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未来に向け躍進する年に
神戸ルミナリエ開催/コロナ禍経て4年ぶり
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神戸ルミナリエのメリケンパーク会場 -
4年ぶりの本格開催となった神戸ルミナリエの点灯式 -
2023年12月21日に再点灯した「神戸ポートタワー」
コロナ禍を経て4年ぶりの本格開催となった「神戸ルミナリエ」。震災が発生した95年に初開催された。震災から30年となる来年を迎えるにあたり、29年目の本年は実験的な取り組みが行われた。
神戸ルミナリエは従来12月に開催しており、過度な混雑による諸問題が発生。また企業からの協賛金も減少している点が課題だった。
神戸ルミナリエの開催29回目となる今回は、1月中旬―下旬の開催に変更した。久元喜造神戸市長は「神戸ルミナリエの鎮魂行事という原点に回帰する」と理由を説明する。また、初めて有料エリアを設けた。加えて例年の会場である旧居留地や東遊園地のほかにメリケンパークにも作品を展示。来場者の過度な集中を防ぐとともに回遊性を生み出したい考えだ。久元市長は「(ルミナリエ作品展示を)分散することで、ナイトタイムエコノミーの活性化につながるか、検証したい」と話す。
震災を経験していない市民や県民は当然、増えていく。斎藤元彦兵庫県知事は「災害の記憶は30年で風化すると言われる」と懸念する。震災の経験や教訓をいかに継承するかが課題となる。
神戸医療産業都市/国内最大級医療クラスターに
震災は神戸の産業にも打撃を与えたが、順調に回復している。震災の復興事業の一つ「神戸医療産業都市(KBIC)」も23年12月末時点で366の企業・団体が進出する国内最大級の医療産業クラスターに成長した。KBICにとっても本年は、重要な年になりそうだ。
浅野薫神戸商工会議所副会頭(シスメックス社長)は「24年はKBICがいよいよ産業化のステージに向かう」と説明する。優れた研究成果や試作品が生まれても事業として継続するには、いわゆる「死の谷」を越える必要がある。経営ノウハウや資金面での支援が必要で、商工会議所としても産業化の支援策を検討していく。
神戸港 脱炭素へ/CNP形成進む
〝港町・神戸〟の港湾機能も震災で打撃を受けた歴史がある。現在、神戸港を取り巻く環境は脱炭素などで大きく変わっている。
サプライチェーン(供給網)の脱炭素化を目指す企業が増える中で、港湾を脱炭素化するカーボンニュートラルポート(CNP)への取り組みが進む。神戸港ではすでにコンテナ荷役作業に使用するトランスファークレーンで動力を水素燃料電池に換装可能なものが導入されている。CNPの形成は神戸港の付加価値向上や水素産業、背後地域の振興にもつながる。また地政学リスクの高まりで、日本の港で日本の貨物を輸出入できることの重要性は高まっている。
阪神・オリックス リーグ優勝/日本シリーズ関西決戦 59年ぶり実現
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神戸・三宮のフラワーロードを通過する阪神タイガースのパレードバス -
メリケンパークを通過するオリックスバファローズのパレードバス
23年は神戸をはじめ関西のスポーツ業界がかつてない盛り上がりを見せた。プロ野球は阪神タイガースとオリックス・バファローズの関西2球団がそれぞれリーグ優勝。59年ぶりの日本シリーズ関西決戦が実現した。優勝記念パレードは大阪と神戸の同時開催となり、神戸で会場となった三宮にも多くのファンが訪れた。
その三宮では再整備が進んでおり、「30年に大まかな全体像が現れる」(久元市長)。21年に阪急神戸三宮駅直結の「神戸三宮阪急ビル」が開業し、街の風景が様変わりした。今後も分散するバス乗り場を集約した新バスターミナル1期ビルが27年末に完成予定だ。28年頃には神戸市庁舎2号館跡地に新庁舎、29年にJR三ノ宮新駅ビルと、続々と重要なハード整備が行われる計画だ。
26年には神戸市西区に「神戸複合産業団地南地区産業団地(仮)」が開業予定だ。ゴルフ場を転用して整備し、総敷地面積は103万6000平方メートル。製造業や流通業の入居を想定する。
第11回高校生ビジネスプラン・グランプリ/9校8プラン受賞 兵庫県・神戸市・日本公庫
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兵庫県下の多くの高校生が表彰された
兵庫県と神戸市、日本政策金融公庫神戸支店は2023年12月26日、ANCHOR KOBE(アンカー神戸/神戸市中央区)で、「第11回高校生ビジネスプラン・グランプリ」における兵庫県内受賞校の表彰式および受賞プランの発表会を開催した。
同グランプリは全国の高校生および高専生の創業マインド向上を目的とするコンテストで、日本公庫が主催。全国で展開する取り組みで、23年度は全国505校から5014件の応募があった。このうち兵庫県下では31校・239プランの応募があり、9校8プランが受賞。この中からビジネスプラン「ポイントで盛り上げる音楽アーティスト応援サービス」を提案した須磨学園高等学校がセミファイナリスト(ベスト20)に選出された。
DX挑戦ゼミ好評/近経局・中小機構・兵庫工業会
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DX挑戦ゼミナール開催に先立ち、開催の意義について挨拶する近畿経済産業局地域経済部の竹村祐樹総括係長
近畿経済産業局と中小企業基盤整備機構近畿本部は2023年12月21日、「トランスフォーメーションバイデジタル!DX挑戦企業2社が新事業開発に取り組む『DX挑戦ゼミナール』」を開催した。同事業は全6回のゼミナール形式で12月21日の第1回を皮切りに3月6日の第6まで開催し、兵庫工業会もこれに協力する。商品・サービスの開発や販路開拓、ビジネス変革などデジタル技術を活用した新事業開発の手法を学び、自社の展開につなげてもらうのが目的だ。
第1回は貨物運送や包装業を手がける大門(兵庫県明石市)と、電鉄・電力分野での各種制御装置の製造を手がけるカコテクノス(神戸市)が、自社のSWOT分析の実践や結果検証などの取り組みについて発表。コアや強みの説明に加え、目指す新規事業の再確認を行い、これに対して講師を務める船井総研デジタルの小平勝也取締役常務執行役員が、評価やブラッシュアップできるポイントなどをアドバイスした。
同ゼミナールにオブザーバーとして参加した企業関係者や中小企業支援機関関係者との質疑・応答も活発に行われ、参加者から「当社のDX活用に向けて、質の高い有益なヒントになった」と高い評価を受けた。