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第56回機械工業デザイン賞 IDEA
日本力(にっぽんぶらんど)賞
【アマダ】3次元レーザ統合システム「ALCIS―1008e」
この製品のコンセプトはeモビリティーなどにより需要が高まる銅をはじめ、進化する素材へ柔軟に対応するため、従来の板金加工のみならずレーザーの活用領域を拡大させ、特に電気自動車(EV)化で需要が高まるモーターなどの溶接加工の品質向上を目的としている。波長の異なる2種類のレーザー発振器(ブルーレーザー/赤外線ファイバーレーザー)が搭載可能で、1台のマシンで切断、溶接、積層造形といった多様なレーザー加工が可能な3次元レーザー統合システムとして開発された。
製品に搭載する高速・高品位な4キロワットのブルーレーザーは十分な出力とパワー密度を確保しているため、銅を瞬時に溶融し、接合強度を満たしつつ溶接時間を短縮し、高速加工とスパッタレス加工を両立する。機械本体のX、Y、Z3軸直交駆動システムは、各軸早送り速度毎分50メートルの高速化を実現している。
さらに、ガルバノミラーによる高速溶接に対応するスキャナーヘッドはプラスマイナス45度の傾斜軸を有しており、加工テーブルに傾斜CR軸プラスマイナス95度、回転CS軸プラスマイナス240度の2軸ポジショナーテーブルを設置することで複雑な形状の加工に対応する。高速高精度加工の実現とともに、新開発の「オンザフライ加工」は軸移動に合わせてスキャナー加工を同期して行う技術。軸移動を止めずに加工するため、一時停止時間を大幅に削減し、生産性を約3倍に向上させる。高生産性を追求したシステム構成で機能・品質を保証する。
操作は最新のコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)ソフト「VPSS 4ie MMWELD」を使用し、オフラインでプログラム作成が可能。さらに新開発の「溶接位置センシング」はスキャナーヘッドに設置したカメラで加工対象物(ワーク)を自動撮影し、画像処理技術とAI(人工知能)モデルを併用し解析することで座標情報を算出。これをもとに加工プログラムを生成し、ワークの位置ズレや隙間などの加工課題に対応することで、段取りレスで高品位加工を簡単に行える。オプションのレーザーウエルドモニター「MM―L400A」は溶接部の異常を瞬時に判定するモニタリングで数値制御(NC)装置「AMNC 4ie」に表示されるだけでなく、データベース化されサーバーに保存、これにより安全なトレーサビリティーと後工程の“段取りレス”“不良ゼロ”のソリューションを構築している。
シルバーを基調とするフルカバーパーテーションのボックス型造形(ハード)は、光を遮断し安全性に配慮、さらに加工機のフロント—両サイドローディングが可能なフレキシブル設計で、システムアップによる自動化にも対応するデザインだ。操作盤には他機種と共通のユーザーインターフェース(UI)を採用する造系(ソフト)への配慮がある。
【シチズンマシナリー】主軸台移動形CNC自動旋盤 Cincom L32(第2世代)
このL32第2世代機は従来の4モデルに、同時5軸制御とB軸自動工具交換装置(ATC)を組み合わせた1モデル(ⅫB5型)を加えるフルモデルチェンジにより、エントリーモデルから高機能モデルまでをラインアップし、圧倒的な高生産性の実現を目指している。基本構造部分である刃物台/回転工具/アンプのモジュラー構成部と、インターフェース機能を付与した本体/システム/カバー部の組み合わせに照準し、全てのモデルを共通プラットフォーム化することでアップグレードを容易にしている。
製品は基本性能と操作性を向上させ、自動化・省力化のための多彩な機能を搭載。ⅫB5型は6面加工を自動化しマシニングセンター(MC)を超える複雑ワークの高生産性を実現している。また、豊富な機能や周辺アタッチメントの配置と、インターフェース機能を付与した本体/システム/カバー部の構成、機能追加を容易にするソフトウエア/システム構成は、ネットワーク経由で機能をアップデートできる。5モデル共通プラットフォームによって組み合わせ自由度、拡張性が高い。
工場自動化(FA)製品との親和性があるフィールドネットワーク対応の数値制御(NC)搭載や、残材の末端と新しい素材の先端を機内で摩擦接合し材料ロスを削減する持続可能な開発目標(SDGs)への対応、低周波振動切削(LFV)技術のブラッシュアップなど、高生産性、安定生産の品質を持つ。
操作盤は15インチタッチパネルで視認性が高く直感的な操作性に配慮。主軸チャック力自動調整機能や、ツール交換後の刃先位置プラスマイナス2マイクロメートルの高い再現性を実現するソフトは、スキルギャップを解消する。
自動機内計測/熱変位補正装置やLFVにより高生産と品質異常ゼロの“止まらない”安全生産を両立させ、さらに、ツールモニター機能で工具交換時期を予測、ネットワーク経由でデータに基づく予測・予防保全による突発的な運転停止を回避する。フルオープン化した正面扉は、加工室へのアクセスが良く段取り作業性を向上させている。
マシンは開閉扉をもつワーク部と、操作盤に人間工学に基づくユーザビリティー/作業環境/視覚的快適性にこだわった造系的配慮をみせる。しかしながらその造形は、初代から10年を経た第2世代主軸台移動形コンピューター数値制御(CNC)自動旋盤としては、ややプロダクトイメージに縛られた結果を想像させた。
アドオン開発による5モデル共通のプラットフォームは、簡単にアップグレードが可能であり、同時5軸制御とB軸ATC装置の組み合わせ搭載による6面加工を自動化する。オプションとして機内ローダー・アンローダーとFA機器の連携による自動化にも対応する。高生産と“止まらない”品質異常ゼロ生産を両立させた製品である。
