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大阪産業人クラブ60周年
大阪産業人クラブ(千歳喜弘会長=KRI特別顧問)は、2025年2月、設立60周年を迎える。前身は1965年に発足した関西工場長連盟。「工場責任者が相集い、工場経営の合理化、生産技術の向上などに関する知識の交流と相互の親睦を図る」ことを設立目的に、産業を取り巻く環境が変化する中で常に時代の要請に応えながら、60年に渡って活動を続けてきた。
60周年メッセージ/関西経済の活性化に
発展に女性経営者の力/副会長 岩崎 佑子 氏
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副会長 岩崎 佑子 氏
大阪産業人クラブに入会したのは工業人クラブから産業人クラブへの変革が始まっていた30年前。モノづくりが中核の会に、私のようなソフト業界の女性経営者が入れたのは、確かな技術とともにデザイン力がなければ、購買者の中心である女性の心はつかめないという問題意識があったからだと思います。
当初は草原を駆け回るライオンの群れに紛れ込んだような心細さを感じたものでした。しかし女性部会長を任されるなど活動の中で、心細さは仲間を持つ心強さに、こちらの声が届く手ごたえを感じるようになりました。女性会員は経営の厳しさを、男性会員は感性の世界を学び合うことも多かったのではないでしょうか。
社会はまだまだ女性の潜在力を活用しきれていません。クラブは60周年。弊社は50周年を迎えます。ともに脱皮して大きく成長したいと考えています。
(岩崎企画会長)
未来社会に向け行動を/副会長 美馬 徹 氏
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副会長 美馬 徹 氏
大阪産業人クラブ60周年に当たる本年、大阪で55年ぶりの万国博覧会が開催されます。1970年の万博は「人類の進歩と調和」がテーマで高度経済成長を背景に技術のさらなる進歩とその影響を問いかけるものでした。今回は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにどのような社会を実現するのかを皆が考える機会となります。時代は持続可能な社会の実現に向けて動き、また多様性の時代とも言われます。経済活動でも資源の活用方法、働き方、地域再生など多くの分野で変革が必要になります。
ただ、やみくもに現状を否定し変えれば良い、多様性のもとに何でもOKというわけではなく、ありたい社会のために必要な活動を考えて行動しなければなりません。2025年は昭和100年。100年先を見据え、関西経済が果たす役割を皆で考えるのも楽しいのではないでしょうか。
(関西金属工業会長)
夢語り合える貴重な場/副会長 阿形 清信 氏
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副会長 阿形 清信 氏
大阪産業人クラブはモノづくり企業を中心に100社以上が入会する異業種交流組織で、産業人フォーラム部会などの五つの部会を中心に工場見学会やセミナーなど活発な活動を展開しています。
経営者同士が垣根を越えて、夢を語り合える場はとても貴重で、会員にとって自己研さんや横のつながりを広げるだけでなく、自社を発展させる気づきを見いだす機会にもなっています。
さらにクラブを発展させるため、〝自分の思いを伝え、相手の思いを知る〟ことを繰り返し、会員が明確にメリットを実感できる活動を実施していきます。また、活動の内容は日刊工業新聞を通じて全国に発信します。
いよいよ4月に大阪・関西万博が開幕し、世界中から多くの人々が集まります。万博の開催が日本のモノづくりが、かつての隆盛を取り戻すきっかけとなることを願います。
(近畿刃物工業社長)
連携が一層必要な時代/副会長 田中 太一朗 氏
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副会長 田中 太一朗 氏
大阪産業人クラブは「関西工場長連盟」に始まり、種々変遷の上、「大阪産業人クラブ」となり、今日に至っています。会員間の相互親睦交流を密にしており、現在、会員企業は約100社。150社程度を目指して増強を図っています。
近年、社会構造は大きく変化し、重厚長大は軽薄短小へ、ハードからソフトへ、「大量生産、大量消費」から「多様化、高付加価値時代」へと転じつつあります。単一企業では判断・決断が困難な時代。一層の企業間連携に加え、公的機関や自治体などとの密なつながりが必要です。まさに本会の存在意義そのものと感じます。
4月13日には大阪・関西万博が開幕し、世界各国からも、さまざまな人々が大阪・関西を訪れます。東京一極集中から二極化の流れにある中、大阪産業人クラブの一層の存在感が問われる時代となっています。
(タナカカメ名誉会長)
筋肉質な組織へ/副会長 山口 宣弘 氏
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副会長 山口 宣弘 氏
大阪産業人クラブは60周年の節目を迎えました。次の70年、100年に向けて発展し続けていくためにも、これまで以上に会員同士が固く結びついた組織、つまりは「筋肉質」な組織にしていかなければなりません。
このため産業人フォーラム部会長として2023年度に宮崎県産業を視察しました。宮崎カーフェリーでは新船「たかちほ」を見学。宮崎日機装では航空機部品の製造現場などを見学しました。25年3月は山形県の企業視察を計画しています。同県への訪問は11年ぶり。めっきやダイヤモンド電着を得意とするジャスト、年間100億錠の生産能力を持つ東和薬品の山形工場を視察します。
大阪・関西万博の開幕まで2カ月を切りました。大阪にいながら世界の最先端に触れられる絶好の機会です。当クラブも大阪・関西経済の新時代を共に拓いていきましょう。
(富士電熱開発社社長)