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兵庫・神戸産業界 特集
阪神・淡路大震災から30年の節目に
神戸空港の国際化始動
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1月17日、阪神・淡路大震災の発生から30年を迎えた神戸市。25年に新たなステージへ。(神戸市中央区の東遊園地)
「4月の神戸空港の国際化とともに神戸は新たなステージに立とうとしている」ー。久元喜造神戸市長は、1月17日に東遊園地(神戸市中央区)で開かれた「阪神淡路大震災1・17のつどい」で犠牲者への祈りを捧げながら、こう述べた。神戸空港の国際化は、地元行政や経済界たっての悲願。国際線が利用できる第2ターミナルビルが開業する2025年4月18日に向けて準備が進むほか、複数の航空会社が就航を表明している。
06年に開港した神戸空港は神戸市中心部の三宮地区から約9キロメートル、新交通システム「ポートライナー」乗車で約18分の場所に位置する。現在、国内線専用空港として関西エアポート神戸(神戸市中央区)が運営、神戸市が管理している。国内11カ所を結び、利用者数は24年度(12月まで)で約268万人。開港以降、地元自治体や経済界が関西国際空港の補完として国際線の必要性を訴えてきた経緯がある。周辺自治体の首長や経済団体トップで構成し関空や神戸空港、伊丹空港のあり方を議論する「関西3空港懇談会」の場で、30年前後の国際定期便の就航を目指す方針が決定。これに基づいて23年、第2ターミナルビルの整備が始まった。
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第2ターミナルなどの完成後のイメージ(神戸市提供)
現在のターミナルビルの名称を第1ターミナルビルに変更し、第1、第2ターミナルビルの計2棟体制になる。第2ターミナルビルの整備費は約150億円。2階建てで、延べ床面積は約1万8700平方メートル。施設のコンセプトは「海に浮かび、森を感じる。」。出発・到着ロビーや保安検査場など主な旅客機能を1階に集約し、利用者にわかりやすい導線に設計した。2階部分に展望デッキを設置。神戸の醍醐味のひとつ、海と山が一望できるダイナミックな環境にする。ターミナルビルのほか駐機場を、10から15スポットに拡大した。
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神戸空港から飛び立つ航空機
第2ターミナルビルの開業とともに国際チャーター便を就航するのは、台湾のスターラックス航空だ。25年4月18日から神戸ー台北(桃園)、神戸ー台中便の就航を計画。神戸ー台北は週3便、神戸ー台中は毎日運航する予定。座席は旅行会社と同社公式サイトで販売する。運航機材は欧エアバス「A321neo」で、計188席。神戸市役所(神戸市中央区)で会見した劉允富スターラックス航空最高戦略責任者は、「神戸空港への就航を楽しみにしている。利用者にラグジュアリーなサービスを提供していく」と話した。
国際チャーター便 4月から順次就航
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神戸空港国際チャーター便への就航を表明した 劉スターラックス航空最高戦略責任者(右)と久元神戸市長
ベトナムの格安航空会社(LCC)のベトジェットエアは、期間限定の国際チャーター便として就航を決めた。25年度は大型連休中など計3回運航する計画。使用機材は欧エアバスの小型機「A320」で、約170席になる。旅行パック商品として順次、日本旅行などが西日本の周遊を盛り込んで販売を始めた。このほかにも大韓航空が、神戸ー仁川で25年春から国際チャーター便の就航を表明している。
神戸空港は国際チャーター便就航のほか25年4月以降、国内線の発着枠が1日最大80回から同120回へと拡大する。この流れに乗って、増便を計画する航空会社も増えそうだ。神戸を主要拠点のひとつに位置付けているスカイマークは、搭乗期間が3月30日ー10月25日までの25年度夏ダイヤにおいて神戸ー鹿児島で24年度冬ダイヤ比1日あたり1往復増、神戸ー那覇を同最大1往復増にした。30年前後に運航が始まる国際線定期便運航への参入についても、関心は高い。神戸市内で会見した本橋学スカイマーク社長は、「当社にもチャンスが広がっている。見定めて答えを出す」と話す。
国際チャーター便の就航は、定期便就航への試金石としての期待が大きい。また国内線の発着が増えることで、都市間交流などが活発になることも期待出来る。阪神・淡路大震災の発生から30年を迎えた25年は神戸空港、ひいては神戸の飛躍の年となるか。