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2025“超”モノづくり部品大賞
モノづくり日本会議 共同議長賞/ものづくり生命文明機構 理事長賞
【モノづくり日本会議 共同議長賞】 魁半導体/PTFE粉体の親水化を実現する環境調和型プラズマ処理技術
分散剤や有機溶媒を使わずに実現することは困難とされた、フッ素樹脂(PTFE)粉体の水中での安定分散を、独自のプラズマ処理による自己組織化単分子膜(SAM)形成技術を用いたドライプロセスで実現した。
分散剤レスで環境に優しく、廃液処理不要でコストも抑える環境調和型技術。防汚や撥水、潤滑、低誘電といったPTFEの優れた機能を建材、電子部品、車部品などへ付与する。
環境負荷軽減などで水性の塗料やインク、コーティングの需要が増えている。こうした水系材料にPTFE粉体を添加、分散できれば、同粉体の優れた機能性を付与できる。ただ、PTFEの親水性が低いため、従来は分散剤が必要だった。同社は独自技術と開発陣の努力、プラズマ装置の進化で同粉体の表面に親水性の分子構造を持つ単分子膜を形成し、水中での安定分散に成功。同技術はPTFEと特性が近いPVCやPPなどの樹脂にも使え、さまざまな案件が寄せられている。
〔喜びの声〕 魁半導体 社長 田口 貢士 氏/オンリーワン創造
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魁半導体 社長 田口 貢士 氏
このたびは大変栄誉ある賞を賜り、心より御礼申し上げます。
「PTFE粉体の親水化を実現する環境調和型プラズマ処理技術」は、従来は不可能とされてきたPTFE(フッ素樹脂)粉体の水中安定分散を、分散剤や溶媒を一切使用しないドライプロセスで実現した独自技術です。
この成果は環境負荷の低減と高機能材料の両立を実現し、建築・医療・塗料・電子材料など、多岐にわたる産業の発展に貢献できるものと確信しております。日頃よりご支援くださるお取引先の皆さま、そして技術革新に挑戦し続ける社員に深く感謝申し上げます。
本受賞を励みに、今後も持続可能な社会の実現に向けて、オンリーワン技術の創造にまい進してまいります。
【ものづくり生命文明機構 理事長賞】 リファインホールディングス/RegeNature及びその成形体
リファインホールディングスは、バイオ成分が100%のバイオマスコンパウンド「RegeNature(リジェネイチャー)」を開発した。未利用資源を主成分としており、石油など地下資源由来の成分は使用していない。日本有機資源協会からバイオマス度100%の「バイオマスマーク」認定も取得。さらに未利用資源を主成分としているため、価格も同業他社のバイオマスプラスチックよりも安いという。
リジェネイチャーの原料には木、コーヒーや茶の残渣(ざんさ)、貝殻など数十種類の未利用資源が活用できる。不溶融な素材が主成分だが、プラスチックのような精密成形性を有する。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂並みの強度を持つ。
すでにハンガーとして商品化しており、現在、30社超の企業と商品化に向けた検討を進めている。マイクロプラスチック問題の解決につなげる。
〔喜びの声〕 リファインホールディングス 社長 川瀬 泰人 氏/循環型社会支える
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リファインホールディングス 社長 川瀬 泰人 氏
使用済みの有機溶剤新品よりも高い品質に再生するアップサイクル、つまりリファインを手がけています。今回の「RegeNature(リジェネイチャー)」も同じコンセプトで、未利用源をリファインするものです。社会に喜んでもらえ、胸を張って取り組める事業など2030年のあるべき姿を社員に考えてもらったアイデアが具現化して本当にうれしく思います。
今回の受賞によって社会的に評価されることで、リジェネイチャーがより理解されやすくなったと考えています。これを機に積極的に拡販するとともに、事業を通してプラスチックに関連する社会課題の解決に取り組んでまいります。これからも循環型社会を支える商品を開発していく所存です。
