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兵庫・神戸産業界
兵庫・神戸地域の企業や機関などで、デジタル変革(DX)への取り組みに意欲が高まっている。兵庫・神戸のDXの旗手は、2021年に共用開始した理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS、神戸市中央区)のスーパーコンピューター「富岳」と言えるだろう。23年には日本マイクロソフトが人工知能(AI)の開発拠点を神戸市中央区に設置と、大きな話題が続いている。地元企業も、DXで独自の展開を見せている。
地域経済を〝元気に〟
兵庫・神戸では地域経済の活性化と成長に向け、地元金融機関や経済団体などが自治体や横の連携を強めたさまざまな事業者支援活動を展開する。中小企業の経営力強化や販路開拓、ベンチャー支援など、課題解決をサポートする取り組みを紹介する。
兵庫工業会/DXテーマにフォーラム
兵庫工業会は県内の中堅・中小製造業に向けた「人材育成事業」「産業振興事業」「シン・ものづくり事業」「会員交流事業」の4事業を柱とする多様な活動を展開し、地域経済の成長・発展を後押しする。各種研修・セミナーや論文コンクールの実施、SDGsやDX・GX、カーボンニュートラルの推進など幅広い取り組みを推進している。こういった取り組みの一環として、8月28日、ホテルオークラ神戸(神戸市中央区)で「テクノフォーラム2024」を開催した。今回はDXをテーマとした基調講演やパネルディスカッションが行われた。
第1部の基調講演では、中小企業基盤整備機構近畿本部中小企業アドバイザーの吉村正裕氏が「DXはデジタルから入るな!~DXのヒントは織田信長にあり~」というテーマで登壇。DX本来の意味から脱炭素との相関関係、経営者に求められることなど幅広い視点からDXのメリットや注意すべき点などを詳しく説明した。
第2部のパネルディスカッションにはパネリストとして、カコテクノスの加古泰三社長、大門の中村祐大社長、兵庫工業会の金井宏彰副会長、経済産業省近畿経済産業局次世代産業・情報政策課の土屋貴史課長が登壇。各社・団体の取り組み事例や支援施策などを紹介し、活発に議論が交わされた。開会に先立ち、兵庫工業会の宮脇新也会長は「直近の2年間は〝SDGsを企業経営にどう生かすか〟というテーマに焦点を絞り開催してきた。今回はDXをテーマに開催する。来場の皆さまの有意義な時間となればうれしい」とあいさつした。
国際フロンティア産業メッセ閉幕/過去最多515社・団体が出展
9月5・6日の両日、神戸国際展示場(神戸市中央区)で西日本最大級の産業総合展示会「国際フロンティア産業メッセ2024」が開催された。主催は兵庫県や神戸市、新産業創造研究機構(NIRO)、神戸商工会議所など15団体で構成する国際フロンティア産業メッセ実行委員会。過去最高となる515社・団体が自慢の技術や製品、サービスなどを575ブースで紹介した。
2号館1階入り口中央に特別展示された川崎重工業の水素エンジンモーターサイクル(Hydrogen ICE motorcycle)や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が展示した、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」で採取した粒子の実物が特に関心を集めた。同展示会には地元高校生など若者世代も多く来場し、盛況のうちに幕を閉じた。
開会式で国際フロンティア産業メッセ実行委員会の牧村実会長は「産業界は少子高齢化に伴う労働力不足や、DX化・カーボンニュートラルへの対処など重要な課題に直面している。このような課題に対処するには、技術革新やサステナブルな環境対策など多角的なアプローチが必要である。一方で、見方を変えればビジネスチャンスということでもある。同展示会で今後の成長に向けたアイデアやきっかけ、チャンスをつかみ取って頂きたい」とあいさつした。また、みなと銀行が併催する「みなと元気メッセ」にも昨年より14社多い55社が出展。過去最高となる65小間で自社製品の特長や技術力をアピールし、多くの来場者でにぎわった。みなと銀行の武市寿一社長は「りそなグループを含め初めて出展される会社も23社ある。生産性の向上や事業再構築などの視点から動きが活発になってきている」とコメントした。