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化学産業
１０月２３日 化学の日
２０１３年１０月、日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学４団体は１０月２３日を「化学の日」と制定した。今年も化学および化学産業の魅力、社会への貢献などを広く知ってもらうため、各地でさまざまなイベントが催される。
夢・化学—２１／若い世代にアプローチ
化学４団体は１９９３年、化学の啓発と化学産業の社会貢献への理解促進を目的に「夢・化学—２１」委員会を創設した。若い世代に化学の持つ面白さ、不思議さを通じて科学技術の重要性を理解してもらい、日本の将来を担う化学人材の育成支援を行っている。また、化学の世界に興味を持ってもらうことを目標に、さまざまなキャンペーンを展開している。
化学グランプリ
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「化学グランプリ」２次選考で実験をする参加者
日本全国の中高生が化学の実力を競う「化学グランプリ」は、中高生に化学への興味と関心を喚起し、化学に関する知識や理解力、問題解決能力などを試す全国規模の大会。国際的にも通用する若い化学者を育成することを目的として、１９９８年に「夢・化学—２１」委員会と日本化学会化学教育協議会が東京と仙台の２カ所で実施したのが始まり。
９９年から全国規模で開催し、「化学グランプリ２０２５」は１次選考に２４７６人が参加した。実験を伴う２次選考には成績上位者７７人が参加し、大賞５人のほか、金賞に１５人、銀賞に２０人、銅賞に３７人を選んだ。また、日本化学会特別賞、「夢・化学—２１」委員会特別賞、メルク株式会社特別賞、工学院大学学長賞の４賞が設けられ、計４人が表彰を受けた。
化学グランプリで優秀な成績を収めた生徒を中心に、国際化学オリンピックへの代表候補生徒を選抜している。化学グランプリ参加者のうち、高校２年生までの成績優秀者約２０人を代表候補生徒として認定し、選抜試験を経て代表生徒を決定する。
国際化学オリンピック 「金１」「銀３」
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「第５７回国際化学オリンピック」に参加した日本代表生徒（左から天野さん、井戸沼さん、渡邉さん、早田さん／日本化学会提供）
「第５７回国際化学オリンピック アラブ首長国連邦大会」が、７月５日から１４日までアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイで開催され、参加した日本代表生徒４人全員がメダルを獲得した。
奈良工業高等専門学校３年の渡邉周平さんに金メダルが、麻布高校３年の天野春翔さん、筑波大学附属駒場高校３年の井戸沼悠成さん、三田国際科学学園高校３年の早田茂さんに銀メダルが授与された。
今大会は、９０カ国・地域から３５４人の生徒が参加した。金メダルは上位１０％、続く２０％に銀メダル、続く３０％に銅メダルが授与された。
国際化学オリンピックは１９６８年にハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランドが始めた高校生の学力試験から発展し、１年に１度開催される「化学」の国際大会。世界の高校生が一堂に会して化学の実力を競うと同時に親交を深めることを目的とし、日本は２００３年のギリシャ・アテネ大会から参加している。
２６年の第５８回国際化学オリンピックは、ウズベキスタンで開催される予定。
イベント
化学を身近なものとするため、さまざまなイベントが各地で催される。学校の先生が講師として本格的な実験を行う「なぜなに？かがく実験教室」が、１１月８日に科学技術館（東京都千代田区）で開催される。同実験教室は小学１年生から４年生までを対象に年６回（奇数月）行われている。
また、大阪教育大学柏原キャンパス（大阪府柏原市）では公開講座が設けられる。１１月８日は中学生を対象にした「中学生のための楽しいかがく教室」が、１５日は小学生高学年と保護者のペアを対象にした「子と親の楽しいかがく教室」が開催される。
化学の役割 発信／１０月２３日 化学の日
日本の化学と化学産業を代表する化学４団体は１０月２３日を「化学の日」、１０月２３日を含む週（月曜日—日曜日）を「化学週間」に制定している。あらゆる物質に含まれる原子や分子の数の基本となるアボガドロ定数（１モルの物質中に存在する粒子の数６・０２×１０の２３乗）に由来する。
子どもたちや一般の人を対象に化学への理解を促し、化学の力や魅力、化学製品の役割を発信する。アカデミア、化学産業が一体となって制定していることから、産学連携の促進にも貢献する。
大学、研究機関、化学メーカーが独自に行っていた実験教室や見学会などのイベントを、化学の日・化学週間に合わせて行うことで“化学のおもしろさや魅力”を伝えている。
また、日本化学会は１５年から「化学の日缶バッジデザイン公募」に取り組んでおり、２５年度版「化学の日缶バッジ」は１２月に各賞の発表を予定している。
