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神奈川県特集
神奈川のモノづくり力
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神奈川県内の臨海部の工業地域
力強い産業基盤を持つ神奈川県。重厚長大型から電機・電子、半導体などの先端分野まで幅広い産業が集積している。大手企業の本社や生産拠点だけでなく、機械要素部品の製造や精密金属加工などで確かな技術力を持つ中堅・中小企業の存在感も高く、日本の産業基盤を支えている。研究開発機能の集積や豊富な人材などさまざまなポテンシャルがある。ロボットや宇宙関連など次世代の成長産業を盛り上げる動きも進展している。
産業の厚み生かし、地域経済活性化
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テクニカルショウヨコハマで県内外のモノづくり企業が活発に交流した
京浜工業地帯の中核となる川崎市や横浜市の臨海部は重化学産業の集積地。両市を中心に広がる工場群は、日本の高度経済成長を支え、現在も技術革新の拠点として機能している。神奈川県の強みは大企業だけにとどまらず、横浜市や川崎市、相模原市、横須賀市などに高度な加工技術や精密部品製造を得意とする中堅・中小企業が数多く存在する。これらの企業は、大手メーカーのサプライチェーン(供給網)を支えるだけでなく、独自の技術を生かした製品やサービスを創出し、新市場を積極的に切り開いている。
精密金属加工、特殊表面処理、樹脂成形、計測機器といった分野で世界シェアを持つ企業も少なくない。また精密測定機器、電子計測器、産業用センサーなどの計測技術を持つ企業が非常に多い地域としても知られる。
こうした産業の厚みを生かし、企業同士の交流をつくりだすことでさらなる地域経済の活性化が期待される。神奈川産業振興センターなどは毎年、首都圏最大規模の工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ」を開いている。同展示会は今年も2月4ー6日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開かれ、県内外から831社・団体が出展して独自の製品・技術をアピール。3日間で延べ約1万8000人が来場し、新たな受発注の創出に向け活発に交流した。
イノベーション創出へ 研究開発拠点集積
一方、研究開発機能の集積も進む。横浜都心部のみなとみらい地区は1983年の事業着工から40年以上が経過し、観光・オフィス街として発展が著しいが、近年では企業の研究開発拠点の進出が活性化している。2月には通信機器世界大手のエリクソンが研究開発拠点「新R&Dセンター」を同地区に設置することを決定。次世代の無線通信に関するハードウエア・ソフトウエアの開発を推進する計画で、将来は同拠点で最大300人の研究開発職の雇用創出を見込む。山中竹春市長は「通信テクノロジーの世界的なパイオニアの一つが横浜を選び、日本での新たな研究開発拠点としてスタートすることを心から歓迎したい。横浜の経済や地域産業に新たな活力をもたらしてくれることを期待したい」とコメントした。
また半導体関連の研究開発機能の集積も活性化している。特にサムスン電子や東京エレクトロンといったグローバルで活躍する大手半導体関連メーカーの研究開発拠点が集積。現在、半導体の高性能化に向け、後工程の技術を高度化し、チップを高密度に集積するような技術開発が求められている。横浜国立大学では同分野の研究開発を手がける「半導体・量子集積エレクトロニクス研究センター」を開設して地域企業との連携を推進する動きもある。みなとみらい地区は今後、産学官連携による先端半導体分野のイノベーション創出拠点となることが期待される。
そのほか川崎市の殿町国際戦略拠点「キングスカイフロント」では医療・ライフサイエンス分野の先端研究開発機関が集積。企業と研究機関、自治体が連携することで、新たなイノベーションが生まれやすい環境が整っている。
近年ではロボット、AI(人工知能)、脱炭素技術といった次世代分野への挑戦も進む。自動車産業では電動化や自動運転技術の開発が進み、エネルギー分野では水素関連技術や再生可能エネルギーの活用が広がる。
特に川崎臨海部は今、水素を軸としたクリーンエネルギーの供給・需要拠点として注目されている。海外から液化水素を大量調達するための基地をつくり、東京や横浜の需要家にパイプラインで供給する構想が進展。25年5月には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトの一環で、JFEの高炉のあった扇島地区の土地を転用しての基地建設が着工となった。将来は臨海部に集積する発電所や製油・化学プラントなどで水素の利用拡大が期待される。
宇宙など成長産業活性化の機運高まる
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神奈川県の宇宙関連産業の振興に向け連携協定を結んだ(右から)藤本正樹JAXA宇宙科学研究所長、黒岩祐治神奈川県知事、本村賢太郎相模原市長
さらに神奈川県内で今後の成長が期待されるのが宇宙分野だ。県内には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパス(相模原市中央区)が立地するほか、川崎や横浜を中心に人工衛星やロケット関連の企業が集積する。中小企業を含め県内企業の宇宙分野への関心が高まる中、県は関連企業や研究機関の交流を促進して宇宙関連産業活性化の機運醸成を図っている。
25年に県は、相模原市、JAXAと宇宙関連産業の振興に向けて連携協定を締結するなど体制整備を加速。26年度の当初予算案では「宇宙関連産業の振興」に4億990万円を計上して前年度比約2・8倍と大幅に増やした。総合的な機運醸成、宇宙関連企業の連携強化、研究開発支援、人材育成を推進する。
県はこれまで、県央地域の「さがみロボット産業特区」を中心にロボット産業の活性化に取り組み、生活支援ロボットなどの実証実験がしやすい環境を整備してきた。こうした土壌も生かし、ロボットと宇宙の分野を結びつけた産業活性化を推進していく。
さらに、県内にはJR東海のリニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の建設が橋本駅(相模原市緑区)周辺で進む。同地域を核に宇宙やロボットなどの成長産業を育成し、同駅周辺のまちづくりにも生かすことで、多くの人を引きつける魅力ある地域にすることを目指す。
定電流出力/回生電子負荷機能を追加 ゼロエミ社会の実現に貢献
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CCオプションのイメージ
菊水電子工業はパワーエレクトロニクス分野をはじめとする市場のニーズに対応した製品群を拡充している。大容量スマート交流・直流安定化電源「PCRーWEA2シリーズ」に、「定電流出力/回生電子負荷機能オプション」を搭載した。同オプションは工場出荷時に追加できる。供給と消費が1台でできるのが特徴だ。
これまでの交流・直流安定化電源(CV SUPPLY)機能に加え、新たに「定電流出力(CC SUPPLY)モード」と「回生電子負荷(CC LOAD)モード」の二つの動作モードを搭載した。定電流出力モードは、単相、単相3線、三相出力の切り替えができる。位相設定や任意波形機能で出力電流波形を変更。用途や動作の安定性に応じて、高速応答モード、中速応答モード、安定応答モード、高安定応答モードの4段階に応答設定が可能だ。
回生電子負荷モードは、0・1度単位での位相設定が可能で力率を細かく変更できる。任意波形機能を活用することで、コンデンサーインプット波形や位相制御型の負荷動作も再現できる。
また、吸収したエネルギーは一次側に構内回生し再利用が可能なため、二酸化炭素(CO2)削減につながるなど、ゼロエミッション社会の実現に貢献する。


