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化学産業
日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学4団体は1993年、化学の啓発と化学産業の社会貢献への理解促進を目的に「夢・化学ー21」委員会を創設。同委員会は若い世代に化学の持つ面白さ、不思議さを理解してもらい、化学の世界に興味を持ってもらう目的で「夏休み子ども化学実験ショー」や「なぜなに?かがく実験教室」などの活動を行う。さまざまな活動で化学の魅力を伝え、化学人材の育成に貢献している。
インク・接着剤 高付加価値製品拡大へ
インクや接着剤などを手がける各社は社会の変化を捉え、それぞれの強みを生かした事業を展開する。日油はディスプレーや半導体などの電子デバイスに向けた材料の開発などを行う。日本ゼオンは無機物や有機物などに接着できるマルチマテリアル接着剤を手がける。DICはジェットインキの用途拡大や出版インキ事業の構造改革などを進める。artienceグループはインドでのリキッドインキ事業に注力する。
電子製品の付加価値向上へ素材開発
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各社は社会の変化を捉え、それぞれの強みを生かした事業を展開する
日油は独自の機能性素材を生かす。ディスプレーや半導体などの電子デバイスに向けた材料・処方の開発に取り組んでおり、顧客の要望に応える。デジタル技術の高度化や社会インフラへの普及などが進む中、電子機器には小型化や省電力化などを実現するための新たな素材が求められている。同社は電子部品向け添加剤や感光性材料など、電子製品の付加価値向上に欠かせない素材の開発を進める。
例えば、電子部品や半導体の製造工程では導電性インクなどが用いられており、製品の微細化や高性能化を支える役割を果たしている。日油が手がける銅ペーストは、独自素材を生かした酸化防止技術により、配線形成や接合用途で大気下においても加熱硬化や焼成が可能だ。優れた導電性や接着性、放熱性を示す。同社はスクリーン印刷に適した銅ペーストを幅広く用意する。硬化温度や用途などによって求められる特性に合わせた複数の処方をそろえ、顧客のさまざまな需要に応える。また、同社の防湿性シール材は高い水分バリアー性に加え、柔軟性のある接着層を形成する。長期間にわたる透湿防止にもつなげる。
日本ゼオンが手がけるのは、マルチマテリアル接着剤だ。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やアルミニウム、鉄、ガラス、銅といった無機物に加え、ポリプロピレン(PP)など有機物にも接着できるホットメルト型のシート状接着剤である。
用途としては、モビリティー向け構造・準構造接着やモーター用絶縁フィルム、高周波基板材料などが挙げられる。吸湿性が低く、加水分解しないため湿熱劣化しづらい。接着剤内部や接着界面への水分の侵入を抑える。
高い絶縁性と低吸水率により耐電食性にも優れ、吸水による接着剤内部の通電経路形成を防ぐ。柔軟で伸びに優れており、衝撃にも強いという。全光線透過率は91%で、ガラス転移温度は123度C。熱可塑性のため加熱で容易に解体することができ、リサイクル性の向上にも寄与する。誘電性が低く、伝送損失を低減できる。
環境対応型製品の開発強化へ
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TOYO INK INDIAのグジャラート工場
DICはインキ・パッケージ材料において、社会や技術、環境の変化に応じた価値創造と収益性の両立を図る。環境負荷低減への要求の高まりや出版インキ事業における需要の縮小を背景に、生産合理化や製品ポートフォリオの見直しを進めていく。
高付加価値製品であるジェットインキの用途拡大を加速させ、高機能かつ製品の枠にとらわれないソリューションの提供につなげる。飲料を購入する際に少額のデポジットを支払い、使用後に容器を返却すると返金される制度「DRS(Deposit Return System)」の安全運用を支えるセキュリティーインキの開発など、環境対応型製品の開発と展開も強化する。他インキメーカーとの協業による生産・物流の効率化や生産・販売拠点の統廃合など、出版インキ事業の構造改革も推し進める。
artienceグループのTOYO INK INDIAでは、インドのグジャラート工場内でリキッドインキの生産設備を増強する。2028年の稼働を予定している。これによりTOYO INK INDIAのリキッドインキ総生産能力は約1・5倍となる。インドでは中間所得層の増加や食文化の変化などに伴いパッケージ市場の拡大が見込まれ、それに応じてリキッドインキ需要の増加も期待されている。
