業を実施するなど、産業界だけでなく、多くの市民に「ロボットのまち さがみはら」を実感していただける事業を実施します。
相模原市が持続的に発展していくためには、基盤となる経済の成長が欠かせません。企業の皆様に必要な施策をより効果的かつ着実に推進してまいります。
厚木市/活発な企業活動 多方面で支援 立地促進で税制優遇・設備投資に補助金
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都市と自然が調和した環境に多くの企業が立地する厚木市
厚木市は市制施行70周年を迎えた。70年前およそ4万4000人だった人口は現在約22万3000人となり、9400を超える事業所が立地する。成長を支える要因の一つが、充実した交通網。1968年の東名高速道路厚木インターチェンジ開設以来、小田原厚木道路、国道246号・129号・412号、圏央道などの交通結節点として発展し、市内で5か所のインターチェンジが利用できる。
同市では立地の優位性を生かし、積極的な企業誘致に取り組む。2009年には、「企業等の立地促進等に関する条例」を制定。税制優遇や最大1億円の奨励金の交付などにより企業の立地等を後押ししてきた。これまで同条例の奨励措置を適用した件数は101件、投下資本額は約1700億円。現在、さらなる誘致や操業継続に向けた条例改正も進めている。
中小企業への支援にも注力。製造業を対象に最大200万円を交付する設備投資促進事業補助金では、本年度から中小企業の補助率を100分の5から、2分の1に拡大。他にも、特許の出願やIT・IoT(モノのインターネット)導入、見本市への出展補助など、まちの発展に欠かせない活発な企業活動を、多方面から支援する。


