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化学産業
設備投資 活発化/半導体材料
半導体材料は足元では生成AI(人工知能)関連の需要がけん引するものの、中長期的に全体的な市場の拡大が期待される分野だ。デジタル変革(DX)の進展が後押しする側面もある。こうした背景を受け、化学各社は半導体材料関連での設備投資の動きが活発化している。
DX・AI好調 生産体制整備
第4拠点建設
信越化学工業は半導体露光材料の製造・開発拠点を群馬県伊勢崎市に建設する。段階的に投資を実行する計画を持ち、第1期では2026年までの完工を目指す。投資額は用地の取得も含め約830億円を見込む。同材料事業では4番目の拠点となる。半導体材料の先進拠点として位置付ける考えだ。
大阪工場増設
住友化学は大阪工場(大阪市此花区)で先端半導体用フォトレジストの開発・量産評価体制を強化する。約200億円を投じて、先端露光機を中心とした評価設備を拡充。25年度―26年度上期にかけて順次稼働させる予定だ。前工程・後工程向けの体制を整えることで、先端半導体メーカーからの受注拡大につなげる。
AI用増産
レゾナックはAI半導体向け材料の絶縁接着フィルムと放熱シートの生産能力を引き上げる。五井事業所(千葉県市原市)、山崎事業所・桜川(茨城県日立市)で新たな建屋などを設ける。AI半導体市場は拡大すると予測されており、需要増に対応した生産体制を整備する。
ターゲット材新設
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東ソーのGanスパッタリングターゲット材
東ソーはシリコン基板に窒化ガリウム(GaN)を成膜するスパッタリングターゲット材の生産設備を山形県の工場に設けた。同ターゲット材は独自の合成・焼結技術による純度の高さが特徴。従来の化学気相成長法(CVD)と同等の高結晶性GaNの成膜が可能で、コスト削減に寄与する。主にパワー半導体向けでの需要拡大を期待する。
カナダ社買収
DICも23年に、カナダの半導体用フォトレジスト樹脂メーカーを買収するなど、各社は体制強化を進めている。