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第21回 2024“超”モノづくり部品大賞
環境・資源・エネルギー関連部品賞
ファインマシーンカタオカ・ディグリー・中部電力・中部電力ミライズ/エコdeヒートEX
エネルギー効率11%向上
ファインマシーンカタオカほかの「エコdeヒートEX」は、金属機械部品の洗浄工程で使用する洗浄液の循環加温ヒートポンプ。従来の温水と洗浄液を間接的に熱交換する方式を見直し、冷媒と洗浄液を直接熱交換させることで2個あったポンプを1個にした。また洗浄液を旋回させながら流速を高めて電熱性能をアップ。エネルギー消費効率(COP)は従来機比で約11%向上した。
熱交換器はプレート式だったものをコイル式に変更した。冷媒を通すコイルは直径10ミリメートルのステンレス鋼製。耐食性に優れ、2本合わせて容器内にセットする。洗浄液の汚れが熱交換ユニット内に溜まりにくくなり、これまで2ー3カ月に一度だったメンテナンスが、同製品のモニターによっては6カ月間不要になった。またメンテナンス時間を6時間から1時間半に短縮。洗浄機の停止時間を短縮し、生産性も向上する。
タンガロイ/「TungFeedBlade」内部給油機能付き突切り工具
切りくず処理 改善
タンガロイの「TungFeedBlade」は、強化型ブレード、内部給油型の高剛性ツールブロック、金属積層造形(AM)機で製造した専用クーラントノズルの3部品で構成される突切り加工用の切削工具。強化型ブレードは工具高さを従来比最大2・8倍に増大し、曲げ剛性を向上した。2面拘束仕様の高剛性ツールブロックは接触面積が広く、大きな切削抵抗にも対応でき、高能率加工に貢献する。
内部給油型ツールブロックと専用クーラントノズルの組み合わせにより、クーラントの流量を従来比4倍に拡大し、切削インサート(刃先交換チップ)の寿命延長と切りくず処理の改善に寄与する。
また、ツールブロック上部のノズルとインサート保持部下側の2カ所からクーラントを吐出することで、加工ポイントへ確実に供給できる。これらの対策で製造原価や環境負荷の低減に貢献する。
日進工具/レンズ形切れ刃を有する高送り高精度5軸MC向け3枚刃エンドミル MLFH330
MCの消費電力 削減
日進工具の「MLFH330」は、精密な微細加工が可能な5軸制御マシニングセンター(MC)向けに開発した3枚刃のエンドミル。金型加工で3軸制御MCから5軸制御MCへの切り替えが進むなか、ボールエンドミルが中心的に使われている金型の成形部の切削を新たな観点で追求。底刃に工具半径より大きい「R形状」の切れ刃を独自に設計したことで、同じ工具外径のボールエンドミルと比べピックフィードや送り量を大きくでき、高能率な精密微細切削を実現した。切削加工時間は従来の約半分に短縮が可能で、MCの消費電力削減で発電時の二酸化炭素(CO2)排出削減にも貢献する。
また底刃に同じ曲率を持つR8のボールエンドミルと本部品を比較すると、1本あたりの超硬素材体積比は約20分の1となり、原材料のタングステンやコバルトの使用を大幅に削減でき省資源化も見込める。