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兵庫・神戸産業界
兵庫・神戸地域の企業や機関などで、デジタル変革(DX)への取り組みに意欲が高まっている。兵庫・神戸のDXの旗手は、2021年に共用開始した理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS、神戸市中央区)のスーパーコンピューター「富岳」と言えるだろう。23年には日本マイクロソフトが人工知能(AI)の開発拠点を神戸市中央区に設置と、大きな話題が続いている。地元企業も、DXで独自の展開を見せている。
VB・スタートアップ支援強力に
少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足を背景に、日本経済の成長戦略として新成長分野の開拓・拡大および働き方改革は不可欠だ。このような状況のもと、国はベンチャーやスタートアップ支援を推進し、多様な課題の解決に力を注ぐ。兵庫県でも自治体や金融機関、関連団体がこれまで以上に連携を強めた取り組みを展開している。
高校生ビジネスプラン・グランプリ/日本公庫、若者の挑戦を促進
日本政策金融公庫は高校生のアントレプレナーシップ養成に向け「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を全国規模で展開している。これに向けた取り組みの一環として8月5、6、26、27日の4日間、神戸創業支援センターでは、兵庫県や神戸市と連携して「Hyogoビジネスプランブラッシュアップ道場」を開催した。
同ブラッシュアップ道場はビジネスアイデア創作からブラッシュアップ、フィールドワークなどの枠組みで実施。専門家やメンターのサポートにより、4日間のスケジュールで、高校生が〝自ら学び、考え、課題を見つける力〟〝課題を解決するための論理的な思考力〟また〝他者と協働しながら課題を解決する力〟を養うのが目的だ。
1日目は12校・19人が参加、ガイアックス(東京都千代田区)の担当者による「起業ゼミ~0から1を生み出す体験ワークショップ~」を実施。
2日目も12校・19人が参加し、産業技術総合研究所の講師による、生成AIの活用および注意点についての講義を受講。その後、グループワークにより1日目で作成したビジネスアイデアのブラッシュアップを行った。
3、4日目は「KOBEワカモノ起業コミュニティ」所属の先輩起業家などがメンターとなり、収支計画作成のポイント解説や、高校生による都心部でのアンケート調査などフィールドワークをサポート。ビジネスアイデアをビジネスプランとして磨き上げた。
課題解決や協働する力養う
4日間のイベントを通して参加学生から「ビジネスプランについて気づかなかった新たな課題に気づけた」「貴重な経験になり、次のステップにつながった。『高校生ビジネスプラン・グランプリ』優勝目指して頑張る」など喜びの声が集まった。
同ブラッシュアップ道場で磨き上げたビジネスプランについては、日本公庫が主催する「第12回高校生ビジネスプラン・グランプリ」はもとより、兵庫県と大阪府が共催する「令和6年度スタートアップチャレンジ甲子園」出場への挑戦を促す考えだ。
このほか、スタートアップ支援の取り組みとして神戸創業支援センターでは9月19日、「スタートアップ✕金融機関がホンネで語る!資金調達座談会(THE段階)」も開催した。同セミナーは「ひょうご神戸スタートアップ・エコシステムコンソーシアム」に所属する一部の金融機関が連携して実施。「スタートアップによるデット(借入)の正しい活用方法」をテーマに、スタートアップからの視点と、金融機関から見たポイントなどを紹介した。
国が掲げるスタートアップ支援に並行し、兵庫県内スタートアップへの効果的な支援を推し進めている。