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京滋の有力企業18(エイティーン)
桶谷製作所/中嶋金属/ゲートジャパン
大物機械加工に希少価値/桶谷製作所社長 桶谷 正躬 氏
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桶谷製作所社長 桶谷 正躬 氏
ー製造装置のメーンフレームやベースプレートなど、大型部品を手がけています。
「京都で大物の機械加工ができる会社は珍しく、希少価値がある。加えて同業他社よりも従業員数が多く、多数の仕事を受けられるため、価格や納期でも優位性がある。良いモノを安く作ることと、他社にマネできないモノを作ることが当社の理念だ」
ー足元の事業環境や今後の目標は。
「2024年5月期の売上高は32億円で増収だった。加工業は全体的に24年は低調だったが、上向きの兆しも感じられるようになってきた。まだまだ遠いが、目標は売上高100億円。成長戦略を実行するのは社員で、豊かさや幸せ、安心などを感じてもらうために必要な規模と考える」
ー成長戦略は。
「加工業を伸ばすだけでなく、装置組み立てにも事業領域を広げる。また安くて良いモノを顧客ニーズに合わせて作れる会社が勝つのが、ビジネスの原理。(調達コストダウンなどを目的に)中国の(同業)会社と提携したが、まだまだ技術力は低い。技術指導や教育を行い、相互メリットが生まれるようにしたい」
ー成長戦略を実行するための、人材育成の考え方は。
「技術や営業などの指導もするが、顧客ニーズにすぐに応えられることが当社の存在理由だと伝えている。ただ会社のためではなく、自分が幸せになるために仕事をしてほしいとも伝えている。事業を大きくすること以上に、当社に関わる人に幸せを感じてもらうことが重要だ」
水素・脱炭素関連が好調/中嶋金属社長 中嶋 哲也 氏
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中嶋金属社長 中嶋 哲也 氏
ー分析装置や医用機器、電子部品、半導体市場などに多様なメッキ加工を展開します。2025年の展望は。
「25年前半は半導体関連が前年と同様に落ち込むが、水素・脱炭素関連や航空機用電池向けが伸びる見込みだ。24年に従来取引のなかった欧州化学メーカーから、水素関連機器へのメッキ加工の引き合いがあり、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)が世界的なトレンドであると実感した。一方、地政学リスクや米トランプ政権による関税政策、為替の動きなど懸念事項も多い。状況を注視している」
ー水素・脱炭素関連機器向け白金メッキが好調です。
「顧客ニーズに沿ったメッキ加工が前提の設備投資を続けている。同じような製品でも実際に利用するエンドユーザーによって、使う環境や使い方が異なる。メッキも同様で、同じ見た目の製品でも、求められるメッキ加工は微妙に異なるケースが多く、それらに対応した設備のカスタマイズを継続実施していかないといけない。合わせて、年率約20%のペースで生産能力も増強している」
ー本社内に人材育成室を整備し、稼働しました。
「オンライン環境を整備し、営業活動でも活用している。当社エンジニアと顧客のエンジニアがオンライン上で直接やりとりできるようになったため、タイムリーに詳細な顧客ニーズを拾うことができる。人材育成の観点から、エンジニア同士の対話は身になる知識を効率良く収集でき、メリットとなっている」
海外展開加速 インドに期待/ゲートジャパン社長 西沢 耕一 氏
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ゲートジャパン社長 西沢 耕一 氏
ーファブレスで金型部品や自動化装置を手がけます。
「日本や中国、マレーシア、インドネシアなどに約300社の協力工場ネットワークを構築している。当社の特徴はファブレスだが、2023年末に山形県で自動化装置の工場を稼働した。同装置事業はワイヤハーネス向けが売り上げの約80%を占める。ワイヤハーネスは電気自動車(EV)の普及で需要が増えるものの、先行きは不透明。飲料充填機など、他の自動化装置にも力を入れていく」
ー金型業界の現状は。
「日本は金型メーカーの廃業が増え、当社にも仕事が回ってきている。足元はそれでも良いが、中国金型メーカーによる日本市場への参入が加速する。大量生産で価格が安いだけでなく、技術力も上がっており、事業環境は厳しさを増すだろう」
ー業界動向を踏まえた成長戦略は。
「海外展開を加速する。海外売上比率は10%だが、早急に20-30%に伸ばす。注目のインドは金型・自動化装置ともに、自動車や弱電、半導体など幅広い業界での成長を期待する。25年中には展示会に出展したい」
ーデジタル変革(DX)の取り組みが、関西経済連合会から表彰されました。
「自社向けに構築した販売管理ソフト『ジーニアス』が評価された。販売や出荷、納期管理、コスト計算などができる。自社のペーパーレス化が目的だったが、外販にも乗り出した。今まで当社の顧客でなかった業界にも売ることができ、期待している」