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第56回機械工業デザイン賞 IDEA
最優秀賞(経済産業大臣賞)/オークマ
小型複合加工機 MULTUS U1000/U2000
この製品は多品種少量生産への市場変化や労働人口の減少などの社会背景を受け、中・小物部品加工の最適化を目指して開発された。従来機よりワンランク上の加工精度と高い加工性能を両立させ、さらに生産ロスの最小化を支援する技術を搭載して工程集約と自動化を一台に凝縮。面積生産性を高め、クラス最小で最大の価値を可能とする。
直交3軸コラムフィールド構造の高剛性コラムをベースに、B軸旋回範囲240度の上刃物台、0・0001度の高精度位置決めの主軸C軸により、同時5軸加工性能を大幅に高めた。マルチ加工に対応するため、80本収納できる自動工具交換装置(ATC)を標準装備し、段取り替え負担を軽減し、生産性を向上させている。
コンパクトながら旋削面積3・0平方ミリメートル、ミーリング能力毎分321立方センチメートル。熱変位に対して自律的に高精度を維持する知能化技術や、切りくず処理に配慮した機械設計により長時間安定稼働を実現し、面積生産性を1・7倍に引き上げた。
新世代コンピューター数値制御(CNC)装置「OSP―P500」のデジタルツイン・オン・マシン機能を搭載。世界初のセンサーレスによる主軸軸受の状態診断で故障の予兆を確認する「AI機械診断機能」で生産ロスを抑制、熱変位に対して機械が自律的に寸法を安定させる「サーモフレンドリーコンセプト」と幾何誤差を自動調整する「ファイブチューニング」の相乗効果で高精度を安定維持、さらに「エクセルマシニング」などの知能化技術によって長時間安定稼働を保証する。
機械と加工を忠実に再現する視認性に配慮した21・5インチ操作パネルによるデジタルツイン機能がスキルレスな操作を可能とする。下刃物台の直交軸構造は視認性と操作性を高め、広いドア開口部を持つワーク部は主軸・ワークへの接近性が良好。ATC部は正面からの工具確認・脱着が容易だ。
多彩な生産形態の自動化を担う製品の造形は、上下刃物台構造と設置スペース従来機比41%縮小のコンパクトマシンでありながら、クラス最大級の加工領域をもつ前面フラットなボックススタイルで、複合加工機としての高い信頼感を示す。
一方、多くの知能化技術を搭載し、自動化・省人化に対する造系へのこだわりも際立たせている。
製品は高精度と高い加工性能、長時間の安定した部品加工と生産ロスの最小化を支援する技術、工程集約と自動化をコンパクトに凝縮し、面積生産性を向上させている。サーモフレンドリーコンセプトによる高精度・高生産性と「エコスイートプラス」による脱炭素・省エネルギーを両立させるソリューションの搭載は、小型加工機として完成形に近く、マシンデザインの典型を示し秀逸である。
開発担当者に聞く/オークマ 商品開発部次長 第四商品開発プロジェクトリーダー 泉井 泰希 氏
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オークマ 商品開発部次長 第四商品開発プロジェクトリーダー 泉井 泰希 氏
小型ワークで工程集約・自動化
—開発に至った背景を教えてください。
「当社の複合加工機のラストピースとして開発しました。開発するにあたり、まず当社の複合加工機『マルタス』シリーズのユーザーの加工対象物(ワーク)を調べました。すると直径150ミリメートル、長さ200ミリメートルぐらいの小型ワークが全体の50%以上を占め、増加傾向にあることがわかりました。精密機器や電気自動車(EV)、ロボット、医療などの分野で小型高機能部品の需要が増加しています。そうした背景を受けて、小型ワークに特化したコンパクトマシンを開発しました」
最高の生産性を提供
—開発コンセプトやデザイン思想は。
「開発の狙いは工程集約と自動化に対して最高の生産性を提供することです。工程集約だけでなく自動化だけでなく、工程集約かつ自動化を提供価値とすることを考え尽くしました。それを実現するため生産形態に応じた、さまざまな自動化を想定した機械デザインとしました。自動化には多関節ロボット、機上ローダー、バーフィーダーなどがありますが、それらの設置を前提に機械構成を考えました」
—具体的には。
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左側面に配置した80本工具マガジン
「新開発の下刃物台は、その一つです。従来はスラント軸でしたが今回、当社初の直交軸を採用しました。前ドアから主軸中心までの距離を約30%短縮し、アクセス性と視認性を向上しました。ワーク交換にロボットを採用する場合、アームを短くでき省スペース化できます。またクラス最小レベルの設置面積を目指し従来、左前面に配置していた工具マガジンを左側面に配置しました。工具本数は従来比2倍の80本に増やしましたが機械幅3510ミリメートル、設置面積8・2平方メートルのコンパクトマシンを実現しました」
—開発で苦労した点はどこですか。
「機械サイズの目標を最初に決め、そこに収まるように各ユニットを設計していきました。これは当社としては珍しい進め方です。なかなかうまく収まらず何度もやり直ししながら設計を重ねました。例えば、他のユニットが苦労していたら自分のユニットから10ミリメートル譲ったり、そんな譲り合いもしながら最終的に、ほぼ目標に収められました」
—AI(人工知能)技術も拡充しました。
「AIで機械の状態を診断する機能を搭載しています。従来の送り軸とミーリング主軸の診断機能に、旋削主軸の状態をセンサーレスで診断する世界初の機能を加え、これを標準搭載しました。計画保全によりダウンタイムを短縮できます」
