メカトロテックジャパン２０２５（2025年10月）

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　工作機械見本市「メカトロテックジャパン（ＭＥＣＴ）２０２５」が１０月２２日から２５日までの４日間、ポートメッセなごや（名古屋市港区）で開催される。今回は過去最多の出展者数となり、早期に出展申し込みを締め切るなど産業界からの期待も大きい。「この発見、激アツ！」をテーマに各社が多数の実機を展示する。工作機械、鍛圧・板金機械、自動化やＩｏＴ（モノのインターネット）にまつわる新製品が一堂に会する。主催はニュースダイジェスト社（名古屋市千種区、八角秀社長）、愛知県機械工具商業協同組合（同熱田区、水谷隆彦理事長）との共催。

メカトロテックジャパン２０２５　出展者数過去最多

新たな発見につながる展示会に

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　ＭＥＣＴは日本国際工作機械見本市（ＪＩＭＴＯＦ）が開かれない奇数年に開催される工作機械見本市として定着し、今年で開催２０回目を迎える。国内メーカーだけでなく、世界２７カ国・地域から５２４社・団体が２０９２小間に出展する。うち８４社は初出展となる企業だ。前回展の４９２社・団体を上回り、出展者数は過去最多での開催となる。前回展は４日間で７万７２２５人が来場した。今回が就任後初のＭＥＣＴとなるニュースダイジェスト社の八角社長は「業界は厳しい状況にあるが、まずは７万５０００人の来場者を目安に、起爆剤となる展示会にする」と意気込む。

　同展は毎回、会場で工作機械の実機を間近で見て、感じてもらうことを重視しており、今回もテーマを「この発見、激アツ！」としている。会場内には工作機械や、鍛圧・板金機械など２８１台が展示される。さらに切削工具、周辺機器などを含め、発表から１年以内の新製品は５５４点出展される見込みだ。同社の平野清嗣取締役は「特に省エネルギーや自動化・省人化対応、さらに自動車産業の電気自動車（ＥＶ）化にまつわる変化に対応した製品の出展が目立つ。来場者にとって課題解決につながる展示会になるだろう」と期待を見せた。

　また今回は「中小・スタートアップゾーン」を新設した。第１展示館の特設ゾーンに１０社が出展し、ゾーン内に設置されたプレゼンテーションコーナーにて毎日各社が１０分程度のピッチを実施する。開催地となる中部地方では、製造業のもつ技術とスタートアップの先進のアイデアが合わさり、イノベーションが創出されることが期待されている。同ゾーンでのピッチや各企業の展示も、来場者にとって新たな発見につながりそうだ。

中部の製造業に焦点当てたセミナー

　また、多彩な主催者セミナーも見どころの一つ。22―24日はそれぞれテーマに沿った講演が実施される。

　初日の22日は中部地方の基幹産業である自動車が主題。「持続可能な自動車産業へ」をテーマに、トヨタ自動車の三好工場・明知工場の工場長でトヨタヴェルブリッツシニアアドバイザー、高橋一彰氏や、マツダの技術本部本部長、藤崎周二氏が各社の取り組みを語る。

　23日は「航空・宇宙の未来」がテーマ。ボーイングリサーチ＆テクノロジージャパンからは、リサーチ＆ディベロップメントエンジニアリングマネージャーのミチェル・オルソン氏、ロケットや人工衛星の開発、運用を手がけるインターステラテクノロジズ（北海道大樹町）からは中山聡取締役がそれぞれ登壇する。

　24日は先進工場をテーマに「『日本の現場×ＤＸ』の真価」を専門家が解説する。日立製作所の社会ビジネスユニットインフラ制御システム事業部シニアストラテジスト、入江直彦氏と、ＨＩＬＬＴＯＰ（京都府宇治市）の山本勇輝社長が実例を交えながら解説する。

　すべて聴講は無料で、定員は４００人まで。事前に公式ホームページからの申し込みが必要となる。

医療分野支える技術を会場で披露

　ＭＥＣＴでは毎回、開催テーマに沿った実演展示をコンセプトゾーンで企画している。今回は「医療を支える加工術　異業種に学ぶ成功のヒント」をテーマに製造業の技術を医療分野のモノづくりに生かしている企業を紹介し、各社が高精度な技術を披露する。医療分野は半導体製造装置向けや航空宇宙分野などとともに、次世代産業として注目されている。さらに今後高齢化社会の進展や医療の高度化などが見込まれ市場拡大が期待されている分野。来場者のビジネスにとって新たな発見につながりそうだ。

コンセプトゾーンで超精密加工

　第３展示館に設けられるコンセプトゾーンでは、三つの医療分野にまつわる加工技術を会場で披露する。

　実演Ａ「医療器具のミニチュア再現技術」ではキャステム（広島県福山市）が碌々スマートテクノロジー（東京都港区）の複合加工機「Ａｎｄｒｏｉｄ（アンドロイド）Ⅲ」を用いて、腹腔鏡手術に使用される鉗子（かんし）を手のひらサイズで再現する。部品は金属粉末射出成形（ＭＩＭ）で製造し、ミニチュアは本物と同様に可動する構造だ。会場ではＭＩＭで製造した鉗子先端のローレットと呼ばれるすべり止め加工を施した金型部品の加工を披露する。

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　実演Ｂ「医療に生かす金型メーカーの技」では狭山金型製作所（埼玉県入間市）がファナックの射出成形機「ロボショットα－Ｓ３０ｉＢ」と協働ロボット「ＣＲＸ－２０ｉＡ／Ｌ」を組み合わせたシステムで、医薬品などの試験に使用するマイクロ流路向けの金型技術を披露する。会場では成形品の無人生産を可能にした自動化工程のデモンストレーションを公開。協働ロボットを用いてゲートカットを行う。

　実演Ｃ「医療の未来を創る、切り拓く新工法」はメイラ（名古屋市中村区）が中村留精密工業（石川県白山市）の複合加工機「ＭＸ－１００」を使って難削材であるチタン合金の加工を実演する。同素材は「整形外科用インプラント」の主材料。インプラントは患者の骨格に合わせて設計するため高い加工精度が求められる。会場では一つの素材から複数の加工対象物（ワーク）を削り出す新工法や棒が途中で曲がった形状の「ベンドパイプ」の加工を披露する。

　このほか２４日には実演を披露した各企業による特別セミナーも開かれる。「広がる医療ビジネスの魅力」と題して医療業界でも活躍する各社が、自社の強みや今後の戦略について語り合う。聴講は無料で、予約不要。