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関西特集
2025大阪・関西万博 開幕直前 世界から関西へ
産業界、千載一遇のチャンス
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万博の大型パビリオン「未来の都市」で、協賛者の展示エリア -
万博のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」で、未来に活躍するアバターロボット。石や苔をイメージしたり、竹のかご、和紙をつかったロボットなど。 -
万博会場のシンボルとなる大屋根リングは、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された -
オリジナルバナーフラッグで装飾された御堂筋。街中でも万博開催の덀脈動덁が感じられ始めた。 -
大阪メトロ中央線は1月19日に万博会場の最寄り駅となる夢洲駅を開業。中央線は万博開催中、運行本数を2倍以上に増やす。
大阪、そして関西が目指す未来はどのようなものになるのだろうか。いよいよ開幕まで2週間に迫る2025大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、海外から158カ国・地域が参加する。訪日外国人(インバウンド)の来場も多く期待でき、関西が世界に向けて未来社会の絵姿をアピールする最大のチャンスとなる。
開幕が近づくとともに、万博を彩るシグネチャーパビリオンや企業パビリオン、海外パビリオン、そしてイベントの概要が連日のように公開され、ようやく万博への機運も高まりつつある。大阪のメーンストリートである御堂筋では、公式キャラクターの「ミャクミャク」をあしらったオリジナルバナーフラッグで沿道が装飾されるなど、街中でも間近に迫る万博開催の"脈動"が感じられ始めた。
もっとも、本番はこれからである。空飛ぶクルマや自動運転、水素エネルギー、グリーンテクノロジー、ヘルスケア、ロボット、ソサエティー5・0などといった、万博で実演される技術と、それらを活用した未来社会を、どのように大阪と関西の成長につなげていくのか。例えば大阪府・市が運営する大阪ヘルスケアパビリオンでは、数多くの地元中小企業が世界に向けて自社技術や製品を発信する場を得られる。万博と連携したイベントなども各所で予定されており、産業界にとっては千載一遇のチャンスとなる。
バブル崩壊後、製造業の海外移転によるモノづくりの空洞化が進展し、関西経済の産業構造も大きな変化を余儀なくされた。かつてのような地域を支える基幹産業が見当たらない中、それでも医療産業やエネルギー産業などで次の時代の成長をけん引する担い手が現れつつある。空洞化したとはいえ、関西、特に大阪には中小製造業が現在も集積し、わが国のモノづくり基盤を形作っている。京阪神の大学を中心にスタートアップの創業も少なくない。万博を機に未来社会の胎動を味方につけ、地域産業がグローバルへ飛躍するきっかけとしたい。
コロナ禍が収まり、再び首都圏への一極集中が加速し始めた。加えて少子化もブレーキがかからず、2024年は統計を開始した1899年以降で過去最低の72万人まで減少。わが国を取り巻く社会問題は山積している。これらの社会問題を解決に導くためには、首都圏に次ぐ経済圏である関西圏の復権が欠かせない。関西の都市圏人口はいまだ世界でも10指に入る規模。この潜在力を生かさない手はない。