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神奈川県特集
次代を拓く人材を応援/神奈川の団体
神奈川産業振興センター/県内中小の外国人材活用促進へ
公益財団法人の神奈川産業振興センター(KIP)は、県内中小企業への創業支援をはじめ、販路開拓や海外展開、事業承継までを幅広く支援する神奈川県の外郭団体。2025年4月に「かながわ外国人材活用支援ステーション」を開設。ニーズが高まる外国人材の活用に関し、公的機関として中立的な立場から相談対応やセミナーによる情報提供、マッチング支援、定着支援まで一貫した伴走支援を提供。県内中小企業が安心して外国人材活用に踏み出せる環境づくりを進めている。
相談・採用・定着まで伴走
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神奈川県内の製造業でのインターンシップ -
インターンシップで来日したモンゴルの高専生
近年、県内中小企業の経営課題が多様化する中、人手不足の深刻化や企業活動の国際化を背景に外国人材活用のニーズが高まっている。人材確保が県内中小企業における重要な経営課題となっている一方で、外国人材の採用を検討する企業からは「制度が複雑で分かりにくい」「採用後の定着が見通せない」といった声も少なくない。外国人材の受け入れには在留資格制度や生活支援など、日本人採用とは異なる知識が求められる。
こうした課題に対応するため、KIPのかながわ外国人材活用支援ステーションは外国人材に関する公的な相談窓口として、行政書士などの相談員による無料の個別相談を受け付けている。相談員は制度説明にとどまらず、企業の業種や事業内容、採用目的を丁寧にヒアリングし、適切な在留資格や採用までの流れ、受け入れ体制づくりについて具体的に助言しており、相談は外国人採用が未経験の企業から、すでに外国人社員を雇用している企業まで幅広く寄せられている。
人材紹介会社や海外教育機関と連携しアジアを中心とした海外在住の高度人材とのマッチング機会も提供する。25年度にはベトナム、インド、モンゴルの3か国で海外合同企業面接会を開催した。ベトナムではハノイ市内の理工系大学生を対象に、事前会社説明会で企業概要や業務内容を共有。学生の専門分野や日本語能力、就業意欲を確認した上で採用を希望する県内中小企業が現地で面接に臨んだ結果、複数の内定につながった。
また、モンゴル・ウランバートル市内の日本型高等専門学校の学生を対象に、県内中小企業7社によるインターンシップ受け入れを支援した。県内企業団は昨年11月に現地を訪問して学生との面接を実施し、15人の学生が本年1月に来日した。
各社で約2週間にわたる実務体験を通じ、企業側は実務適性や日本語能力、コミュニケーション力を確認した。学生にとっては日本企業の職場環境を理解する貴重な機会となり、内定に至るケースも出るなど、双方にとって将来の採用を見据えた意義のある取り組みとなった。インターンシップ生の来日時の渡航費や国内滞在費を助成する「KIP高度外国人材インターンシップ受入費用奨励金」制度により、企業の費用負担軽減も図った。
外国人材は人手不足に対する解決策にとどまらず、高い専門性を持つ人材として企業に新たな可能性やイノベーションをもたらすことも期待されている。同ステーションは、一貫した支援体制の構築によって外国人材と県内中小企業双方にとって持続可能な関係構築を後押しし、地域産業のさらなる活性化につなげていく考えだ。
小笠原敏晶記念財団/創立40周年へ 科学技術と文化・芸術支援を拡大
小笠原敏晶記念財団は科学技術分野の研究者への助成事業を始めて、今年9月に40周年を迎える。近年は、文化・芸術分野にも活動を広げ、多様な創造力をもつ挑戦者を支援する取り組みを強化している。同財団のスローガンは「常識に挑む、熱き才能に寄り添う」。既存の枠を超えた発想で社会に新たな価値を生み出す人材を後押ししてイノベーション創出を支援し、未来を切り拓くことを理念として掲げる。
「常識に挑む、熱き才能に寄り添う」
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理事長 小笠原 三四郎 氏 -
展示会に出展して財団の取り組みをアピール
公益財団法人である同財団は1986年、ニフコ創業者の小笠原敏晶氏が「小笠原科学技術振興財団」として設立した。科学技術分野で助成を主軸に事業を展開し、20年には現名称に改称、文化・芸術分野の助成も開始した。
科学技術助成では、設立当初からの高分子分野における新素材・加工技術・新機能製品開発を対象とした「一般研究助成」に加え、15年には公益性の高い新製品・新技術開発プロジェクトの起業家を支援する目的で、インキュベーション助成とベンチャー助成とで構成する「インキュベンチャー助成(造語)」を開始した24年以降は高等専門学校や大学校を含む「若いチカラ」や女性によるスタートアップ支援も強化。そのほか、国際研究集会で発表するための渡航費を補助する「国際出張助成」、国内における国際研究集会開催費を補助する「国際会議開催助成」も行っている。この助成は、26年度から特定募集から一般募集に変更する予定だ。
文化・芸術分野助成は20年度に、日本の現代美術分野における新型コロナウイルス感染拡大の影響に対応するため、「新型コロナウイルス特別助成」を立ち上げ、22年度まで3年にわたり現代美術分野に携わる全ての担い手に対して緊急支援した。また24年元日に発生した能登半島地震および同年9月の豪雨では、被災した現代美術・伝統工芸に携わる個人や団体を支援するため、25年度まで計4次に渡り「令和6年能登半島地震緊急助成」を実施した。今春には、現地を訪問し現状の視察を実施し、今後の助成内容に反映させる。26年度も第5次の助成を行う予定だ。いずれの緊急事態にも民間の助成財団として機動力を発揮できる体制を敷いている。
また、日本の現代美術の発展と国際的なプレゼンス向上を目指した調査・研究活動や、アーティストによる制作活動でのリサーチを支援する「調査・研究等への助成(現代美術分野)」、日本の現代美術の現状と多様性を海外へ紹介・周知するために、質の高い翻訳を支援する「現代美術の翻訳助成」を制度化。国内で開催する現代美術関連の発展を促進する会議を支援する「交流助成」や、海外で開催される会議や展覧会等に参加するための「渡航・旅費等の助成」も行っている。
21年に就任した小笠原三四郎理事長は助成活動について「文化・芸術分野まで助成を広げた支援を通じて、心豊かな社会の実現の一助となることを期待しており、多彩な才能との相互交流を通じて、健全で豊かな社会づくりに貢献できる」ことを目指している。
40周年を記念し、特別に各助成の額を大幅に増加させており、26年度の予算額は7億8000万円(25年度比約47%増)を計画している。これを機にさらに、社会貢献への可能性を拡大させていく方針だ。


