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埼玉県川口市
技術・技能で未来拓く
埼玉県川口市は全国に62市ある中核市の中で予算額は第2位。県庁所在地以外の中核市ではトップとなる。鋳物や機械産業が古くから市の経済を支えてきた。荒川をはさんで東京都と接しているため、現在は駅周辺に高層マンションも立ち並ぶ。市はJR川口駅の中距離電車停車に向けた検討を始めた。駅東口の旧そごうは三井不動産が所有権を取得してリニューアルを進めている。「住みやすい街」の先にある「さらに選ばれる街」へー。未来に向けた街づくりや地域振興策が進められている。
中距離電車停車へ検討開始/通勤・通学を円滑化 定住人口拡大
川口駅は埼玉県内JR線乗車人員で1位の大宮駅と2位の浦和駅に次いで3位。4位は南越谷駅、5位は北朝霞駅と続くが、上位5駅の中で複数の乗り入れ路線がないのが、唯一川口駅だ。現在は京浜東北線1線だけの乗り入れだが、中距離電車が停車することで、駅利用者の移動時間短縮や混雑緩和が期待できる。また通勤・通学の円滑化により定住人口の拡大も望める。
停車する中距離電車は上野東京ラインを対象に検討する。上野-東京間を経由して宇都宮線や高崎線などと東海道線とを相互直通運転する列車だ。JR東日本は31年度の開業を目指して上野東京ライン沿線から羽田空港へダイレクトアクセスができる「羽田空港アクセス線(仮称)」の計画を進めている。
24年1月にJR東日本から提出された調査結果を受けて、川口市は基本協定締結に向けた協議を進めている。協定締結後、測量や設計に数年程度かかり、実際にホームを増設して利用できるのは10-12年程度の工事期間が必要だとみられている。ホーム増設と駅舎の改修に必要な事業費は約400億円前後を想定する。
一方、川口市は三井不動産がJR川口駅前の旧そごう川口店ビルを買収して新たな商業施設にリニューアルするのを機に、市と三井不動産、三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)で川口駅周辺の街づくりの連携協定を結んだ。官民で地域のにぎわいや防災・環境に配慮した都市づくりに取り組む。
川口会議所と鳩ケ谷商工会 統合
川口商工会議所は5月、鳩ケ谷商工会との組織統合記念式典を開いた。川口市は2011年に鳩ケ谷市と合併したが、合併後も会議所と商工会が併存していた。細野博隆会頭は式典で「現在の会員数は全国515商工会議所で15番目となり、中核市では最も多い。一層の団結力で地域のために取り組みたい」とあいさつした。奥ノ木信夫川口市長は「お互いの会員が会議所の部会やサークルに参加し合って発展のバネにしてほしい」と要望した。大野元裕埼玉県知事は「川口の統合が効果を上げれば、さらなる統合や持続的な経済発展に結びつけられる」と期待した。
一方、川口機械工業協同組合は4月に創立90周年式典と祝賀会を開いた。埼玉県川口市を中心とした県内の機械工業に携わる事業所によって1934年に組織された。川口市が誕生したのが1933年の翌年になる。5月には葛生誠一郎理事長が交代し、第16代理事長に佐藤義晴理事長が就任した。
市産品フェア2024、川口オートレース場で10月開催
川口市などは10月25-27日の3日間、川口オートレース場で「川口市市産品フェア2024」を開催する。市内で製造された製品の魅力を市民や市内外の企業、他の自治体に発信して販路を拡大するのが狙い。22年度までは市内の産業拠点「SKIPシティ」で開いていたが、新たな施設工事のため23年度から会場を川口オートレース場に変更した。今年10回目となる。
フェア開催を通じて市内中小企業の活性化と地域経済振興を目指す。23年度は3069件と過去最大の商談件数になった。今年は10回記念講演や全日本製造業コマ大戦のほか、昨年に続いて学生の就労支援企画など多彩なフェアになる予定だ。
主催は川口市と川口市市産品フェア実行委員会で、実行委員会構成団体には川口商工会議所や川口鋳物工業協同組合、川口機械工業協同組合など数多くの団体が入っている。フェアを通じて川口市の市産品をPRして市内企業の売上高向上や販路拡大を支援する。