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神奈川県特集(2024年7月)
県内主要商工会議所メッセージ
横浜商工会議所 会頭 上野 孝 氏
人口減少時代における横浜の革新と飛躍を目指して
現在、市内企業の最大の経営課題である人手不足の根本は、生産年齢人口の減少という人口構造上の問題にあります。先日、人口戦略会議が公表した分析レポートでは、全国の約4割にあたる自治体が2050年までに「最終的に消滅する可能性がある」といった非常にショッキングな内容でした。
横浜商工会議所では、人口減少に対応した産業振興を図るために、働き方改革や社会保障・税制、東京一極集中の是正を目指す横浜のまちづくりなどを本格的に検討するほか、大規模就職フェアを実施します。
また、人口減少社会においては、関係・交流人口の拡大が重要であり、そのためには観光産業の振興が不可欠です。当所では、地元のDMOなどと連携して、増加する国際クルーズ船の寄港や集積する大型音楽ホール・アリーナを活用して、国内外の交流人口の増加を図っていきます。
将来にわたり横浜の持続的な発展を図るためには、大きな経済効果と税収効果が期待できる山下ふ頭の再開発事業と、3年後に迫った「GREEN×EXPO 2027」の開催成功と跡地開発の推進が重要です。この二つのビッグプロジェクトの推進に向け、行政や関係団体と一層連携を図り、さらなる横浜の飛躍を目指して参ります。
川崎商工会議所 会頭 草壁 悟朗 氏
100年先を見据え 地域経済活性化
経済の好循環には中小・小規模事業者の持続的発展が不可欠であり、複雑さを増した不確実な時代においては、先見性を持った新たなビジネスの創出やビジネスモデルの転換、さらには、経営の根幹となり生産性向上につなげるDXの推進などこれまでにないチャレンジが必要です。そして、事業者がこうした環境の変化を自己変革へのチャンスと捉え、挑戦できる環境やマインドを積極的に後押ししていくことが商工会議所に求められています。
川崎市はこの7月1日に市制100周年を迎えました。人口約5万人からスタートした川崎市は、臨海部を中心に積極的に企業の誘致を行い、京浜工業地帯の中枢を担う工業都市として、さらには中小企業が支えるものづくりのまちとして、常に変革し、日本経済を長くけん引してきました。そして、私たちのまち川崎は再び大きく動き出しています。川崎臨海部・扇島地区では、カーボンニュートラルの実現に向けた水素等次世代エネルギーの供給拠点として、国を挙げてのビックプロジェクトが進み始めており、ますます注目されることでしょう。
川崎商工会議所としても、100年先を見据えた地域経済の活性化を推進し、持続可能なまちづくりに関係者の皆さまとともに貢献してまいります。
相模原商工会議所 会頭 杉岡 芳樹 氏
「強い企業」への成長を支援 「躍進する都市」へ
昨年の創立50周年を経て、新たに次の50年に向け相模原市の経済を成長させていく上で商工会議所がいかにあるべきか、その使命を改めて認識しております。
中小企業は、ビヨンドコロナにおけるニューノーマルへの適応、目まぐるしく変化する社会情勢への対応を迫られ、特に急速な円安や仕入れ価格の高騰が続く中、経営に大きな影響を被っています。経済の先行きが不透明な昨今、中小企業が勝ち抜くためには変化への対応と持続的な成長が必要です。当商工会議所としては「強い企業」の創出を促進すべく、補助金等の施策活用支援や金融支援を通じた相談対応、生産性向上に向けたDX推進等に重点的に注力しながら、新たな価値の創出や受発注促進に向けた企業間ネットワークの連携強化に取り組んでいるところです。
また、本市は、近い将来リニア中央新幹線の開業による交流人口の増加やものづくり企業等の集積、先端技術によるまちづくり等、大きな発展が見込まれています。日本中央回廊の実現と共に、ビジネス、観光等の機会拡大に繋げるべく、広域交通網の整備、都市と自然双方の地域資源を活かした観光振興等に取り組み、都市機能強化と魅力向上による躍進を目指してまいります。
厚木商工会議所 会頭 中村 幹夫 氏
新たな経済ステージへの移行促進
神奈川県の中央に位置する厚木市は、人口約22万4000人の都市です。2022年度の財政力指数は1.176と県内市トップで、財政力の強いまちです。
交通網は、東名や新東名、圏央道などが交差し、現在五つのインターチェンジが将来は七つにまで増設されます。市内には、多くの研究所や国・県の出先機関、半導体や自動車、電気、機械、情報通信など製造業が集積しています。昼夜間人口比率は県内市1位の115.8(令和2年国勢調査)で、勤労や就学による人口吸引力が高いという特長もあります。これらの「強み」を継続させるため行政へ提言を行い、企業立地や雇用に関する奨励金、固定資産税の減免などの企業誘致策、中小企業支援策に反映していただいております。
昨今の社会的な課題を、新たな経済ステージに移行する千載一遇のチャンスととらえる発想も必要です。民間需要主導の持続的な成長とデフレからの脱却、賃上げの持続に向けた環境整備や中小企業などの価格転嫁の円滑化、生産性の向上を通じたグリーン・トランスフォーメーション(GX)、デジタル変革(DX)、人工知能(AI)など新技術の活用、スタートアップを支援し、魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。
