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MF-TOKYO2025(2025年7月)
鍛圧機械に関する国際展示会「MF-TOKYO 2025 第8回プレス・板金・フォーミング展」が16日から19日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東展示棟4-8ホールで開かれる。主催は日本鍛圧機械工業会(日鍛工)と日刊工業新聞社。開場は10時から17時(19日は16時)まで。入場料は1000円(招待状持参者および事前登録者、中学生以下は無料)。
塑性・板金加工ー最大規模で開催/環境負荷を低減
脱炭素
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プレス、板金、フォーミング加工に関連する最先端の関連製品・技術が集まる(前回開催=2023年)
MF-TOKYOは塑性加工や板金加工などの関連製品・技術が集まる展示会。今回は国内外から271社・団体が1736小間の規模で出展し、過去最大規模での開催となる。プレス機械や、レーザー加工機を含む板金機械、フォーミング機械が集結するほか、周辺機器・技術も披露される。
今回のテーマは「人と地球にやさしい技術、持続可能な未来を築く」。カーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現や国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に応えるソリューションや、省人化や安全性向上に寄与する製品・技術の提案が期待される。機械だけでなく、各種自動化装置やロボット、予知保全システム、生産管理システムなども出品が見込まれ、これらを併せて活用することが、製造業の課題解決に有効に働く。
セミナー・発表
連日、会場では多彩なセミナーや研究発表が行われる。特別講演は18日に2本予定されている。11時からは大阪大学接合科学研究所の塚本雅裕教授が「カーボンニュートラル社会実現に貢献する青色半導体レーザーを用いた次世代アディティブマニュファクチャリング技術の研究開発」をテーマに、14時からは日産自動車の元塑性加工エキスパートリーダー兼日本塑性加工学会名誉会員の藤川真一郎氏が「日本刀と塑性加工による自動車の軽量化」をテーマに、それぞれ講演する。
そのほか、学会テクニカルセミナーや出展者テクニカルセミナー、日本塑性加工学会研究室の研究発表なども行われる。
次代の人材
鍛圧業界を含む製造業では次代を担う人材の確保が喫緊の課題となっている。業界の魅力を伝えるべく、今回の展示会では学生・生徒の誘致に力を入れている。学校から会場まで直行バスを運行するバスツアーを開催。同ツアーによって、900人を超える大学生、高等専門学校生、高校生が参加する。
メッセージ/日本鍛圧機械工業会 会長(アマダ会長) 磯部 任
2年に1度のペースで開かれ、今回で8回目となるMFーTOKYO。プレス、板金、フォーミング加工に関連する最新技術が一堂に会する。主催者である日本鍛圧機械工業会の磯部任会長(アマダ会長)に、展示会の見どころや鍛圧機械業界への期待を語ってもらった。
自動化ー新たなステージ突入
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日本鍛圧機械工業会 会長(アマダ会長) 磯部 任
今回のMFーTOKYOは2019年の出展規模を上回り、過去最大規模での開催となる。今回の展示テーマは「人と地球にやさしい技術、持続可能な未来を築く」。人に優しい「自動化」技術や、地球に優しい「環境対応」技術に関する多くの提案が見込まれる。
多くの企業が、今までターゲットとしてきた市場にとどまらず、新しい市場で新たなビジネスを創出したいと考えているだろう。それを達成するためにも、人手不足の解消や自動化の推進が必要だ。
これまでは製造における各工程ごとの自動化が進められてきた。今後はロボットや自動搬送システム、ソフトウエアを活用して各工程間をつなぎ、全体を通しての自動化が求められる。展示会でも、これらに応える新たなステージの自動化が表現されることに期待する。
また環境対応においては、エネルギー消費量の削減といった環境性能の向上は、各社が製品ごとに取り組みを進めている。今後はプレスやレーザー、フォーミング加工などの各技術を組み合わせて新たな工法を確立することで、生産性が向上し、それが環境負荷低減にもつながると見ている。
鍛圧機械業界では次代を担う人材の確保も重要なテーマだ。MFーTOKYOでは2017年から大学生を中心に学生誘致を行ってきたが、今年はさらに力を入れている。バスツアーには前回比約倍増の13大学の研究室が参加するほか、今回は神奈川県の工業系高校生や、千葉県の高等専門学校生も参加する。学生に先端技術を見てもらい、モノづくりや鍛圧機械業界に興味を持ってもらえる機会にしたい。
展示会を通じて、日本の鍛圧機械業界の力や強さを世界に発信していきたい。