-
業種・地域から探す
続きの記事
京都産業界
京都企業トップに聞く③
NKE社長 中村 道一 氏/新設備で精密加工技術磨く
-
NKE社長 中村 道一 氏
—今秋、8年越しで開発した新型エアチャック『ウルトラフォース』を発売しました。
「従来品比約3倍の把持力で重さ・体積は約3分の1と、業界最高水準の高性能が特徴。高把持力の小型サイズでの実現にかなり苦労し、試行錯誤を繰り返した。新設備も入れて精密加工技術を磨き、みんなで頑張った。装着するロボットのサイズを小さくできたり、より重たい重量物が扱えたりでき、産業用ロボット、人と一緒に働ける協働ロボット、自動車の大型部品を扱う作業などに向け、幅広く提案していく」
—他社との協業にも力を入れています。
「淡野製作所(広島県安芸太田町)の垂直搬送機と当社製コンベヤーを組み合わせ、食品工場の1—2階間で重量物を運搬するシステムを提案し、実績もできた。当社は大型品が苦手だったが、協業で幅が広がった。このほか、自律移動ロボット(AMR)を扱う企業とも協力。AMRと、パレットの自動積み上げ・1枚ずつの自動供給が行える当社の段積み段バラシ機を連携させたシステムも近く、展示会に出展する」
—足元の景況感は。
「米国の関税措置や政情不安で自動車関連などの設備投資が年初からストップや延期となっていたが、ようやく動きだした。今期は厳しい予想だが、下期で挽回していきたい」
コフロック社長 小島 望 氏/ゼロを1にする挑戦
-
コフロック社長 小島 望 氏
—半導体製造装置や半導体製造の付帯装置向けが多い流体計測制御機器事業の状況は。
「半導体メーカーや製造装置メーカーが在庫を抱えていて、人工知能(AI)関連などの一部を除くと需要は回復していない印象。装置の国産化を進める中国の影響も大きく、構成するパーツも国産化の流れにある。ただ半導体製造装置向けで当社は後発。ゼロをイチにするトライに引き続き力を入れていく」
—海外の状況は。
「中国は顧客となりうる企業が増え、大きくなっているので、そこに向けた対応も必要となる。現在、半導体製造関連市場向け流量計で現地生産ができる体制をつくる方向で動いている。東アジアでも引き続き事業拡大を推進中。直近では、実績がこれまで少なかった台湾の半導体設備メーカー向けでバルブが採用され、これから納入が始まる」
—医療・環境関連機器を手がけるエムテック(愛知県北名古屋市)を買収しました。
「酸素濃縮器の納入先との関係強化を進める。このほか、同社のファインバブル発生器と当社のガス発生装置で陸上養殖でのシナジーが見込めたり、技術力や生産能力の補完なども期待できる。エンジニアリングも事業の一つの柱であり、当社の生きる道。時代に即した環境やエネルギーという分野でチャレンジしていく」
不二電機工業社長 八木 達史 氏/無停電交換、ホットな製品
-
不二電機工業社長 八木 達史 氏
—工場、施設、発電・変電所向けなどの重電機器市場に多様な機器を展開しています。
「電力の需要増、災害時のレジリエンス(復元力)や電力網強化を背景に設備投資が増えていて、当社製品にはプラスだ。汎用の試験用端子を応用して開発した、無停電・省施工でスマートメーターを交換できる『無停電交換用コネクター』の販売は当初想定より少ないが、データセンター向け機器に採用されるなど期待できる。電力量計以外でも止められない機器があるとの話は多く寄せられ、非常にホットな製品」
—鉄道車両市場向け機器の状況は。
「海外は大口案件がある。国内は新造車が少ないが、ワンマンカーの改造やランプ交換などが底堅い。表示灯・表示器の生産を草津製作所(滋賀県草津市)からみなみ草津工場(同)に移す。複雑化したモノの流れを整え、生産効率を高める数年来の取り組みが一段落する。空いたスペースは新規開発製品の立ち上げのために使う」
—成長施策は。
「省配線、コスト低減、メンテナンス性向上といった変電所のデジタル化に向け、顧客と設計企業、同業との4社で協力して製品を開発し、今は試作段階。来春発売に向け、評価やPRが進む。多くの変電所が更新期でデジタル化の流れの中、対応製品を拡販する」
