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2025“超”モノづくり部品大賞
【部品大賞】 OSG/高性能・低炭素型転造タップ GREEN TAP「GRT」
新製法で自由な形状実現/CO2 35%減・工具寿命2・5倍
OSGの高性能・低炭素型転造タップ「グリーンタップ」は従来とは異なる新しい製造方法を採用し、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を従来比35%削減した。工具自体の寿命を従来比2・5倍延ばしたことによる廃棄量の削減と合わせて環境負荷低減に高い効果を発揮する。
タップ製造のノウハウは職人技や経験則がベースとなっている部分が多かった。OSGは3次元(3D)CADやコンピューター利用解析(CAE)、3Dスキャナーを用いた測定によりノウハウのデジタル化を図った。その結果、別の技術で補えることが判明し、形状的な制約を受けにくい新製法を確立した。これにより、より自由な形状を設計できるようになった。
グリーンタップは従来の製造方法では実現不可能な工具形状を、CAEをもとに設計し、工具の折損強度を高め、工具の寿命と精度を向上させた。加工時の発熱を抑制するために流体解析によって工具形状を最適化し、高速加工を実現。サイクルタイム短縮による省エネルギー化を期待できる。
グリーンタップは被削材を塑性変形させて雌ネジを形成する盛り上げタップ。設計の自由度を最大限に生かして、盛り上げタップとして最適な形状を追求した。これにより刃先の強度向上とともに、冷却性能と潤滑性能を確保することに成功した。さらに雌ねじの加工精度も向上し、バリの発生や加工不良を抑える。
また盛り上げタップは加工時に切りくずが発生しないため安定加工を実現できる。「チョコ停」と呼ばれる加工トラブルによる生産設備の一時停止は無駄なエネルギー消費となる。グリーンタップはユーザーの自動生産化、消費電力量削減に貢献する。
〔喜びの声〕 OSG社長 大沢 伸朗 氏/新たな発想で挑戦
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OSG社長 大沢 伸朗 氏
このたびの大賞受賞にあたり、まずは運営に当たられました関係各位に心より御礼申し上げます。今回名誉ある大賞を受賞できましたことはOSG開発関係者にとって最大の喜びであり、この先の新製品開発、そして日本のモノづくりの未来に貢献するための新たなエネルギーとなることは間違いありません。
「Beyond the Limit」。今までの常識に捉われずに、新たな発想で果敢に挑戦するOSG開発関係者の取り組みの一つとして、今回グリーンタップが生まれました。今までと全く異なる手法で製品開発にアプローチし製品化できたことは次なるステップへの大きな自信になるものと確信します。
このグリーンタップは、まだ生まれたばかりです。これからどう成長させていくか。OSGの次なる挑戦に、ご期待ください。
