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2025“超”モノづくり部品大賞
奨励賞
【奨励賞】 栃木屋/導電性スライドレール TM—378E
栃木屋の「導電性スライドレール TM—378E」は静止時の抵抗値が0・1オーム以下の導電性と高い耐久性を備える。
半導体製造装置や各種測定機器などの筐体(きょうたい)の引き出しへの装着を想定。静電気の帯電防止やノイズ対策のためのボンディング線の配線作業の工数削減や、断線が発生した場合の冗長性の確保に貢献できる。
スライドレール2本1セットで、定格荷重は1セット当たり45キログラム。1万回の往復動作を行う耐久試験後も内部部品の破損などはなく、0・1オーム以下の抵抗値を維持できることを確認した。
ノイズ・静電気対策のためのボンディング配線は、設計から取り付け作業までの手間や断線トラブルなどが課題だった。
【奨励賞】 太平洋工業/エネグラフ
エネグラフは電力やエア、ガス、水などの経時の使用量、温度や湿度、振動などの変化といったデータを簡単に見える化できるシステムだ。各種計測データをエッジデバイスを経由しクラウド上で蓄積・集計・表示する。
エッジデバイスの価格は2万円(消費税抜き)、クラウドの月額利用料は計測箇所当たり500円(同)といずれも低コストで設置も容易。中小企業も利用しやすい。
エッジデバイスはアナログ、デジタルの各種業界標準信号に対応し多様な計測器やセンサーを接続でき、計測単位などの設定も容易。マップ表示、グラフ化、過去との比較、二酸化炭素(CO2)排出量への換算もできる。課題の発見、改善策の検討などに役立つ。
【奨励賞】 住友ゴム工業/次世代オールシーズンタイヤ DUNLOP 「SYNCHRO WEATHER」
住友ゴム工業の次世代オールシーズンタイヤ DUNLOP 「SYNCHRO WEATHER」は、ドライ、ウエット、氷上、雪上といったあらゆる路面走行が可能なタイヤだ。季節や天候ごとの履き替えが不要。
ユーザーの負担軽減に加え、廃棄タイヤ数を減らせ、環境負荷低減につながる。
同タイヤは、水や温度に反応し路面状態に合わせてゴム自ら性質を変化させる新技術を組み込み、ゴムの持つ背反性能の課題を打開した。
水と温度をスイッチに、ゴムの柔らかさに寄与する因子の一つであるポリマーの動きを制御することに成功。スタンダード夏タイヤ以上のウエット性能を発揮する。
今後同技術を進化させ、順次商品に搭載する計画だ。
【奨励賞】 MOLDINO/ギガキャスト金型加工用工具シリーズ
MOLDINOが開発した「ギガキャスト金型加工用工具シリーズ」は、放電加工に依存する深い溝部分などに切削加工を適用し、加工能率と仕上げ面品位の向上を実現した。
自動車の車体構造部品をダイカスト鋳造で一体成形するギガキャストの採用動向が注目される中、同社は荒加工から仕上げまで幅広く対応。金型サイズが大きいと従来の切削では突き出し量が違う工具を多数必要とするほか、深部の荒加工に長い時間を要し、深いリブ溝は内壁の仕上げ面性状に課題を抱えがちだったが、これら課題の解決を図っている。
深部を加工するフリーネックタイプの工具をはじめ、高機能材の高能率加工に適した高送りラジアスエンドミルなどを取りそろえる。
【奨励賞】 ダイヘン/ロボット教示装置「タブレットTP」
ダイヘンのロボット教示装置「タブレットTP」はスマートフォンを操作するように、直感的に操作できるのが特徴だ。業界で初めて採用した拡張現実(AR)技術やノーコード方式のプログラミング機能などにより、誰でも簡単にロボットに教示できる。
ロボットの教示には、ボタン操作を主としたティーチペンダントを使うのが一般的。ただ、扱いには経験や専門知識が必要で、ロボット普及の足かせとなっていた。タブレットTPは市販のタブレット端末を活用し、アイコン操作を中心としたシンプルで使いやすいユーザーインターフェースを採用。ロボットを手で動かし、動作を覚えさせるダイレクトティーチングとARを組み合わせ、直感的な教示を実現した。
