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神奈川県特集(2024年7月)
横浜市 -世界とつながるMICE都市に
アーバンリゾート 官民で共創
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ビジネス用途を想定し、宴会特殊機能を装備(横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ「清流」)
横浜市は2024年1月、事業者や市民とともにオール横浜で持続可能な観光・MICE(研修・報奨旅行・国際会議・展示会)を推進するため「横浜市観光・MICE戦略」を策定した。観光都市として国際的な知名度と集客力を持つ横浜市は、多くのグローバル企業が立地する都市としての一面も持っている。それらの企業から生み出される先進的な技術を、広く世界に発信する場としての期待も高まっている。
横浜市観光・MICE戦略が目指す姿は「市民と共に創り、世界から選ばれるアーバンリゾート」。国内外から選ばれる観光都市になるとともに、ビジネス拠点、イノベーション拠点としてアジアを代表するMICE都市となるため、官民がビジョンを共有して一体となって取り組み、滞在したくなる“YOKOHAMA”を形作っていく。
経済効果としての目標も高く掲げる。15-19年の平均で年間3467億円だった観光消費額を、6年後の30年に5000億円まで引き上げる。
インバウンド(訪日外国人)と並び、観光消費額が多い誘客ターゲットとして期待されるのがMICE参加者。国際会議や学会、ビジネスイベントなどの戦略的な誘致を加速する。そのための受け皿となる会場や企業の準備も着々と進んでいる。第三セクターの横浜国際平和会議場(横浜市西区)が運営する会議場・展示ホール「パシフィコ横浜」が20年に拡張整備されると、みなとみらい21地区を中心に、イベントホールや収容能力の大きい宴会場を備えたホテルの進出が相次いだ。また、それに呼応するように、既存施設も観光客の利用はもちろん、企業イベントに活用してもらうためのリニューアルを行っている。
MICE関連事業を手がけるディモルギア(新潟市中央区)の亀山友貴MICE&ブランディング事業部統括マネージャーは「ブランディングの手法としてMICEを重視する企業が増えている」と話す。
神奈川県内最大のターミナル、横浜駅前に立地する横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ(横浜市西区)も企業の先進技術や製品・商品のお披露目の場としての活用を見込み、開業25周年を迎えた昨年夏から全面改修を進めてきた4階宴会場フロアを今春、リニューアルオープンした。「ハイスペックな宴会特殊機能を備え、企業のパーティーや展示会、会議などの目的に応じ、音響、照明、映像を組み合わせて多様な空間演出ができる」(セールス&マーケティング部広報担当)としている。
商工中金 従業員の幸福度 診断
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「幸せデザインサーベイ」の報告書
商工中金神奈川営業部(横浜市中区)はサステナブル経営支援の一環で、組織を挙げて取引先の中小企業に従業員の幸福度を数値化する「幸せデザインサーベイ」を提案している。国連の持続可能な開発目標(SDGs)には、ターゲット8に「働きがいも経済成長も」がある。個人の生産性や創造性と密接に関係する“社員の幸せ”に着目したユニークなアプローチだ。
幸せデザインサーベイは商工中金社員によるビジネスコンテストから誕生したサービス。中小企業の従業員に対して「幸せ」に関する約100項目のウェブアンケートを行い、会社と従業員の関係を五つの要素で構成する「幸せ指数」で示し、改善に生かしてもらう。商工中金にとって、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組み状況を評価する「ESG診断」、デジタル変革(DX)・IT化の取り組み状況を診断する「DX・ITサーベイ」と並ぶ、中小企業向け診断サービスになる。
「世代交代のタイミングのほか、定期的に実施して推移を見る経営者もいる」そうで、同営業部のサステナブル経営支援メニューとして定着しつつある。