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関西特集
大阪・関西の食を万博でPR
大阪・関西万博は「食の都」と称される大阪で開催されることもあり、食にまつわる万博グルメも注目の一つ。万博会場内には100を超える食関連の施設が設けられる予定だ。大阪・関西の食を、万博に向けてPRする動きが加速している。
グルメ旅行を楽しむ
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万博協会が2月上旬に実施した食のイベント「未来の食の楽しみ発表会」
日本国際博覧会協会(万博協会)は2月初旬、万博の食関連イベント「未来の食の楽しみ発表会」を大阪市内で開いた。万博協会の石毛博行事務総長は同発表会で「万博の大きな楽しみの一つは世界と未来のグルメ旅行。今回の万博では先端技術を駆使した料理、持続可能な食材を使用したメニュー、フードロスや自然循環への配慮、フードダイバーシティー対応もなされる。万博会場には、食の世界が目指す未来社会の姿があふれている」と訴えた。
万博会場には食の幅広いニーズを満たすため、万博協会が設けるレストランやフードコート、ファストフード、カフェ、キッチンカーなどが約70店舗ある。さらに海外参加国のパビリオン内で運営するレストランが約30。各国が考案した料理がふるまわれる。国内パビリオンでも大阪府・市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」で独自メニューの飲食が提供される。
万博テーマ事業プロデューサーの1人、放送作家の小山薫堂氏は、食を通じていのちを考える自身のパビリオンを出展する。近くには、小山氏がコンセプトを策定した飲食施設「未来食堂」も展開される。食の常識が変わり、食べる価値の見直しができるという。またロボットと人が協働する次世代の飲食店モデル「サステナブルフードコート」も展開される。
大阪らしいおもてなしを
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大阪外食産業協会が万博に出展する外食パビリオン。派手な立体看板を設置 -
大阪外食産業協会が万博に出展する外食パビリオンの内部。天井にも装飾をこらす。
万博で注目される13の民間パビリオンの一つ、大阪外食産業協会(ORA)は外食パビリオン「宴 UTAGE」を出展する。3月初旬に関係者向けのパビリオン内覧会が開かれた。
ORAはコロナ禍により外食産業の経営悪化から、パビリオン出展の是非を再検討していた時期もあった。ただ「我々には大阪の食、日本の食を世界に発信する使命がある」(ORAの中井貫二会長)との信念から、会員が一丸となり準備を進めてきた。
中井会長は「70年大阪万博が外食元年で、さまざまな世界の食が日本にやってきた。これを機に日本の食文化は大きく進化し、世界に負けない発展を遂げてきた。大阪のインバウンド(訪日外国人)の最大の目的は日本の食を楽しむことともいわれる。日本の食、大阪・関西の食をアピールする最大のチャンスとして万博を活用したい」と訴える。
外食パビリオンの1階はテイクアウト型のフードコートで構成。
半年間の常設店は五つあり、1週間や数週間単位などを合わせ計80社近くが万博オリジナルメニューで出店する計画だ。2階は食や食の背景にふれ、外食や食に興味を持ってもらう場と位置づけた。料理教室の実施や食育、食関連の持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み紹介、新たな食の技術展示なども展開される。
建物外装は宝船にさまざまな食材が集まった、にぎやかな立体看板を設置。1階天井にお好み焼きやたこのネオンサイン、調理器具などが飾られ、ORAのイベントに参加した人たちの笑顔写真も貼り付けた。床面には道頓堀川をイメージする川を描いた。「大阪らしい”やんちゃ”な内外装になった」(中井会長)とする。
ORAのパビリオンではおもてなしや食体験などを通じた、にぎわいを来館者とつくりあげる予定だ。新しいにぎわい精神を持った「新・天下の台所」がまもなくオープンする。