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化学産業
化学の魅力―次世代へ
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「夏休み子ども化学実験ショー」(2024年=日本化学工業協会提供)
日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学4団体は1993年、化学の啓発と化学産業の社会貢献への理解促進を目的に「夢・化学―21」委員会を創設。同委員会は若い世代に化学の持つ面白さ、不思議さを理解してもらい、化学の世界に興味を持ってもらう目的で「夏休み子ども化学実験ショー」や「なぜなに?かがく実験教室」などさまざまな活動を行っている。
文明の発展
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「なぜなに?かがく実験教室」(2025年3月=日本化学工業協会提供)
化学は人類が誕生した時から文明の発展を支え、歴史を作ってきた。薬の開発が病苦からの解放をもたらし、プラスチック、セラミックス、セルロースなどの素材は人々の生活に変化をもたらした。現代人の身の回りにあるパソコン、スマートフォン、家電製品、自動車には半導体などの化学材料が使用され、生成AI(人工知能)や量子コンピューターの登場によって社会課題の解決にも期待がかかる。
化学の研究者にとって最高の栄誉である「ノーベル化学賞」は日本人も多く受賞し、化学の発展に貢献してきた。文明の発展を支える化学の魅力が多くの人々に伝わり、次代を担う人材の育成が求められている。
実験教室
「夢・化学―21」委員会は実験教室や実験ショーを通じて化学の不思議や魅力を伝えている。
学校の先生が講師として本格的な実験を行う「なぜなに?かがく実験教室」は、小学1年生から4年生までを対象に年6回(奇数月)、東京都千代田区の科学技術館で開催されている。土曜日午後に計2回行われ、定員は1回につき24人、1日48人を募集し、参加費は無料。詳細と参加申し込みは、同委員会ホームページ(www.kagaku21.net/event/index.html)へ。
化学五輪
「第57回国際化学オリンピック アラブ首長国連邦(UAE)大会」が、7月5日から14日までの10日間UAEのドバイで開催される。麻布高校3年の天野春翔さん、筑波大学附属駒場高校3年の井戸沼悠成さん、三田国際科学学園高校3年の早田茂さん、奈良工業高等専門学校3年の渡邉周平さんの4人が日本代表生徒に決定し、理論試験(筆記)、実験課題、現地の文化体験などを通して各国生徒と交流を行い、メダルの獲得を目指す。
国際化学オリンピックは1968年にハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランドが始めた高校生の学力試験から発展し、毎年7月に約10日間開催される「化学」の国際大会。世界の高校生が一堂に会して化学の実力を競うと同時に親交を深めることを目的とし、日本は2003年のギリシャ・アテネ大会から参加している。
日本では、全国の中高生が化学の実力を競う「化学グランプリ」の参加者などから代表候補を選抜し、筆記試験と選抜合宿を経て代表生徒を決定している。