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第21回 2024“超”モノづくり部品大賞
健康福祉・バイオ・医療機器部品賞
太平洋工業/防災マット「MATOMAT」
災害時、避難所のマットに
太平洋工業の「MATOMAT(マトマット)」は、普段は学校などで椅子のクッションとし、災害発生後は連結して避難所のマットにできる防災用品だ。防災で課題となる備蓄倉庫の確保、避難所への輸送が不要になる。
本体はウレタンフォーム製でクッション性や断熱性がある。形は350ミリメートル角で厚さは30ミリメートル。特許を取得した面ファスナーによる接続方法で、段差や隙間もなく簡単に連結でき、寝返りなどをしても外れにくい。
同社の本業は自動車部品の製造だ。MATOMATはエンジンルーム防音材の端材・廃材を粉砕し、押し固めて再利用するエコ製品でもある。バージン材と比べ総コストを57%削減。異なる材料をブレンドし柔らかさと高い耐久性を両立した。生産は就労継続支援B型事業所に委託し、社会福祉にも貢献する。
ビー・アイ・テック/複合材製大腿骨骨折治療用髄内釘
金属疲労なし、耐久性高く
ビー・アイ・テックの「複合材製大腿骨骨折治療用髄内釘」は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の大腿(だいたい)骨骨折治療用具だ。骨盤近くの大腿骨頚(けい)部が高齢化に伴う骨粗しょう症で折れた際、大腿骨に埋め込み骨が再生するまで体重を支え、歩行できる生活を提供する。
骨折治療で一般的なチタン製と異なり、CFRPはX線写真で陰にならず、医師が患部を観察しやすい。CFRPは力が繰り返しかかり強度が落ちて破壊に至る金属疲労がなく、耐久性も高い。
厚さ0・2ミリメートルの炭素繊維を何十層も最適に重ね、あらゆる方向への強度を高めたCFRP材料製法は特許を取得した。航空機や医療機器などの開発で蓄積したCFRPの豊富な知見を生かした。2023年3月の発売以来100件以上の採用例がある。