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埼玉県特集
県内中小企業の持続成長への道/第47回埼玉県産業振興懇談会①
埼玉産業人クラブは10月9日に「第47回埼玉県産業振興懇談会」を開き、企業経営者らと埼玉県幹部が意見交換した。「魅力ある会社づくり」をテーマに、経営者からは女性活躍やサーキュラーエコノミー(循環経済)、人材育成、人手不足への対応策などの意見・質問が相次いだ。これに対して埼玉県は、支援策や複数の実績を紹介。埼玉県は今後も企業と連携し、さまざまな施策に取り組む姿勢を示した。
パネルディスカッション参加者
【産業界】
日さく 執行役員 東日本支社 副支社長 菊池 賢一 氏
日本シーム 社長 木口 達也 氏
日東精密工業 社長 近藤 敬太 氏
金杉建設 社長 吉川 祐介 氏
【埼玉県】
産業労働部長 野尻 一敏 氏
産業労働政策課長 内田 貴之 氏<
産業支援課長 島田 徹 氏
産業創造課長 村井 秀成 氏
雇用・人材戦略課長 関根 昌浩 氏
就業支援課長 伊藤 佳子 氏
産業人材育成課長 下村 修 氏
産業技術総合センター長 新里 英男 氏
産業振興公社 理事長 秋友 一広 氏
埼玉県 産業労働部長 野尻 一敏 氏/魅力ある会社づくりへ良い職場風土 重要
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埼玉県 産業労働部長 野尻 一敏 氏
47回目の開催となった埼玉県産業振興懇談会は、経営者など4人が各社の取り組む人材育成や女性活躍推進の取り組みなどを講演。その後、埼玉県幹部らと意見交換をした。
野尻一敏産業労働部長は意見交換の冒頭あいさつで、魅力ある会社づくりには「それぞれの企業組織に合った取り組みをしっかりと考えていく必要がある」と強調した。さらに「どんなに優れた社内制度を作っても、それを血の通ったモノにするには制度に見合った職場の風土を作り上げることが重要だ」と指摘した。
だがそれは一朝一夕にできるものではないとした上で、「トップに立つ人の日々の過ごし方や社員と話す際の表情も含め、企業文化が作られる」と述べ、経営者自身の姿勢や日常のふるまいも、企業文化の形成につながるとの考えを示した。
良い職場風土を築くことについては、産業労働部長として自身も悩んでいるとし、「今日の議論をぜひ参考にさせていただきたい」と述べてあいさつを結んだ。
働き方改革に取り組む企業への支援
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日さく 執行役員 東日本支社 副支社長 菊池 賢一 氏 -
雇用・人材戦略課長 関根 昌浩 氏 -
就業支援課長 伊藤 佳子 氏
日さく 菊池賢一執行役員東日本支社副支社長 女性が活躍し続けるためには、女性をはじめ誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組むことが重要ですが、こうした働き方改革に取り組む企業に対し、県はどのように支援していますか。
雇用・人材戦略課 関根昌浩課長 経営者や管理職を対象とした働き方改革セミナーを開催し、企業の働き方改革を支援しています。セミナーでは、法改正の概要や男性の育児休業取得促進など、企業の関心の高いテーマを中心に講義を行うだけでなく、先進企業の事例紹介やパネルディスカッションにより、企業の課題解決のためのノウハウの提供と働き方改革の促進を図っています。他にも、働き方改革に取り組む企業に社会保険労務士などの専門家をアドバイザーとして無料で派遣し、企業が抱える課題の解決に向けた支援を実施しています。長時間労働の改善や多様な働き方の環境整備といった、それぞれの企業が抱える個別の課題について助言やコンサルティングを受けることが可能です。
菊池氏 県は2024年度から埼玉PX大賞を創設するなど、男性の育休取得に注力しています。県内企業の男性の育休取得推進に向けた取り組みを教えてください。
関根課長 県は25年度も男性の育児と仕事の両立を支援し、男性の育休取得に積極的に取り組む中小企業を、埼玉PX大賞として表彰します。受賞企業の優良事例をロールモデルとして、県ホームページなどで広く発信することで県内企業への取り組みの波及と男性の育休取得の機運醸成を図っていく考えです。
菊池氏 女性の就業支援として、県はどのような取り組みを行っていますか。
就業支援課 伊藤佳子課長 県は働くことを希望する女性が持続的にキャリアを積み重ねていけるよう、結婚や出産、子育てなどのライフステージの変化に合わせ、希望する働き方を選べるよう支援しています。具体的には、女性の就業支援の拠点である埼玉県女性キャリアセンターで、仕事に関する相談や各種セミナー、ハローワーク求人情報を活用した職業紹介などを実施し、希望に沿った就業の実現を支援しています。また、働く女性の疑問や悩みの解消に役立つ情報を提供する「女性の『働く』を応援するワンストップサイト」を運営し、各種相談窓口や働く女性のロールモデルを紹介することなどにより、女性の就業支援を行っています。