鎌倉商工会議所 会頭 久保田 陽彦 氏
鎌倉に住まう人、訪れる人のために
鎌倉市は、歴史的な遺産と豊かな自然に恵まれた観光地として、国内外から多くの訪問者を迎え入れています。特に円安の影響から多くの外国人観光客にお越しいただき、街中では多くの言語が飛び交っています。観光客数では以前のようなにぎわいを取り戻してまいりました。
しかしながら、物価高による個人消費の低迷やエネルギー・原材料価格の高騰、人手不足の深刻化により、中小・小規模事業者を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。これからは、物価上昇や人件費のアップによる提供価格などあらゆる角度から、いかにお客さまのハートをつかめるか、どのようなホスピタリティーが求められているか、日々見直しを重ねる必要があると考えます。
会員の皆さまの事業がより良く展開できるよう、常にアンテナを張り、情報収集に努め、その情報を会員の皆さまに伝え、一緒にうらやましがられる事業に昇華していくことを目指します。今年は5年ぶりに鎌倉海岸に水中花火の大輪の花が咲く鎌倉花火大会が催されます。さまざまなイベントも復活させ、少しでも鎌倉を元気にするきっかけを作っていきたいと思います。
「いざ鎌倉」。皆さまのお越しをお待ちしています。
海老名商工会議所 会頭 三田 佳美 氏
「EBINA PRIDE」~共存共栄の多様性(ダイバーシティー)~
国内の経済情勢は、歴史的な水準に達した円安や、エネルギー価格・原材料価格の高騰による仕入れ価格の上昇等により、事業者を取り巻く環境は、依然として厳しいものと言わざるを得ません。しかし、そのような中、人口増加を続けている海老名市では、市街化区域編入に伴う新たな街区の形成や、大規模マンションの建設が予定されており、消費需要拡大が期待されています。
行政と商工会議所の関わりを考える時、私が常に思い浮かべるのは「市内事業者もまた市民であり、市民あっての市内事業者である」という表裏一体の関係性です。今年、新年号として発刊した「市民版会議所ニュース」において、今年の漢字に「共」という文字を選びました。業種や規模は違っても、共に海老名を愛する事業者が切磋琢磨して築き上げる「共存共栄」、そして事業者と市民との「共同」による街の活性化。海老名市が賑わいのあるより良き街となるよう、「共」という文字を基調として、この一年邁進したいと考えております。
行政との関係におきましても、表裏一体の中に、各々の「EBINA PRIDE(エビナ・プライド)」があり、その重なり合う側面が大きくなる程、多様性と可能性が広がっていくものと確信しております。
平塚商工会議所 会頭 常盤 卓嗣 氏
地域に元気と活力を呼び起こす
経済は株価が高値をつけるなど好景気といわれているものの、コロナ感染症の後遺症や複合的要因による物価上昇、円安が大きな影響を及ぼし、さらに人手不足が追い打ちをかけ、地元企業は厳しい状況が続いています。
平塚商工会議所では地域経済の再生を目指し、政策提言活動の強化と経営支援の充実、会議所活動の見える化を掲げて事業展開しています。特に第2期経営発達支援計画では、中小企業・小規模事業者の経営基盤強化と事業継続と売り上げ拡大支援を図り、雇用維持を支えるなど経営に寄り添った伴走型支援を推進しました。「第2回ひらつか産業FES」では自店の商品や専門性、ものづくりの高い技術力、製品開発等を広く紹介したほか、記念講演会など地域に元気と活力を呼び起こす会員まつりを実施しました。
課題である中心市街地再開発は、委員会活動を継続して厳しい環境を打破するための議論を重ねてきました。行政が駅周辺地区アクションプランの策定や敷地共同化への支援策を講じるなど、再開発への機運が盛り上がりはじめています。今後も行政によるさまざまな地域活性化策や企業支援策と商工会議所相談業務の強化により、この正念場を乗り越え産業振興と地域活性化に取り組みます。
茅ヶ崎商工会議所 会頭 亀井 信幸 氏
地域内で経済循環をさらに推進
日本経済は停滞から成長の転換局面にあり、コストカット型から成長型経済への移行とデフレ克服の好機を迎えました。長らく低迷が続いた日本の賃金は大企業平均でおよそ30年ぶりの上昇率を記録し、賃上げの機運を中小企業にも広げるには、適正な価格転嫁を進めて稼ぐ力を高めることが重要です。地域経済の好循環の原動力は中小企業であり、その成長が日本全体の成長に直結します。円安に伴う物価高騰のコスト増や、人手不足や持続的な賃上げ等の経営課題に打ち克ち、事業継続・拡大していかなければなりません。このような経済環境が変化する中、地域総合経済団体として、意見要望・経営支援・まちづくりの取り組みや地域内経済循環の推進等の活動を中心に諸事業を展開しています。
中小・小規模企業等をはじめ、市内での創業希望者への支援、会員交流の機会創出、市内イベントにも携わり尽力してきました。本年度はハワイ商工会議所との姉妹会議所協定締結10周年を迎え、これに紐付いたイベント等を通じ地域内経済循環をより推し進め、円安、物価高、2024年問題、労働時間、賃金など、中小企業が直面する複雑な課題に対し多様な主体との連携を図り、地域商工業と地域の変革・発展に取り組んでまいります。