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兵庫・神戸産業界
2024年の幕が開けた。神戸市中心部の三宮は再整備が進むほか、神戸のシンボル「神戸ポートタワー」のリニューアルオープンが予定されるなど、神戸が未来に向けて躍進する年となる。一方で人手不足など、企業を悩ませる課題は山積したままだ。阪神・淡路大震災から29年を経て、兵庫・神戸経済の成長戦略をどう描くか。自治体や産業界トップに展望を聞くとともに、地元経済の今を紹介する。
2024年トップメッセージ わが社の抱負―2
サステナブル経営、人的資本戦略に力/神栄社長 赤澤 秀朗氏
神栄グループは「食品・物資・繊維」の三つの商事分野に「電子」という製造分野を加えたハイブリッド型の「モノづくり商社」です。
現行の中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」の最終年度である2024年3月期は収益の伸長により、当初計画の連結経常利益12・5億円を大きく上回る見込みであり、増配も予定しています。
ここ数年は不採算事業からの撤退を進めてきましたが、「スクラップ」と「ビルド」は対になってこそ意味をなすとの考えのもと、新規事業や新たなビジネスモデルの開発を強力に推進すべく昨年10月に「事業開発室」を設置しました。
本年4月からスタートする新たな中期経営計画では、既存事業のさらなる収益力強化と新たなビジネスにより、社会課題の解決と企業成長を両立させるサステナブル経営やそれを支える人的資本戦略に注力し、経営理念である「新しい価値の創造につとめ、豊かな社会づくりに貢献します」の体現にまい進します。
地元神戸から〝脱炭素〟目指す/神鋼環境ソリューション社長 佐藤 幹雄氏
脱炭素化や再生可能エネルギーに関する取り組みが加速するなか、当社グループは地元企業として、上下水道施設・廃棄物発電施設の建設や運転維持管理、バイオマスを活用した発電・燃料化事業のほか水素発生装置の販売など、環境に関わる活動を展開しております。
またこれらの取り組みに加えて、広くご愛好いただいている冷却塔やグラスライニング製機器なども展開しています。
昨年の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では化石燃料からの脱却が、参加各国で合意されました。それに少しでも貢献できる商品・新しい技術を提供し、地元神戸からカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを発信していきます。
技術力でサステナブルな社会に貢献/東洋機械金属社長 田畑 禎章氏
昨年は資源エネルギー価格や資材・部材価格高騰などで、非常に厳しい事業環境となりました。しかし国内景気は緩やかに回復しているとみられ、アジア新興国の経済成長率も改善が見込まれることから、本年は期待が持てそうです。
当社では間もなく、約10年ぶりにフルモデルチェンジした新型の電動サーボ射出成形機「Si―7」シリーズを発売します。多用途多目的な成形を1台で行うことができ、可塑化の安定、ガスによる不良発生の低減にも効果を発揮する最新鋭のマシンです。加えて独自の省電力化技術で温室効果ガス(GHG)排出量の削減を図り、安全性能、使いやすさも向上しています。本年の当社は同シリーズを核として「Customersʼ Value Up」の方針のもと、お客さまのモノづくりの課題解決と価値向上に貢献するとともに、培った技術力でサステナブルな社会の実現にまい進します。
変化先取り、新価値生み出す/住友ゴム工業社長 山本 悟氏
昨年は世界的な金融引き締めや、地政学的緊張などの影響を受けましたが、一方でコロナ禍からの回復が進み、世界経済は緩やかに持ち直しつつあります。このような環境下で、当社は市場ごとの動向を見極め、構造改革と将来の事業拡大に向けた成長事業の基盤づくりを進めています。
当社の企業理念体系Our PhilosophyのPurpose「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」を実現するために、スマートタイヤコンセプトでのタイヤの進化に加え、データビジネス拡大によって将来のモビリティー社会やサステナブルな社会に対応していくこと、そのほかゴルフ・テニスなどのスポーツ事業、制振ダンパー・メディカルラバーなどの産業品事業で、人々が健康・安心・快適に暮らせる社会に貢献していくことを目指しています。
当社は、これまでに世界初の技術や商品を生み出してきました。そうした先進性をこれからも発揮し、ありたい姿の実現に向けて、変化を先取りし新しい価値を生み出してまいります。