【奨励賞】 TDKラムダ/小型・大容量 3キロワット ユニット型AC—DCコンバータ 「HWS—Gシリーズ」
TDKラムダのユニット型AC—DC(交流/直流)コンバータ 「HWS—Gシリーズ」は、同等サイズの従来品比約3倍の電力密度を実現した。構成部品を高密度に実装したことで、出力電力を従来品比3倍の3キロワットとした。半導体製造装置や工場自動化(FA)関連機器、バッテリー充電機器、電気分解関連装置、計測機器への使用を想定する。
大きさは、幅150ミリ×高さ61ミリ×奥行き270ミリメートル。重さは2・3キログラム。さらに、出力電圧を一定にする機能と出力電流を一定にする機能を実装したほか、通信機能も搭載し遠隔操作が可能。単相100ボルトと200ボルト、三相200ボルト入力に対応した。定格出力電圧は24ボルト—250ボルトまでをそろえた。
【奨励賞】 新川電機/モールドテーパー計
新川電機のモールドテーパー計は、製鉄所の連続鋳造設備におけるモールド短片の内壁面の傾斜の計測に用いられる可搬型の高精度傾斜計で必須の計測器である。モールドテーパー計で鋳造開始前のモールド短片内壁面の傾きを0・01ミリメートル単位で測定し、モールド短片を正確な傾斜で設定することにより、理想的な速度で溶鋼を流すことができ、スラブなどの鋳片を高品質で製造することが可能。凝固する際の溶鋼の漏れを防ぐことができ、安全管理にも貢献する。可搬型でモールド短片内壁面に押し当てるだけで測定が可能である。連続鋳造設備に限らず、精密機械を設置する際に、高精度で傾斜値を計測するなど、多岐にわたり適用可能な計測器となっている。
【奨励賞】 文化シヤッター/高速シートシャッター 大間迅ワイドプラス
新たな高速シートシャッター「大間迅ワイドプラス」は、さまざまな用途の工場や倉庫の開口部に採用されてきた大間迅シリーズの性能・品質を追求。大開口に特化した商品開発で高速開閉や気密設計、耐風圧性能、安全性といった基本性能を高水準で実現した。
主に管理用途で使用されてきたスチール製電動シャッターと比べて10倍以上の速度で開閉。外気の流出入を最小限にすることで建物の熱損失を抑え、二酸化炭素(CO2)削減効果が認められた省エネルギー商品だ。最大開口は幅8メートルで、高耐風圧で屋外に面した開口部にも設置可能とした。新築需要が高まる倉庫などで、搬入経路の空調管理や労働環境の向上といったニーズに幅広く対応する。
【奨励賞】 椿本チエイン/AI画像認識を組み込んだリニソート検品システム
椿本チエインの「AI画像認識を組み込んだリニソート検品システム」は、物流現場での商品仕分け業務を効率化できるシステムだ。画像認識正解率は99%以上で、類似した商品を瞬時に判別可能。人手不足に悩む物流現場での活用を見込む。
チルトトレー式自動仕分けシステム「リニソート」に、独自のAIパッケージ「AI(あい)てむ鑑定士」を組み合わせて実現した。
一つのトレーが通過する400ミリ秒の間に、撮影から通知までを連続で高速処理できる。
自動判別の分野で主流のバーコードや無線識別(RFID)のような、ラベル・タグ準備やスキャン作業などが不要。飲料品や金属加工品なども識別でき、幅広い現場での普及拡大が期待される。
【奨励賞】 タキゲン製造/アルミプロファイルの簡単取付け「くるカチシリーズ」
タキゲン製造の「くるカチシリーズ」は、アルミプロファイル(角型アルミフレーム)の組み立てに必要な製品・ボルト・ナットの3部品を一体化し、取り付けを容易にした。使用する部品点数が減り、組み立て時間や設計後の数量算出時間を短縮できる。例えば、シリーズ製品の一つ「コーナーブラケット」を使い枠を組み立てた際、従来品比約57%の時短を実現した(同社調べ)。特に組み立てや解体が多く発生する場合、コスト削減効果が期待される。
一体化で組み立て時のナットやボルトの紛失を防げるほか、在庫管理作業が減り在庫スペースも削減できる。
さらに従来の複雑な組み立て手順が不要となり、現場全体の生産性向上に大きく貢献する。
