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千葉県産業特集
千葉で活躍する企業 わが社のイチ押し製品・サービス・技術 ―2―
シンク・ラボラトリー/パッケージ製造請負 1年後に60社・400-600アイテム以上に
水性インクジェットプリンター活用
シンク・ラボラトリー(千葉県柏市、重田龍男社長)は、2021年から始めたパッケージ製造の請負事業で、早ければ1年後に受注が累計で現在比2倍の60社以上、400-600アイテム以上に達するめどを付けた。水性インクジェットプリンターを活用することで、食品を中心とするパッケージの少量多品種化や、環境意識の高まりなどに対応し、需要を掘り起こしているためだ。今後、水性インクジェットプリンターのメリットを訴求して本体の販売にも結び付ける。
水性インクジェットプリンターは製版の必要がなく、少量印刷に適しており、商品のライフサイクルが短くなる中、商品をタイムリーに市場投入できる。シンク・ラボラトリーは1袋からでも印刷を請け負い、最短で3、4日間の短納期を実現している。
インクは環境負荷が低く、消費者の環境意識の高まりに対応できるとともに、印刷現場の職場環境を改善できる。操作はデジタル化しており、省人化が可能になるとともに、高度な技術が不要となり、印刷現場の人手不足の緩和にもつながる。
東京ガス/メタネーション技術 実証開始
エネルギー安定供給と脱炭素化 両立
東京ガスは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、エネルギー安定供給と脱炭素化の両立を図りながら、ガスはe―メタン導入、電力は再生可能エネルギー拡大を主軸に、ガスも電力も脱炭素化していく方針を掲げる。
e―メタンとは、再エネ由来のグリーン水素と二酸化炭素(CO2)から製造した合成メタンの呼称。燃焼時にCO2を排出するが、e―メタン製造時に排ガスなどから回収したCO2を用いるため、実質的に大気中のCO2は増えない。東京ガスは、30年までに都市ガス供給量の1%相当のe―メタン導入を目指しており、22年3月よりe―メタンを製造する「メタネーション」技術実証を始めた。並行して、GI基金の支援を受けながら、より高効率な「革新的メタネーション」の技術開発も進める。
30年までの移行期には天然ガスを高度利用し、社会全体のCO2排出量を着実に削減。低コスト水素製造技術開発などにも積極的に取り組む。30年以降はe―メタン導入量の着実な増加、再エネのさらなる拡大などにより、カーボンニュートラル社会への移行をリードする。
新光重機/のり面転圧をICT管理 品質向上・施工不良防止
バックホウとセットでレンタル
新光重機(千葉市中央区、中尾謙一郎社長)は、のり面の転圧(締め固め)をICT(情報通信技術)で管理するシステムを、バックホウ(油圧ショベル)とセットでレンタルを始めた。自社開発したシステムと、のり面に振動を与えて転圧するバケットを連携させて転圧のICT管理を可能にするもの。料金は1カ月間で100万円(消費税抜き)。今回開発したICT建機のレンタルで2025年5月期に3000万円の売り上げを目指す。
のり面を任意のメッシュサイズに分割し、転圧時間をバックホウのモニターに色分け表示できる。バケットで振動を与えた時間をバックホウに取り付けたセンサーで読み取り、新光重機が開発したシステムで処理することで実現した。
経験則に頼っていた転圧をICTで管理することで、規定の転圧時間までの施工を促し、品質向上と施工不良の防止につなげる。土砂崩れ対策としてのり面の施工管理が注目される中、今回の機能を搭載したバックホウのレンタルに力を入れる。全地球測位衛星システム(GNSS)を活用したガイダンス機能も搭載している。
幕張PLAY/千葉市内にスタートアップ支援施設を開設
起業家らが集まる事業共創の場
幕張PLAY(千葉市花見川区、神長尊士社長)は、スタートアップ支援施設「KUROSUNA PITCH(クロスナピッチ)」(同稲毛区)を開設した。自社でイベントを開催するほか、イベントスペースやコワーキングスペースとして貸し出す。起業家やクリエーターらが集まって事業を起こす場としても活用してもらう。
クロスナピッチは2階建てで、延べ床面積は約100平方メートル。倉庫だった場所を借り、改装して使用する。
1階には無料Wi-Fi(ワイファイ)やテーブル、いすを用意し、ワークショップやセミナー、イベントなどに利用できる。最大収容人数は30人。フロアの一部を使用する場合は、1-4人利用時で1時間500円(消費税抜き)、フロア貸し切りで4時間1万円(同)。貸し切り利用時はプロジェクターやホワイトボード、音響機器などを利用可能。
2階は同社の事務所として使用するほか、起業家らが集まる事業共創の場としても活用してもらう。神長社長は「この拠点から社会起業家やクリエーターが巣立つのを支援したい」と話した。