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千葉県特集2025
ちばで輝く産・学・官の取り組み
人手不足や原材料の高騰など景気の先行きに不透明感が漂う中でも、事業拡大や社会貢献に取り組む動きは少なくない。千葉県で挑戦を続ける「産・学・官」の取り組みを特集する。
ZOZO、千葉市と連携/働きやすい仕事服発売
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カジビジを着てポーズを決める神谷市長
ZOZOは本社を置く千葉市と連携して開発した仕事服「カジュアルビジネススタイル(カジビジ)」を発売した。約1100人の同市職員の意見を反映している。選びやすくしたのが特徴で、オールシーズン着られる素材にするとともに、身長と体重を入力すると体形に合ったサイズが分かるサービスを提供。さらに同市の職員がモデルとなったコーディネート事例も紹介している。
消費税込みの中心価格帯はジャケットが1万—1万5000円、パンツが9000—1万円。シャツやブラウス、カーディガン、ワンピース、スカート、Tシャツも用意している。
同市が通年軽装「ナチュラルビズ」を進める中で、職員から「毎日の服選びに悩む」「具体的な服装例を知りたい」などの声が寄せられていた。これらを解決するため、同市と包括連携協定を締結しており、ファッションに知見がある同社と連携し、今回の取り組みが実現した。
神谷俊一市長は「動きやすく、打ち合わせも落ち着いてできる」としており、快適で働きやすい服装が生産性の向上につながっているようだ。
千葉大学災害治療学研究所/河川を“ドローンハイウェイ”に
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講演する千葉大学の牧特任教授(左)と千葉市の濤岡総合政策局未来都市戦略部長
千葉大学災害治療学研究所と千葉大学医学部は、同大西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)で「災害治療学シンポジウムin千葉2025」を開いた。同大の牧慎太郎特任教授と千葉市の濤岡徳康総合政策局未来都市戦略部長が両者の防災連携について解説した。
濤岡部長は「千葉市消防団CUMST(カムスト)は大規模災害発生時に災害現場での応急救護や健康管理を行う」と関係者と共に平時から準備をしていると強調。牧特任教授は「河川を“ドローンハイウェイ”に」と東京湾とつながっている都川に着目。川沿いに千葉大学病院、千葉県庁など重要な施設があることや、災害時にドローンを使って医薬品搬送に利用するための取り組みの進捗(しんちょく)を紹介した。
また、「宇宙からの減災・防災最前線」として、スカパーJSATの木村勉宇宙事業部門宇宙ソリューション事業本部長が、宇宙ビジネスに参入してからの40年間の歩みとこれからの宇宙分野での挑戦を説明。蓄積した技術を生かし、「地球観測で得た知見を世の中に役立てる宇宙ソリューションプロバイダーに進化していく」と意気込んだ。
吉野機械製作所/生成AIと対話 プレスブレーキ保守
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吉野機械製作所が今後メンテナンスシステム内に導入を計画しているCGのイメージ
吉野機械製作所(千葉市緑区、吉野友章社長)は、東京大学発ベンチャーのきゅうりトマトなすび(東京都文京区)と共同で、プレスブレーキの異常を検知し、生成AI(人工知能)でメンテナンス方法を対話形式で示すシステムを開発した。主力製品の「完全自動曲げシステムYSPーRシリーズ」のオプションとして2026年度に発売する。
7月に開かれた塑性加工技術の総合展示会「MF—TOKYO」にも試作機を出展。吉野社長は「学生を含め来場者からの反響は大きかった」と話す。
データ処理は主にクラウド経由で行う。当初はオンプレミス(自社保有)環境を想定していたが、高パフォーマンスの実現にはクラウドが必須と判断。「利用者には当社独自のネットワークを通じてIPアドレスを付与するなど機密性も重視した」(吉野社長)。
9月には千葉県の「先進的デジタル技術活用実証プロジェクト補助金」にも採択された。「低価格で高性能のシステムを提供し、中小企業の役に立ちたい」(同)。今後はコンピューターグラフィックス(CG)の導入や工作機械への対応も計画。工場全体をAIで可視化するスマートファクトリー化構想の実現を目指す。
センエー/「ライフライン☆デイズ」で地域への感謝を
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「ライフライン☆デイズ」の試写会
都市・環境整備業を営むセンエー(千葉市稲毛区、山本剛社長)は2026年4月に創業90周年を迎えるに当たり、地域への感謝と未来への想いを込めた映像作品「ライフライン☆デイズ」を同社の特設ウェブサイト、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開中だ。同作は全編を千葉市内で撮影し、同市内で生きる若者の成長と葛藤を描いた約20分間の短編映画。同社が守り続けてきた“見えない支え”と“未来を生きる人々”の姿が重なり、企業活動の根幹にある“地域との共生”を映像化した。
同社は千葉県の水環境保全に務め、下水道管路メンテナンスに注力。点検・調査・補修改築工事の全ての業務を自社で行い、水処理保守・清掃業務、浄化槽保守・点検・清掃、下水処理施設・排水処理施設維持管理を営む。地域密着型企業だが、25年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故、昨年の能登半島地震、東日本大震災などの災害時には県外に人員と機材を派遣し、復旧業務にあたった。社会インフラのメンテナンス業務を通じ、安心して生活できる社会に貢献する。
