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千葉県産業特集
住みやすさ・働きやすさ実現 千葉県各市トップメッセージ ―1―
創業の地に選ばれる街 目指す/千葉市長 神谷 俊一 氏
物価高騰や円安進行など景気の先行きは不透明な状況にあり、労働力人口の減少や技術革新、ビジネスモデルの変化など社会・経済情勢は複雑化・多様化しています。このような状況下では、企業における安定的な人材確保や経営基盤の強化が必要不可欠であることから、人材育成・能力開発の取組の重要性は、ますます高まるものと考えています。
千葉市では本年度から、市内中小企業が経営革新などに向けた従業員のリスキリング(学び直し)に取り組む費用への支援や、人手不足が続く運輸業・建設業の資格取得費用への支援を強化しました。また人工知能(AI)などを活用して生産性を向上させ、経済を発展させるには、起業など新しいことに挑戦する方々の活躍が重要であるため、スタートアップや創業支援を一層促進するとともに、専属メンターが短期集中で伴走支援する「アクセラレーションプログラム」や、専門スキルを有する副業プロ人材のノウハウを活用した「新規事業創出支援事業」を実施するなど、事業フェーズに応じた切れ目のない支援を実施し、創業の地として選ばれる街となることを目指しています。
さらに脱炭素に積極的に取り組む市内事業者などを支援する「千葉市脱炭素推進パートナー支援制度」を創設しました。また国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関連する登録・認証を受けた事業者には、利子補給率の上乗せや、カーボンニュートラル(温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)対策にかかる認証基準を満たす設備などを導入する場合には、最大1000万円を企業立地促進事業補助金と併せて交付する特例奨励補助金の交付などの優遇制度を提供しています。
今後も事業者の皆さまと協力しながら、イノベーションとレジリエンス(復元力)を支える人材の育成・確保に努めるとともに、魅力ある地域資源を活用して都市の価値を高め、持続的な経済成長と雇用の創出を目指して参ります。
都市基盤・救急医療体制を充実/浦安市長 内田 悦嗣 氏
浦安市は、1969年の地下鉄東西線開通以前は、東京都心部に近接しているにもかかわらず、「陸の孤島」と言われた漁師町でした。その後、公有水面埋立事業により市域は約4倍にまで拡大し、東京ベイエリアの主要都市へと発展を続けてきました。特に、83年の東京ディズニーランドの開園は本市のイメージを大きく変え、今や全国有数の知名度を誇っています。
開発を進めていた時代は、平均年齢も若かった本市ですが、住宅開発が最終盤になり、高齢化に加えて、集中的に整備してきた公共施設の老朽化も進んでおり、今後も持続的に発展を続けるためには、「量的拡大」から、まちの活力や豊かさの醸成に努める「質的充実」に努める必要があります。
市では、地域包括支援センターのサテライトを自治会集会所などで開設し、身近な場所での相談体制を構築するとともに、同センターにスクールライフカウンセラーを配置し、介護と子育ての「ダブルケア」にも対応しています。
また、子ども医療費助成の高校生相当年齢までの無償化や小・中学生の学校給食費の無償化のほか、子どもたちの多様な学びの場として、県立特別支援学校や、千葉県内初となる「学びの多様化学校」の開校に向け取り組んでいます。
2011年の東日本大震災では、液状化により甚大な被害を受け、市民生活に直結するライフラインが寸断されました。震災からの復旧とともに、今後の災害に備え、幹線道路の液状化対策や無電柱化に取り組んでいます。
東京ディズニーリゾートを有する本市は、年間約3000万人が訪れる観光都市であり、この優位性を活かし、MICE(研修・報奨旅行・国際会議・展示会)の誘致を進めるとともに、国際観光都市にふさわしい行政サービスが提供できるよう、新たな財源も検討しながら、都市基盤や救急医療体制の充実に努めていきます。
市民の幸せを追求していくことが行政としての使命であり、まちづくりの根幹です。誰一人取り残すことなく、全ての市民が幸せを実感できるまち、その理想に向け挑戦を続けてまいります。
「持続可能なまち・佐倉」を次の世代へ/佐倉市長 西田 三十五 氏
1954年3月31日に誕生した佐倉市は、千葉県北部、下総台地の中央部に位置し、都心から約40キロメートル、成田国際空港から約15キロメートルの距離にあります。市の北部は印旛沼、西部は首都圏のベッドタウン、東部・南部は農村地帯が広がる中、佐倉インターチェンジ周辺に位置した工業団地が立地し、水と緑の豊かな自然と都市の利便性との調和がとれたまちです。
本年、市制施行70周年を迎え、この記念すべき年を市民の皆さまと共に祝い、次代へと継承していくため、未来を担う若い世代の発想力と行動力を生かしながら、70周年関連事業を進めております。この取り組みの一環として、2月に佐倉市と市内5校の県立高校などによる包括連携協定を締結いたしました。この協定締結を契機に、30年後の市制100周年を見据え、皆さまの心に残る記念式典、郷土愛が一層深まる記念事業を進めてまいります。
さて、4月から、市の中長期にわたる最上位の計画「第5次佐倉市総合計画 中期基本計画」がスタートしました。進展する人口減少・少子高齢化や、近年顕在化しつつある気候変動の影響といった課題の解決に向け、「地方創生の取組」と「気候変動への対応」を重点施策に位置付け、施策間の連携を図りながら、重点的に取り組んでいくことで計画全体の着実な推進を図ってまいります。
重点施策では、成田空港の拡張・機能強化に伴う周辺地域の経済規模拡大を見据え、企業立地を可能とする産業用地の確保を検討していくとともに、市内企業の競争力向上に向けたデジタル化などの取り組みに対する支援や、求職者に対する就労支援など、安心して働ける環境づくりに努めます。また、ゼロカーボンシティーの実現に向けて、施策の普及・啓発を通じた市民・事業者・市職員などの意識の醸成を図るとともに、取り組みに対する支援を進めてまいります。
今後は中期基本計画に整理した施策を確実に実行し、また、市民の皆さんをはじめ、あらゆる方々と手を携え、「オール佐倉」で、「持続可能なまち・佐倉」の実現と、次世代への継承に取り組んでまいります。