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兵庫・神戸産業界
安心安全な社会つくる道続く
復興進む神戸、新たな成長への兆しも
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1月17日に開催された「阪神・淡路大震災1・17のつどい 」。灯籠を並べて、「つむぐ」の形にした -
神戸市立灘の浜小学校の児童は、献唱歌「しあわせ運べるように」を手話を交えて合唱した(1月17日開催のひょうご安全の日1・17のつどい) -
神戸・三宮地区では順調に再開発事業が進む -
災害からの創造的復興をテーマに国内外の機関が一堂に集まった「創造的復興サミット」の実施などを受け、斎藤元彦知事は25年の1字に「創」を選んだ
兵庫・神戸地区は17日、阪神・淡路大震災から31年を迎えた。多数の死傷者を出し、神戸市内を中心に甚大な被害をもたらした。95年以来、神戸地区の復興は進んだ。2006年には神戸空港が開港し、24年頃から神戸・三宮地区の再開発事業が開始。さらに25年、神戸空港から国際チャーター便が就航するなど新たな成長の兆しは見えてきた。だが震災で受けた地域や被災者のきずは容易に消えることがない。神戸市中央区で17日に開催した「ひょうご安全の日のつどい」で斎藤元彦兵庫県知事は、「安全で安心な社会をつくる道に終わりはない。誰ひとり取り残されることのない社会の実現に向け、県民とともに歩みを進めていく」と追悼の意と今後の決意を表明した。兵庫県や神戸市などの行政機関や県民のほか、神戸市内の企業など地元経済界も「安全・安心な社会をつくる道に終わりはない」という言葉通り、震災の経験や教訓を胸に日々自社の事業に取り組んでいる。
【メッセージ】 神戸市長 久元 喜造 氏/防災DX積極的に活用
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神戸市長 久元 喜造 氏
神戸市は、防災のデジタル変革(DX)に非常に力を入れています。1995年の阪神・淡路大震災は想定外の出来事でしたが、それを想定内にしていくという努力がこれまで重ねられてきました。あのようなことが絶対にあってはならないようにしようという思いがあったためです。大容量送水管の整備や下水道を活用した浸水対策、建物の耐震化、南海トラフ地震の津波に対する堤防など、これまで災害対応のインフラ構築を進めてきました。
その中でここ10年くらいの間に急速に進んできたのが、DXをはじめとする多様なテクノロジーの活用です。防災DXについて、神戸市は国内の自治体の中で積極的に進めてきたと考えております。例えば高潮・津波対策として職員が自宅でタブレット端末で防潮鉄扉・水門を開閉できるシステムや、多様な情報を一元管理することができるような危機管理システムを導入しています。
このほかにも対話アプリケーション「LINE」を活用して市民のみなさんに投稿してもらい、これを一元管理する災害掲示板を設置しています。また避難所における車を使った給電システムなど多様なツールを導入しています。これらツールは、テクノロジーが日進月歩で進んでいくのに合わせて不断に更新します。時には新たなテクノロジーを練っていきます。
また2026年度の防災庁の設置に向けて本格的に準備が進められていることについて、被災自治体として大変歓迎をしています。神戸市としては防災庁がどのような役割を果たしてどのような組織体制になるのか、また地方を拠点に対してどういった対応がなされるのかということについて、注意深く見守っていきたいと考えています。
【メッセージ】 神戸商工会議所 会頭 川崎 博也 氏/地域の交流人口増を重視
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神戸商工会議所 会頭 川崎 博也 氏
兵庫、神戸地区の交流人口の増加を、神戸商工会議所および兵庫県商工会議所連合会会頭として重視しています。2025年4月18日には神戸空港に国際チャーター便が就航し、06年の開港以来悲願だった国際化を果たしました。これにより、地元のインバウンド(訪日外国人)は増加しています。
神戸空港の国際化の結果、神戸市内のインバウンドの8割ほどは必ず神戸市内で一泊するというデータも出てきました。宿泊数が増えると、それに合わせて地元に落ちるお金も増えていきます。ただ地域の経済を潤しているのかという点を見ると、不十分ではないかと私は考えています。
インバウンドおよび彼らの滞在が増えたとはいえ、大阪や京都などに比べて規模が圧倒的に小さいのが現状です。これを克服する次の一手、いや四手や五手ぐらいは必要でしょう。それを25年以降常々考えており、26年から着実に実行に移していきたいという思いでいます。神戸以西の観光事業の開拓にも、積極的に取り組んでいきます。
25年は、神戸市への来訪を促すプロモーション活動を国内外で実施しました。これは25年4月から約6カ月にわたって開催した大阪・関西万博を契機に始めたものですが、各国の経済界にビジネス交流をしようと積極的に投げかけています。この動きが一過性にならないように、26年以降も継続します。
神戸市には優れた産業や技術などがたくさんあります。神戸市沖の人工島「ポートアイランド」の「医療産業都市」に集積する企業や医療機関、研究機関はまさしくそうでしょう。ただ誇るべきテクノロジーの発信が、まだまだ弱いのが課題です。テクノロジーの発信の場を作りたいと考えております。
