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消費者意識の高まり商機に
“人生100年時代” QOL向上に照準
「人生100年時代」といわれる現代。健康的に日常生活を送ることができる健康寿命を伸ばすため、生活の質(QOL)向上に資する製品を嗜好する消費者が増えてきた。京都企業はそういった消費者の健康意識の高まりを商機と捉え、ニーズに応える製品を相次ぎ打ち出している。
循環型社会実現にも貢献
第一工業製薬は認知機能維持効果が期待できるサプリメント「快脳冬虫夏草」を機能性表示食品として発売した。同製品は認知機能速度や視覚的な記憶力の維持効果が確認されている冬虫夏草由来成分「ナトリード」を含有するのが特徴だ。70歳代以降の年齢層から強い引き合いがあるとし、同層を中心に中高年向けにも提案している。
冬虫夏草はカイコに生えるキノコの一種。アミノ酸など多様な栄養素を含むことから、古来から滋養強壮などで珍重されてきた。研究によると睡眠の質や男性機能の改善効果も期待されているという。同社はさらに冬虫夏草の機能性を追求し、高齢化社会の課題解決と健康寿命延伸を後押しする。
三洋化成工業は日焼け止め製品への配合で、肌への塗り心地と紫外線防御効果を高める、米ぬか由来のSPF(紫外線防御指数)ブースター「コメファイン」を開発した。日焼け止めによるベタつきや白浮き、きしみの原因となる紫外線防御剤の使用量を減らしても、高い紫外線防御効果を発揮できる。コメファインは日焼け止めなどに含まれる紫外線防御剤を適度に分散でき、日焼け止め効果と肌への負担軽減を両立するのが特徴で、2025年度中の市場投入を目指す。廃棄されることが多い米ぬかの使用で、循環型社会実現にも貢献できるという。
健康配慮型製品を拡大
健康に良いとされる日本食をグローバル展開する宝ホールディングスは、多様な顧客需要にも対応する。健康意識の高い欧米を中心に、環境や体に優しいとされるオーガニック製品や、卵・乳製品を含む動物性食品を一切口にしないビーガン(完全菜食主義者)対応の健康配慮型製品のラインアップを拡大する計画だ。
海外日本食材卸事業を手がけるのは、子会社の宝酒造インターナショナル。26年3月までの中期経営計画中にオーガニックやビーガン対応商品を1569アイテム(21年3月比300アイテム増)に拡大。グルテンフリー商品などの食物アレルギーを持つ消費者へ配慮した商品は1640アイテム(同150アイテム増)まで増やし、人びとの健康的な暮らしに貢献する。