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化学産業
日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学4団体は1993年、化学の啓発と化学産業の社会貢献への理解促進を目的に「夢・化学ー21」委員会を創設。同委員会は若い世代に化学の持つ面白さ、不思議さを理解してもらい、化学の世界に興味を持ってもらう目的で「夏休み子ども化学実験ショー」や「なぜなに?かがく実験教室」などの活動を行う。さまざまな活動で化学の魅力を伝え、化学人材の育成に貢献している。
機能性繊維・機能性材料 高付加価値化へ動き広がる
合成繊維メーカー各社は機能性を高めた素材の開発に注力している。汎用品との差別化を図るべく、新製品の開発や高付加価値化を通じて競争力の確保を進めている。また、素材各社は環境負荷低減に寄与する素材や機能性を付与するモノづくりに力を入れている。環境負荷の軽減や利便性向上など機能性を高め、材料転換を後押しする動きが広がる。
機能性繊維/環境負荷低減と機能性向上へ
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帝人フロンティアが開発したウムテックのジグザグ扁平断面 -
日本バイリーンの使い捨て式防じんマスク
東レは高級感のある光沢と膨らみ感・微起毛感を表現できるポリエステル長繊維「AURLIST(オーリスト)」を開発した。主にトップス、ボトム、ドレスなど婦人衣料向けに展開する。
オーリストは東レの複合紡糸技術「ナノデザイン」により、シルクの約10分の1まで繊維径を細くした。収縮率の異なる極細扇形断面を形成することで、マイクロファイバーならではの上質な風合いと膨らみ、複雑な乱反射による上品な光沢と微起毛感を実現した。ポリエステル由来のイージーケア性も併せ持ち、ファッションの可能性を広げる。
帝人フロンティア(大阪市北区)は、光の入射角を制御するジグザグ扁平(へんぺい)断面の原糸を開発し、遮熱性と採光性を両立した異型断面ポリエステル繊維「WM Tech(ウムテック)」を開発した。
省エネルギー需要が高まる中、従来の遮熱レースカーテンは酸化チタンを多く含む原糸を使用するため、近赤外線は遮蔽(しゃへい)できる一方で可視光の透過性が低く、室内が暗くなる課題があった。新素材は、光の入射角によって透過と反射が変わる特性に着目し、独自のポリマー制御と原糸製造技術でジグザグ形状の特殊扁平断面を実現。酸化チタンを使わずに入射角を制御することで、遮熱性と採光性の両立に成功した。
日本バイリーン(東京都中央区)は、使い捨て式防じんマスク「FTシリーズ」で4製品を追加発売した。作業環境やニーズに応じて選べる4タイプをラインアップし、それぞれの特化機能により快適で効率的な作業を実現する。
FTシリーズは特殊帯電技術により、高い捕集効率と呼吸のしやすさを両立。「Xー3562FT」は活性炭フィルター層を搭載し臭気対策に適する。「Xー3702FT」は排気弁付きで熱気や湿気をスムーズに排出。「Xー3762FT」は排気弁と活性炭フィルターで快適性と脱臭性を両立。シリーズ最軽量の「Xー1302FT」は重さ12グラム。
機能性材料/高機能・高付加価値へ
カネカは100%バイオマス由来の生分解性バイオポリマー「Green Planet(グリーンプラネット)」の用途開拓を進めている。カネカとミズノが共同開発したグリーンプラネットを使った生分解性芝がバンテリンドームナゴヤ(名古屋市東区)に採用された。生分解性やバイオマス由来という特性に加えて競技を行う上での安全性や耐久性などが評価された。
グリーンプラネットは土壌中に加え海水中でも容易に二酸化炭素(CO2)と水に生分解されるため、プラスチックによる海洋汚染問題の解決に寄与する。人工芝は摩耗により破片が海に流出し、マイクロプラスチックとして海洋生態系へ悪影響を及ぼすことが懸念されている。カネカは人工芝の技術知見を持つミズノと協力し、一般的な人工芝に似た質感と耐久性を持つ屋内型スポーツ用生分解性人工芝を共同開発した。石油由来の人工芝に比べてCO2排出量の低減にもつながる。
三菱マテリアルは車載用電気部品などに適した高強度銅合金「MSP5―ESH」を開発した。マグネシウムを主成分とする固溶強化型銅合金で従来の高強度銅合金に比べ、製造性・性能・環境負荷のバランスに優れる。
同社が2021年に量産を始めた「MSP5」は高濃度マグネシウムの含有により、強度・導電率・成形性を高水準で両立した。ベリリウムなどの希少元素を使わず、コスト面でも優位性があり、車載用小型端子材として高評価を得ている。高強度タイプのMSP5―ESHはベリリウム銅やチタン銅と同等の強度を維持しつつ導電率はそれぞれの約2倍、約4倍に達し両材の代替を可能にする性能を備える。加工時の割れにくさやプレス打ち抜き性など成形性にも優れる。
汎用品と差別化し、競争力確保 機能性高め、材料転換後押し
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太平洋セメントが開発した無機中空粒子「セルスフィアーズ」
太平洋セメントは無機中空粒子「セルスフィアーズ」の提案を強化している。セメント製造で培った高温焼成技術と噴霧熱分解法を組み合わせ、10マイクロメートル以下のアルミナホウケイ酸ガラス中空粒子を開発した。中空率70%以上の軽量・断熱性を持ち、無機ガラス質のため耐熱性が高く700度Cでも形状を保持する。建材や塗料向けの提案に加え、組成改良によって電子材料分野での採用も見込む。年産数トン規模の生産設備を稼働し試験販売を進めている。
岩通ケミカルクロス(東京都杉並区)は、銀や銅の腐食要因となる硫化水素を吸着する「硫化ガス吸着剤」の拡販を目指す。同社によると、温泉地に立地するホテルなどの宿泊施設では、硫化水素が原因で誘導灯や通信設備に故障や不具合が発生する事例がみられるという。特に非常用照明器具など、非常時に備えた設備機器や備品については、不具合を未然に防ぐ観点から硫化ガス吸着剤の提案を強化する。
硫化水素は段ボールから発生することもあり、家電製品や電子部品などの輸送時対策としての引き合いも急増している。
