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化学産業
若い世代へ化学の魅力発信
日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学4団体は1993年、化学の啓発と化学産業の社会貢献への理解促進を目的に「夢・化学-21」委員会を創設。産学一体となって明日を担う若い世代に化学の持つ面白さ、不思議さを通じて科学技術の重要性を理解してもらい、化学の世界に興味を持ってもらうことを目標とする同委員会はさまざまなキャンペーンや実験教室、人材育成を視野に入れた取り組みを展開している。
夏休み子ども化学実験ショー 4200人参加/科学技術館
「夢・化学-21」委員会は実験教室や実験ショーを通じて化学の不思議さや魅力を伝えている。「夏休み子ども化学実験ショー2024」が、8月3、4の両日、科学技術館(東京都千代田区)で開催された。新型コロナウイルス感染症の流行拡大を経て4年ぶりの開催となった23年は事前登録制だったが、今回は自由入場制で実施した。両日で子どもたちを含む約4200人が参加し、化学の楽しさや魅力に触れた。
同イベントは93年から開催され、今年で29回目となる。小学生から中学生までを対象に15の化学企業・団体が出展し、会場を盛り上げた。
プログラムに、実験体験イベントとステージイベントの2種類を設け、参加した子どもたちに化学の楽しさを体感してもらった。実験体験イベントでは、偏光板を使ったステンドグラスを作る実験のほか、光を当てると固まる材料でオリジナルストラップを作成するなど、参加者はさまざまな化学実験を体験できた。ステージイベントでは、学校や研究所の先生が実験を行いながら途中でクイズを出題する「なぜナニ化学クイズショー」を実施し、家族で楽しみながら化学を学ぶ様子が見られた。
また、同委員会の公式YouTube(ユーチューブ)チャンネルに登場する新たなキャラクター「化学マン」も会場に姿を現した。化学マンは同チャンネルの実験役として今後登場する予定だ。
新キャラクター「化学マン」
「夢・化学-21」委員会の公式ユーチューブチャンネル「子ども化学チャンネル」では、実験を行う新キャラクター「化学マン」のコーナーを開始した。
化学マンは白衣をまとい、顔はフラスコがモチーフとなっている。ユーチューブチャンネルでは、化学マン出演の第1弾として8月に「水と油でふしぎな実験」の動画が配信された。今後もユーチューブでさまざまな動画を配信する。
ノーベル賞
2024年のノーベル化学賞に、たんぱく質の構造予測技術を開発した英グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)とジョン・ジャンパー博士、米ワシントン大学のデビッド・ベーカー教授が選ばれた。
ハサビス氏とジャンパー氏はディープラーニング(深層学習)をたんぱく質構造予測に導入し、予測精度の向上に貢献した。ベーカー氏はコンピューターを使って全く新しいたんぱく質を設計する手法を開発した。化学の発展に人工知能(AI)技術が欠かせなくなってきている。