-
業種・地域から探す
続きの記事
東北産業 未来を拓く(2024年8月)
確かな成長 次の一手
東北発のイノベーション創出に向けて、東北各地で新たな取り組みが加速している。
◇人口減少問題
人口減少問題を共有―。4月、東北経済連合会(増子次郎会長=東北電力会長)は、青森市のホテル青森で「わきたつ東北戦略会議」を開き、東北6県・新潟県における人口減少問題に関して意見交換した。東北6県・新潟の産学官金のトップが一堂に集まり、課題・危機意識を共有した。2024年度は「人口減少問題」をテーマに意見交換を重ねる方向だ。全国でも人口減少率が最も高い地域であることを背景に、産学官金それぞれの施策の方向性などを確認し、課題解決に向けた地域の取り組みを促す。
◇次世代放射光施設
産業イノベーションを引き起こす―。巨大な顕微鏡と称される次世代放射光施設「ナノテラス」(仙台市青葉区)が本格稼働してから4カ月が経過した。4月にビームラインの利用が可能なコアリション(有志連合)・メンバーらによる実験が先行。国側によるビームライン共用利用が2024年度末にも予定される。すでに利用者からは、「新たな“光”で、これまで見えなかった機能を可視化できた」などの声がある。新製品開発など各分野での活躍が期待される。
◇教員に半導体研修会
半導体産業の魅力を伝える―。今月、宮城県は、県内高等学校教員を対象とした「半導体研修会」を開いた。教員向けの半導体製造プロセスの体験型研修会は初の試み。計19人の教員が参加した。生徒の進路指導などで半導体産業への理解を深めるとともに教育内容の充実化につなげる狙い。会場となったのが微小電気機械システム(MEMS)など各種センサーのモノづくりが可能な東北大学マイクロシステム融合研究開発センター。今後も県は教職員を対象とした体験型の研修会を継続していく方針だ。
◇宇宙産業拠点目指す
宇宙産業を福島から―。8月9日、福島県南相馬市内で福島の地を宇宙産業関連分野の事業者らが集まる拠点構築の実現に向けた「Fukushima SPACE カンファレンス」が開かれた。地元企業らが連携し、カンファレンス実行委員会を組織。今年が2回目の実施となった。文部科学省、経済産業省、福島県、南相馬市、東北大学、福島国際研究教育機構(F-REI)など産学官から多くの登壇者が意見を交わした。「研究開発拠点の設置と人材育成」「人工衛星産業の課題」「人工衛星発展に必要な環境」などがテーマになった。