２０２５“超”モノづくり部品大賞

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電気・電子部品賞／モビリティー関連部品賞

【電気・電子部品賞】 ローム／業界初　ネットワーク不要で学習・推論するＡＩ機能搭載「Ｓｏｌｉｓｔ—ＡＩマイコン」

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　ロームはＡＩ（人工知能）機能を搭載したマイコン「Ｓｏｌｉｓｔ—ＡＩマイコン」を開発した。クラウドなどとのネットワーク接続が不要のため、設置現場での高速な学習・推論が可能だ。製造設備の稼働データ漏えいリスクも抑えられる。生産設備や家電、業務用ロボットなど幅広い分野での異常検知や状態監視、予知保全を実現する。

　独自開発したハードウエア回路のＡＩアクセラレーターを搭載した。マイコン単体で学習・推論を完結できるため、ソフトウエアでの推論で必要な画像処理半導体（ＧＰＵ）など高性能プロセッサーを用いる必要がない。消費電力は従来方式の６分の１に抑えられる。

　パートナー企業との連携で、評価ボードといった導入支援体制も確立。既存設備への後付けも用意なため、幅広い場面での活用が期待される。

【電気・電子部品賞】 トレックス・セミコンダクター／同期整流降圧ＤＣ／ＤＣコンバータ　ＸＣ９７０４／ＸＣ９７０５シリーズ

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　トレックス・セミコンダクターの同期整流降圧ＤＣ／ＤＣコンバータ「ＸＣ９７０４」「ＸＣ９７０５」シリーズは、入力電圧が最大３６ボルトの高耐圧でありながら実装面積を従来比約５１％縮小した。産業機器などで使用される１２ボルトや２４ボルトの電源入力に対応する。出力電流は通信やセンサーに十分な最大６００ミリアンペア、動作温度範囲はマイナス４０—プラス１２５度Ｃまで。家電、ビル関連機器、産業機器など幅広い分野で使用できる。

　発振周波数は１・２メガヘルツ（メガは１００万）と２・２メガヘルツから選択できる。周辺部品のコイル、コンデンサーも小型品が使えるため、実装面積は４８・７平方ミリメートルと省スペース化を実現。発熱量の多い中高耐圧の電圧レギュレーター（ＬＤＯ）の課題を同シリーズに置き換えて解決できる。パッケージは「ＤＦＮ１８２０—６Ｇ」など２種類を用意した。

【電気・電子部品賞】 日本トムソン／パラレルドライブステージ　ＰＤ７０Ｓ

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　「パラレルドライブステージＰＤ７０Ｓ」は、小型化を目指して開発したボールねじ駆動の半導体製造装置向けＸＹステージ。２軸並列に配置したボールねじアクチュエーターの直線運動をＸＹ運動に変換する機構を備えることで低断面化を実現した。

　半導体関連装置や測定器・組み立て機、搬送設備など各種産業装置の発展につなげる。

　モーターが１方向のみに配置されているため、配置側を除いた任意の方向から容易にテーブルにアクセスできる。作業エリアが制限されないため、顧客が装置を設計する際の自由度が大幅に向上する。

　独自開発した機構を採用することで、軽量化・小型化に成功した。

　また安全性や作業効率の向上も実現した。従来の製品では難しかった清浄環境下での使用も可能となっている。

【電気・電子部品賞】 日清紡マイクロデバイス／超低消費電流昇圧スイッチングレギュレータ「ＮＣ４６５０」

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　日清紡マイクロデバイスの超低消費電流昇圧スイッチングレギュレーター「ＮＣ４６５０」は、７０ナノアンペア（ナノは１０億分の１）の低消費電流を特徴とする。出力電圧の低下を監視する出力監視機能を簡素化したことで待機時の消費電流を抑えた。スリープ状態での高効率な電力変換によって電池の寿命を延ばして、機器の長時間駆動に貢献する。補聴器のほかスマートウオッチ、報知器をはじめとした小型機器への搭載に適する。

　また、ＮＣ４６５０にはノイズ低減のために「低リップルモード」を搭載し、データ通信時の転送エラーを防ぐのに寄与する。

　入力電圧は０・６ボルト—５・５ボルト。ＮＣ４６５０を保護するパッケージの大きさは幅１・３ミリ×奥行き０・９２ミリ×高さ０・４ミリメートル。

　パッケージの周囲の温度がマイナス４０度—プラス８５度Ｃまでの範囲で動作できる。

【モビリティー関連部品賞】 不二越／樹脂インサート軸受

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　樹脂インサート軸受は、外輪もしくは内輪に樹脂をインサート成形することで絶縁機能を持たせて電食を防止する。軸受内部への電流の通過を防ぐため、軸受の端面や外径面、内径面に樹脂を射出成形することで絶縁性能を持たせた。また自動車の過酷な温度変化にも耐えられる樹脂材や成形技術を採用し耐久性を確保する。従来は困難だった内輪への樹脂インサート技術を確立したことで、外輪と内輪のどちらにも樹脂インサート成形が可能となった。顧客の使用条件や使用環境に合わせた最適な提案を実現する。またハメアイ面で発生するクリープの対策にも効果を持つ。

　電気自動車（ＥＶ）やハイブリッド車（ＨＶ）は駆動モーターをサポートする軸受に電流が通過することで電食が発生する。耐電食対策を実施し、ＥＶやＨＶでの採用拡大につなげる。

【モビリティー関連部品賞】 ネクストコアテクノロジーズ／次世代高効率モータ向け新規コア材「ＨＬＭＥＴ」

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　ネクストコアテクノロジーズのＨＬＭＥＴ（ヘルメット）は、次世代高効率モーター向けのコア材料。素材を独自開発の「結晶前駆体からなる超微細金属組織」とすることで、高性能と良好な加工性を両立している。バッテリー電気自動車（ＢＥＶ）やプラグインハイブリッド車（ＰＨＶ）向けの駆動モーターや、エアコン、掃除機などの家電、ドローンやロボットなどのさまざまな用途で量産を念頭にした実装評価が進んでいる。

　ヘルメットは、高い飽和磁束密度と低損失性能を兼ね備え、モーターの小型化と高出力を両立している。従来技術の電磁鋼板コアに対し、モーター駆動時の温度上昇を大幅に抑制する。また、独自開発の素材は、電気自動車（ＥＶ）主機モーターなどに不可欠な重希土類元素の使用を削減できるため、経済安全保障上にも重要な素材となっている。

【モビリティー関連部品賞】 ジェイテクト／第５世代　低トルク円すいころ軸受ＬＦＴ—Ｖ

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　第５世代低トルク円すいころ軸受「ＬＦＴ—Ｖ」は自動車の低燃費化や高効率化に貢献するとともに電動化にも対応する製品として、グローバルに提案を進めている。

　自動車のトランスミッション（変速機）やディファレンシャルに用いられる。潤滑油の攪拌損失が大きくなってしまうという問題に対し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した第３世代、第４世代を開発。

　今回の第５世代は樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、ＬＦＴシリーズ１の低トルク性を実現した。

　また保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性を向上。昨今の低粘度油化および油量低減を見据え、軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減した。