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茨城県産業 明日への挑戦
茨城県 主要8大学学長が語る 地域との共創
筑波大学 永田 恭介 学長/DESIGN THE FUTURE, TOGETHER
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高等研究院キックオフ会の様子
2023年に創基151年開学50年を迎えた本学は、次の50年(Next50)に向けた歩みを始めている。本学は「未来構想大学」というコンセプトのもと、未来社会に貢献する大学像の実現を目指している。
学術と社会の発展のための次世代型研究組織として昨年12月に新設した高等研究院を活用し、国際頭脳循環の推進、異分野横断による新たな研究分野の創出、B2A研究所の設置を通じた新たな価値を生み出す研究成果の創出などにより、学問分野の壁を超える研究力の強化を進めている。
教育面では、国境や組織の壁を超える人材育成を目指す。人文社会、法学、生命医科学、理・工・情報学といった個別分野の枠を超えて地球規模課題に挑む新たな大学院課程の設置に向けた整備を進めている。今年度から外国学校経験者特別入試も本格的に導入し、優秀な外国人材の育成にも力を入れる。
最も重要な企図は、筑波研究学園都市のイノベーション実装のチャレンジフィールドとしての開拓と活用を進め、筑波研究学園都市を活用した大学と研究所群の連携を推進し、地球規模課題の解決に資する研究を推進し、その成果の社会実装を目指す。
現代の社会は固定化された概念に縛られている。本学は今後も、固定化された学問、組織、さまざまなシステム改革を要点と捉え、大学改革に挑戦する。
常磐大学 下村 裕 学長/実学と真摯な学びで、地域と世界に貢献できる人を育成
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常磐大学見和キャンパス
常磐大学は、「実学を重んじ真摯な態度を身につけた人間を育てる」という建学の精神を掲げている。「実学」とは、地域や社会に貢献できる実践的な学問であると同時に、未知の課題に対して自ら考え、行動し、解決する力を育てる学びである。現代の社会は、自然災害や感染症、紛争など予測困難な変化に直面しており、諸課題への対処にあたっては、知識やスキルを柔軟に活かし、主体的に取り組む姿勢が必要とされている。そうした不確実な時代だからこそ、「トキワの実学」を通して、学生が「社会で生きるための力」を培うことのできる環境を提供し続けたいと考えている。
本学では、国内外の大学との連携や国際交流、地域との協働を通じて、学生が実社会に触れながら多様な価値観を身につけられる環境を整えている。例えば、地元企業と連携した商品開発や自治体への政策提言など、リアルな経験から学ぶ機会を豊富に用意している。また、留学や海外研修によって国際的な視野を育て、外から自分や地域を見直すことも積極的に推進している。
本学は今後も、変化し続ける社会の中で、人と社会を深く理解し、地域や世界に貢献できる実践的な力を備えた人を育てる「学びの場」であり続ける。
日本国際学園大学 橋本 綱夫 学長/「日本国際学園大学」さらなる国際化進める
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日本国際学園大学のつくばキャンパス
「日本国際学園大学」は、2年目を迎えさらなる発展を遂げている。昨年に続き本学は、海外体験、海外留学の機会を得られるよう海外研修プログラムの充実を図っている。今年は、グアム大学での短期海外研修プログラムを実施し、入学後すぐに海外体験が可能な機会を提供した。さらなる国際化を進めるため、連携協定の締結を進めていく。今年は新たに米ハワイ大学マノア校との覚書(MOU)を締結した。次年度は、さらに協定派遣先を拡充する計画とともに、ダブルディグリーを含む海外留学制度を充実させていく予定である。国際的視野を涵養する「世界のトビラとなるような大学」になることを目指す。
つくばキャンパス(茨城県つくば市)と仙台キャンパス(仙台市)においては、地域性を重視し、学生が、卒業後グローカルに活躍することを目指す。教養と高い技能、ビジネスパーソンとしての素養を身につけるため、学術教育と実学教育を一体化した学びを提供する。
本年度は、さらに「全学キャリア教育センター」を発足。入学時から就職支援に至るまで、キャンパスアドバイザーが、学生一人ひとりに寄り添いサポートする。進路決定、資格取得相談など、支援制度の充実に取り組む。
本学は、自身の個性を活かし、世界で活躍する人材を育成していく。
流通経済大学 片山 直登 学長/AI教育を展開し未来志向の学びを創出
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JP UNIVERSEとの包括連携協定式にて
2025年、流通経済大学は開学60周年を迎え、100周年に向けて新たな歩みを進める。「Realize RKU Vision—学生が自ら目標を掲げ、考え、達成する力を育む—」のもと、企業・社会との連携による実学的教育を一層深化させ、未来志向の学びを創出していく。
本学は、企業・社会で活躍する100人超の客員講師と協働し、実践的な授業を全学的に展開している。企業・社会が抱える現実の課題とその解決方法を学ぶことで、実業に強い人材の育成を進めている。今年7月には大手ゲーム会社JP UNIVERSEと提携し、「ゲーミフィケーション教育プログラム—ゲーム制作と活用によるAI教育―」を開始した。先端技術を備える「メタバーススペース」を活用し、創造性を喚起するゲーム制作を通じて、AI社会で求められる人材育成に取り組んでいる。
今年4月には、リカレント教育センターを開設し、企業人向けのリカレント(学び直し)教育を開始した。今後は対面型授業に加え、オンデマンド型コンテンツの提供や大学講義への展開を進める。将来に向けては、茨城県南地域の「知の拠点」として、地域の皆さまに、本学教員の専門性を生かした多様なプログラムを提供することを目指す。
