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地球環境
脱炭素をめぐる情勢 経営の重要なファクターに
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世界気象機関(WMO)は国連の気象専門家の話として「2024年が観測史上最も暑い1年であり、世界全体の気温が産業革命以前と比べて1・55度C上昇した」と発表した。その温暖化を促進しているのが温室効果ガス(GHG)の一つ、二酸化炭素(CO2)である。 世界的に広がるさまざまな取り組みをもってしても、CO2の濃度は上がり続けている。
環境省、国立環境研究所(NIES)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の観測によると、24年のCO2の全大気平均濃度は前年から3・5ppm(ppmは100万分の1)増加し、421ppmとなった。1年当たりの増加量も過去最高で、CO2はこれまでよりも速いスピードで増え続け、現在、大気中のCO2は産業革命前の1・5倍にまで増加している。
今後、AI(人工知能)の普及やグリーン・トランスフォーメーション(GX)の進展で電力の需要が高まり、CO2排出量がさらに増加することが見込まれている。2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、国内外でのエネルギー情勢の変化なども含め、電源構成比の見通しに変化がみられる。
この計画案に対するパブリックコメントでは、経団連が「再生可能エネルギー、原子力といった脱炭素電源の最大限の活用を図るべきである」との意見を寄せている。
政府は50年にCO2排出量と吸収量を差し引きゼロにするカーボンニュートラルを掲げる。産業界では、これを企業の成長の機会ととらえる動きがある一方で、環境に関する情報開示も進む。
東京証券取引所は21年にコーポレートガバナンス・コードを改訂。これにより22年に始動したプライム市場では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みでの開示が実質的に義務化された。現在は自然関連財務情報タスクフォース(TNFD)の枠組みでの開示義務化の可能性もある。
世界的にもこうした流れが逆行することはないと思われていたが、25年1月のトランプ米大統領の返り咲きで先行きに不透明感もある。
今後、世界情勢と合わせて日本の環境政策の動きを注視する必要もあるだろう。
地球環境対策は今や企業経営や世界の経済状況の重要なファクターだという認識が広がっている。
国内の企業や研究機関では、環境負荷低減のためのさまざまな技術開発が行われている。それにより世界に先駆けて市場を開拓し、日本の技術力のプレゼンスを高めることの意味は重い。