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不動産
2026年の不動産市場は旺盛な需要を背景に引き続き堅調に推移すると見込まれている。働き方や暮らしの多様化に伴いオフィスやマンションの市場は拡大傾向が続き、電子商取引(EC)向けを中心に物流施設の建設も相次ぐ。良好な事業環境が続く中で、各社は最先端技術の活用や新たなニーズの掘り起こしに力を注いでおり、持続的な成長に向けて脱炭素化や新規事業の創出といった取り組みを一段と強化している。
新たな価値を創造
三菱地所/次世代基幹物流施設の整備加速
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愛知県日進市の次世代基幹物流施設(完成イメージ=三菱地所)
三菱地所は次世代モビリティーに対応した社会課題解決型の次世代基幹物流施設の整備を進めている。高速道路のインターチェンジ(IC)から基幹物流施設に直結した専用ランプウェイを設けることで、自動運転トラックや2台分の荷物を運ぶ「ダブル連結トラック」が、高速道路から一般道に下りることなく利用できる施設だ。
日本の幹線輸送を担う広域物流・地域物流の結節点として、関東圏・関西圏・中京圏の3大都市圏で先行的に整備。徐々に各地へ展開することで国内の幹線輸送にシームレスな輸送サービスを提供し、物流業界の課題である人手不足の解消や配送効率の高い物流ネットワーク構築を目指す。
関東圏では東急不動産、シーアールイー(東京都港区)と連携し、横浜市の旧上瀬谷通信施設地区において「次世代基幹物流施設」の開発計画を始動させた。延べ床面積は約70万平方メートルで、発着点間の最適な輸送ルートを導き出して物流効率を高める共同配送の仕組み「フィジカルインターネット」実現への貢献も想定している。
災害に強靱(きょうじん)な都市を目指して同市が整備を予定する「広域防災拠点」の機能強化につなげるため、大規模地震などが起きた際には、基幹物流施設の特性を生かした災害対応への協力も行う。2030年頃に東棟、31年頃には西棟が竣工する予定だ。
関西圏では京都府城陽市で次世代基幹物流施設の開発に取り組んでいる。完全自動運転トラックや後続車無人隊列走行の受け入れを可能とし、これら次世代のモビリティーが高速道路から一般道に下りることなく利用できる物流施設を想定。
また現在実用化されているダブル連結トラックの受け入れも可能とした施設を計画している。物流IoT(モノのインターネット)などの最先端技術に対応した中核物流拠点として、人手不足の解消や配送効率の高い物流ネットワーク構築に寄与していく考えだ。
中京圏でも次世代基幹物流施設の開発計画をスタートさせた。愛知県日進市で延べ床面積約約23万平方メートルのマルチテナント型物流施設が、30年代前半に竣工する予定だ。
同計画によって、三菱地所が推進する基幹物流構想は、関東・関西と併せて、幹線輸送における三大都市圏を結ぶこととなる。貨物を降ろした次世代モビリティーに別の方面行きの荷物を積み込んで走行することで輸送効率を高める「基幹物流型ラウンド輸送」の実現も見据えている。
日鉄興和不動産/虎ノ門アルセアタワー竣工
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「虎ノ門アルセアタワー」(日鉄興和不動産)
東京有数のオフィス街である東京・虎ノ門で、日鉄興和不動産が手がけた大規模オフィスビル「虎ノ門アルセアタワー」が竣工した。周辺地域をつなぐ安全で快適な歩行者ネットワークの形成や、都市防災機能の強化、都市環境の向上などの効果を見込んでいる。
虎ノ門アルセアタワーは、都市再生機構などの地権者で構成する虎ノ門二丁目地区再開発協議会が進めてきた「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」における業務棟。同事業では、虎の門病院や国立印刷局などを含む街区を一体的・段階的に開発している。
地上38階・地下2階建てで、高さは約180メートル。過去から未来へと世代をつなぐ想いを込めた建物名称の「アルセア」は、植物のタチアオイの学名に由来する。同事業地区は、江戸時代に浮世絵師・歌川広重が「虎の門外あふひ坂(葵坂)」として描き、当時はタチアオイが群生していたとされる。
3階にシェアオフィスやカンファレンス、フィットネス、2階にバイリンガル対応のコンシェルジュ、1階には予約制のバイクステーションを配置。外国人ビジネスマンらに対応できる国際ビジネスサービスセンターとして整備した。
また1—2階には、11店舗からなる商業施設「TORANOMON MARCHÉ」を開業。共用席、専用席、テラス席を合わせて昼は263席、夜は306席を用意し、ワーカーらに多彩なジャンルの食を提供する。
ランチ・カフェ・ディナー・バータイムに食べ歩きや飲み歩きを楽しめるフードホールとして、また店内飲食とテイクアウトの両方を提供できる「ミックスドフードホール」として機能する空間設計とした。中央の共用席にはイベントに利用できる音響設備なども備えている。
また同タワーは、災害発生時に重傷者らの受け入れ拠点として活用できるなど、都内最高レベルの防災対応力を備える。屋上に整備した防災ヘリポートに傷病者を受け入れて虎ノ門病院に搬送できる。エントランスホールやカンファレンス施設などを転用することで、帰宅困難者や軽症者ら約1500人の受け入れが可能だ。
都心にありながら、緑豊かな空間を整備しているのも特徴。同事業地区の北側では、歩道の街路樹と一体的な緑化空間を形成するため、広場などを整備。南側では赤坂・虎ノ門緑道を延伸し、さらに広場などを一体的に整備することによって、港区道第1014号線沿道に約4500平方メートルの緑化空間を整備する。
