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埼玉県川口市
開かれた市政 一番輝く街へ
県庁所在地さいたま市に次いで埼玉県内第2位の人口規模を誇る川口市が、大きな転換期を迎えている。2月に女性初となる岡村ゆり子市長が誕生。子育て施策や教育をさらに充実させていくとともに、産業振興やDXにも力を入れる。11月に創立90周年を迎える川口商工会議所の細野博隆会頭は、単独予算の応援金事業を打ち出し、市との連携やイノベーション促進支援にも取り組む。岡村市長と細野会頭に川口の将来像を語ってもらった。
川口市長 岡村 ゆり子 氏/人づくりへ子育てと教育充実に重点
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川口市長 岡村 ゆり子 氏
―新市長としての抱負と注力する重点施策を教えてください。
「市民にとって開かれた透明性の高い市政を実現しなければならないと強く感じている。街づくりの根幹は『人』にある。これまで川口市議や埼玉県議として一貫して主張してきた『人づくりなくして国づくりなし』という信念に基づいて、子育てと教育の充実に力を注ぐ。2026年度当初予算案には、5歳児健康診査の実施や小学校の体育館へのエアコン設置に関する費用を新たに盛り込んだ。子どもたちが多様な経験を通じて自らの可能性を広げ、自己肯定感を高められる教育環境を整えることも、将来の川口を支える人づくりに直結すると確信している。また外国人に関する問題についても国・県・市がそれぞれの役割を分担しながら、全ての市民が気持ちよく暮らせる環境を整えていく」
―市内産業の振興やDX推進はどう進めていきますか。
「『川口i―mono・i―waza(いいもの・いいわざ)ブランド』などを通じて、市民に地元の優れた技術や製品を知ってもらうとともに、川口ブランドを発信して販路拡大を支援する。1964年の東京五輪の聖火台は曽祖父が社長を務めた会社で製作した。こうした鋳物や機械、安行の植木といった伝統的な産業を大切にして、次世代へ継承していけるような取り組みを進めていきたい。一方、県議から市長に就任して痛感したのは、官民のDXの遅れだ。市役所内のさらなるDX化を進めるとともに、DX関連の知識が習得可能なeラーニングの提供を通じて市内企業の省力化・効率化を支援したい。すでにオートメーション化に積極的に取り組んでいる市内企業も多いので、状況を見極めながら真に必要な支援策を講じていく」
―川口駅への中距離電車停車については。
「上野東京ラインが停車することによって混雑緩和につながり、通勤・通学などの選択肢も広がることが期待できる。しかしながら財源を考慮すると、資材や人件費などの物価も高騰しているなかで、どうにか費用を抑える方法がないか検討したい。そのため、まずは私がJR東日本と話す場を持って状況を把握することから始めていきたい」
―川口のイメージをどう変え、どう伝承していきますか。
「川口を知らない人の中には『外国人が多い街』や『キューポラのある街』という印象にとどまっている人も多いと感じている。しかしながら、実際は都市化が進み、住みやすい街となっていることから、今後は女性からも選ばれる『オシャレできれいな街』を目指す。そのため、本市の強みである緑化産業を活かし、住む人が癒しを感じられる環境をつくっていきたい。また、9月にグランドオープンする市立美術館は、駅から近いという点が全国的にもアピールできると考えている。川口を知らない人にはネットのネガティブな情報に惑わされるのではなく、実際に川口を訪れて街の魅力を体感してほしい」
川口商工会議所会頭 細野 博隆 氏 /「現場第一主義」に地元経済界も期待
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川口商工会議所会頭 細野 博隆 氏
―2月に岡村ゆり子川口市長が就任しましたが期待は。
「就任を心より歓迎するとともに、市議・県議の経験で培われた『現場第一主義』の姿勢に地元経済界としても期待を寄せている。市長が掲げる『川口を輝かせる政策』は、地域経済の活性化に欠かせない。川口市と事業者、商工会議所が、現場での対話を重ねながら『川口を一番輝くまち』へと変革できるよう連携を図りたい」
―26年度の取り組みは。
「創立90周年事業の一つの目玉として、当所単独予算で『事業継続力強化対策応援金(愛称=事業おまもり応援金)』事業を打ち出す。深刻化する熱中症対策用途への応援だけでなく、企業がサイバー攻撃や自然災害などのBCP(事業継続計画)を講じるきっかけづくりと、市内経済循環とを狙った事業と位置づけている。パートナーシップ構築宣言の登録にも応援金を支給し取引適正化を促す」
―中期的な取り組みは。
「地域的・社会的課題に取り組む“川口版”『ローカル・ゼブラ企業』『スタートアップ企業』『1億円を目指す成長企業』に対し、多様な支援メニューを準備したい。人手不足対策事業だけでなくイノベーション促進支援なども26年度から取り組む予定だ」
―25年は市内会員企業がイタリアの「ミラノ・デザイン・ウィーク」に初出展しました。今後の展開は。
「『川口i―mono・i―wazaブランド』認定企業5社とデザイナーの連携プロジェクト『BASE TIMES kawaguchi』が、昨年に続いて今年4月に開催される世界最大規模のデザインの祭典『ミラノ・デザイン・ウィーク2026』に2回目の出展を予定している。金属製のチェアやクロックなどを通して『メイドイン川口』の高い技術力を示し、コラボレーションや海外への販路開拓を目指す。商工会議所では補助金の交付を通じて参加企業の販路拡大を支援する」
―JR川口駅の中距離電車停車に向けた川口市の取り組みへの期待は。
「60万人を擁する本市における主要駅にとっての必要性は高いと認識している。一方で岡村新市長は費用負担や市財政への影響を考慮し、あらゆる角度から幅広い視点で検討するとしており、会議所も進展を見守り必要な協力を行いたい」
―川口商工会議所は4月にオフィスを川口総合文化センター「リリア」に移転します。
「リリアは川口駅西口から徒歩1分の文化・交流拠点。移転でさらに利便性の高い環境となり、会員サービスの充実につなげられると考えている。気軽に事務所を訪れていただき、各種の相談に応えられるよう、支援体制も強化していきたい」
