-
業種・地域から探す
続きの記事
連携特集2026 “京感力”
活力与えイノベ生み出す
京都は伝統的に産業界と大学の関係が良好といわれ、これに行政も加わり産学官連携の活動が促進される。地域に活力を与えるイノベーションを生み出す原動力にもなる。互いに連携し刺激しあう独自の“京感力”を発揮し、京都経済の活性化につなげていく。
-
京都の産学官トップが集まり、4月に2回目を実施した「京都未来戦略会議」
京都の産学官トップが集まり、地域の未来を切り開く—。京都商工会議所や京都経済同友会など京都経済4団体と、京都大学などの大学、京都府・京都市の各トップが、京都の発展に向けた議論を行う場「京都未来戦略会議」が1月に立ち上がった。未来をつくる上で重要になる「教育」や「都市交通インフラ」などをテーマに据え、率直に話し合い、行動に移す狙いだ。
1月に第1回、4月に第2回を開催した。第3回は8月下旬を予定する。行政や大学、経済団体の取り組みなど事例を共有しながら、トップ同士が互いに思いをぶつけ合う。調整役を務める京都商工会議所の堀場厚会頭は「フリーの議論で出たそれぞれのアイデアを一本化し、現実的に進められることをしていく」と強調する。
京都の強みとして、国の「国際卓越研究大学」に認定された京都大学を筆頭に府内に40を超える大学があり、学生も多い。活力を生み出す源泉にもなる。京都の企業は大手だけでなく、中小やスタートアップも大学との連携を意識するところは少なくない。行政も産・学との連携関係を重視し、伝統産業やスタートアップの支援など、経済活性化に取り組む。
京都リサーチパーク/フェス入居者紹介 交流生まれる
京都リサーチパーク(KRP)は年1回のイノベーションの祭典「KRPフェス2026」を7月24、25日に行った。企業や公的機関など510者が入居しサイエンスパークを構成するKRP地区(京都市下京区)の活動をPRする取り組みだ。初日に入居企業・団体20者を紹介する展示企画「テック・ミートアップ」も初開催、多様な交流が生まれた。
ペロブスカイト太陽電池 普及目指す/大学の知見 産業界へ
日本発の太陽電池素材「ペロブスカイト=写真」は、軽量でフィルム状に加工でき、屋根や柱へ貼り付けられる次世代技術として注目が高まる。一方、実用化には耐久性や、劣化メカニズムの解明が不可欠だ。立命館大学理工学部電気電子工学科の峯元高志教授は「難しい研究だが、やるしかないと覚悟を決めた」と振り返る。
2026年度、産業技術総合研究所はペロブスカイト太陽電池(PSC)の研究で京都大学や物質・材料研究機構など六つの大学・研究機関と連携を開始。立命館大も参画している。政府のグリーンイノベーション(GI)基金事業として、2030年度までに発電コストを結晶シリコン並みの1キロワット時当たり14円以下などの目標を掲げ、基盤技術の底上げを急ぐ。
立命館大はこれまでも産学官連携に注力してきた。PSCでは、GI基金事業で積水化学工業や東芝と連携した実績がある。大学の知見を産業界へ供与することで、PSCの普及を後押しする。
立命館大学 理工学部 電気電子工学科 教授 峯元 高志 氏
劣化メカニズム解明し改善図る
-
立命館大学 理工学部 電気電子工学科 教授 峯元 高志 氏
—研究内容を教えてください。
「社会的なニーズが大きいペロブスカイト太陽電池の研究を主軸としている。2014年頃から研究を始めた。シミュレーションを通じて、ペロブスカイト太陽電池の動作を理解したことで、性能を高める方法についても知見を得られた。そこで、まずはペロブスカイト太陽電池作りに取り組み始めた」
—劣化に注目したのはなぜですか。
「劣化が一番の課題と考えたためだ。20年頃に劣化に関する研究を始めた。ペロブスカイト太陽電池の高性能化に取り組む中で、どのような状態であれば性能が低下するかの把握も進んだ。ただ、実際のペロブスカイト太陽電池が、どのように劣化しているのかを突き止めるのは難しい」
—産学官連携での具体的な取り組みは。
「企業が作った実用化に近いペロブスカイト太陽電池を用いて、劣化要因の解明などを行った。具体的には屋外よりも厳しい環境下にペロブスカイト太陽電池を置いて性能の変化を見る『加速劣化試験』などを実施した」
—連携で得られる利点や今後の目標は。
「実社会に出る技術に学生が触れられるのがよいのではないか。太陽電池は実感が得にくい分野の一つだと思う。社会とのつながりを感じられる点で、学生にとってためになる。今後は、劣化メカニズムを解明し改善する方法を見つけたい。寿命予測技術の確立も目指す。材料選択により寿命がどの程度になるのかを数値で示し、科学的に説明したい」