茨城大学 太田 寛行 学長/4つの機関で総合気候変動科学の確立をめざす
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湿度スイング式DACの研究会を企業や自治体と発足
今年4月、微生物を活用した気候変動対策などを推進するグリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech)を開設した。水田のメタン発生を抑えつつイネの生育を促進する研究は、ゲイツ財団の助成を受け、インドなどの機関と連携した国際プロジェクトになっている。
本学には既に、気候変動適応策の研究に取り組む地球・地域環境共創機構(GLEC)、二酸化炭素(CO2)回収・燃料合成技術を開発するカーボンリサイクルエネルギー研究センター(CRERC)、エネルギー研究と人材育成を進める原子科学研究教育センター(RECAS)がある。Gtechの開設によって4機関が揃った。気候変動の緩和・適応策から食糧・エネルギーまでも視野に入れた総合気候変動科学の確立を目指す。
GLECは茨城県と連携した適応計画推進の実績などが評価され、気候変動アクション環境大臣賞を受賞。CRERCでは低エネルギー型CO2回収技術「湿度スイング式DAC」が実証段階に入り、産学官金連携の研究会も先日発足した。
先月ブラジルで行われたCOP30では、化石燃料脱却の工程表の策定に合意できず、国際協調の難しさが露呈した。本学として、適応策・緩和策、理系・文系の枠を超えた知見を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
茨城キリスト教大学 東海林 宏司 学長/デジタルとアナログ双方の教育・研究・地域貢献
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正門から見た茨城キリスト教キャンパス
本年度本学は「DX推進室」を設立した。教育・研究、加えて日常業務においてデジタル化を進め、次代に備えることが目的である。デジタル変革(DX)によってもたらされる紙の消費の削減は、資源の節約となり、GX(Green Transformation)にも通ずる。また、DXにより教職員の日常業務にかかる時間が短縮できれば、学生に直接向き合う時間の確保にもつながる。
近年発展が著しい生成AI(人工知能)の検証も進展している。Society 5.0に対応できる体制を、これからも積極的に構築していく。
一方、「教育の醍醐味はアナログにあり」ということも忘れてはならない。特に2024年度新設の「未来教養学環」においては、地域社会でのPBL(Project-Based Learning)型授業が間もなく本格化する。デジタルによる情報収集・分析と、アナログ的な体験型学修との融合により、学びの深化を図っていく。
全人教育には自然・土との触れ合いも欠かせない。農業県でもある本県において、地域の特性に関わる教育内容を確立していくことを構想している。
国際交流においては、学生交流に加えて、研究者間の交流も推進し、キャンパスのグローバル化を進展させていきたい。
筑波技術大学 石原 保志 学長/ダイバーシティ&インクルージョンを推進する大学
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盲ろう講師との直接対話による障害理解の授業の様子
我が国で唯一の障害者のための大学である。教育や研究活動で得た「情報保障」「科学技術」「保健医療」「デザイン」に関する知識・技術を地域社会や国際社会に還元し、社会全体のD&I(多様性と包摂)環境推進に寄与している。2025年度発足の共生社会創成学部は、Well-being(ウェルビーイング)の原点となる学問分野である。障害のある学生が社会で生きていく力を身につけるとともに、職業分野を中心に、卒業生が社会で活躍することによって真にインクルーシブな社会を構築、発展させることを目標としている。26年度から保健科学部に「健康スポーツ学コース」を設置し、ブラインドサッカーなどの障害者スポーツを医療的な観点から推進していく。
また、大学院の情報アクセシビリティ専攻は、本学で唯一、健常者の入学が可能で、障害者を支援する高度専門人材の育成と最新の障害者支援技術について研究を行っている。
さらに、学生と教職員が一丸となり、「生活」(市庁舎や企業でのバリアフリー環境の整備)、「安全」(気象台と連携し避難情報伝達の工夫)、「情報通信」(日本財団電話リレーサービスなどの連携)、「スポーツ」(デフリンピック2025東京大会への参画)など、多様な分野で企業などと連携し、社会との共創を図っている。
茨城県立医療大学 阿部 慎司 学長/地域医療を担う新たなステージへの挑戦
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車いすバスケットボール体験会の様子
本学は、地域社会において広く活躍できる質の高い医療専門職の育成を目的として、1995年4月に開学した。2025年4月に開学30周年を迎え、新たなステージへと歩みを始めた。
現在、医療を取り巻く環境は大きく変化しており、地域間格差の拡大や少子化に伴う医療人材不足などが深刻な課題となっている。今後は、こうした社会の変化に的確に対応し、先進医療を地域社会へ還元できる人材を育成していくことが一層重要である。
本学の特色として、教育および臨床研究の場を確保し、最新のリハビリテーション医療の推進と地域医療への貢献を図るため、公立保健医療系の単科大学として全国で唯一、リハビリテーションを主とする付属病院を設置している。
また、4月にはパラスポーツ推進支援室を設置し、本学が強みとするリハビリテーション分野を生かしたパラスポーツ活動を新たな特色として位置づけた。車いすバスケットボールなどのイベント開催や、プロバスケットボールチーム・茨城ロボッツとの連携を通じ、医療系学生の実践的キャリア形成を支援している。今後も、質の高い学生の確保を図り、地域の保健・医療に貢献できる医療専門職の育成に努めてゆく。
