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京滋の有力企業18(エイティーン)
エマオス京都/アクアシステム/NKE
モノリス構造応用拡大/エマオス京都社長 石塚 紀生 氏
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エマオス京都社長 石塚 紀生 氏
ー多孔体で貫通孔構造が特徴のモノリス構造材料を手がけ、医薬品製造の分離精製用途で利用が拡大しています。
「バイオ医薬品の分離精製用充填剤に焦点を当てた、モノリス構造ポリマー材料の引き合いが増えている。一般的な多孔体材料より、粒子の穴の径を大きくでき、穴が貫通構造のため、分子量が大きいバイオ医薬品を高速かつ高精度に精製できる。同医薬品は副作用の少なさなどで注目され、市場が拡大し始めているが、精製コストの高さが課題。当社の技術を生かせば、従来より安価に薬を市場提供できるようになる」
ーモノリス構造の応用範囲を広げています。
「バイオ医薬品の分離精製の仕上げ工程向けでの利用を想定し、シート状モノリス膜の開発を進めている。膜を分厚く設計でき、気孔率も高いのが特徴。現状、仕上げ工程向け分離膜は、複数の薄膜を積層して製造する手法が一般的だが、積層した膜と膜の間に隙間が生じ、分離精度が落ちる可能性があった。開発中の膜は、積層せずに使用できる。2025年度は量産技術の開発に取り組む」
ー今後の戦略は。
「モノリス技術は肥満治療薬『GLPー1受容体作動薬』の高効率な分離精製にも応用できる。新興国などでは経済発展に伴う食生活の変化で糖尿病予備軍が増え、肥満治療薬ニーズは拡大している。また、バイオ医薬品と一口に言っても、多様な種類、作り方が存在する。多様なニーズに対応したモノリス構造製品の開発に努める」
ブランディングを強化/アクアシステム社長 木村 匡伸 氏
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アクアシステム社長 木村 匡伸 氏
ー昨秋から新製品を相次ぎ、市場投入しています。
「ドラム缶内の液量を検知してポンプ制御も可能なセンサー式やエア式などの液面計シリーズを投入した。従来の液面計は配線の難しさなどで専門業者による設置が一般的だったが、新製品は簡単に設置でき、他社製ポンプでも使える汎用性も持たせた。乾電池で動かせる液面計は当社のみ。ドラム缶の設置自由度を高める。レーザー式液面計の無線タイプはタンク複数の液量遠隔監視が可能で、灯油や軽油などの使用量や在庫の管理、発注業務を効率化できる。ポンプや周辺機器のラインアップに加え、液面計を強化したことで、過去にPRが十分にできていなかった分野を含めて2025年はブランディングを強化していきたい」
ー足元の状況は。
「専門のポンプだけでなく、配管、ホース、流量計などの周辺機器を含めたシステムの総合的ノウハウで、他社が対応できない顧客要求にも迅速に最適対応できるのが当社の強み。近年のPR強化で大手や中小規模拠点のシステムの案件が増えている。業界にこれまでなかった手頃な価格帯のミドルレンジ製品を市場投入したことも奏功した」
ー26年1月期の目標は。
「25年1月期は売上高10億円の大台は突破できそうだ。来期はブランディングの強化に加え、プロセス改善やツール、コンテンツ、トレーニングなどを通じて営業チームが効果的に業績を高めるセールス・イネーブルメントに取り組む。基幹システムの更新で働き方改革も推進していく」
海外子会社と相互補完/NKE社長 中村 道一 氏
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NKE社長 中村 道一 氏
ー自動車業界向けをはじめ、多様な業界の自動化設備、搬送設備を手がけています。
「車載電池関連の設備投資が動く中、電池工場向け搬送設備が好調だ。自動車メーカーや部品メーカーの投資も戻ってきた。2024年度は良い形で着地できそう。25年度は4月からのスタートダッシュも例年より見込め、この勢いは続きそうだ。ただ、車載電池の生産設備は内燃機関のように常に手入れしながら、メンテナンス、リプレイスを繰り返して行う感じではなく、搬送ラインの寿命も長い。次世代を考え、食品や医薬品、化粧品業界向けなどの需要対応もさらに加速していく」
ー日本と海外子会社間での連携を加速しています。
「これまでも中国の子会社に部品加工や組み立てで協力してもらうなどはあったが、設計面でも協力が始まった。互いに優れた部分があり、ボーダーレスで相互補完できる体制を築きたい。中国に余力がある時は日本の仕事を手伝ってもらい、日本に余力があればその逆という形で当社グループのリソースを有効活用する。国内では広島県の拠点で営業体制を強化した。中・四国から九州までの西日本地域は事業拡大が見込め、電池や半導体はじめ、幅広い産業の需要を取り込んでいきたい」
ーモノづくりの強化や効率化に取り組んでいます。
「若手が中心となってプロジェクトを立ち上げ、ベテランがサポートし、省人化や自動化から取り組んでいる。開発中の新商品のキーパーツの内製化にめどが立つなど、技術力もさらに高めていく」